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メメント・モリと写真

9/25(日)、美術館めぐりしました。まずは東京写真美術館で開催されていた『メメント・モリと写真』を鑑賞。



しかしわたしは人間の写真がたくさんあるところが苦手なのです。特に顔の写真が苦手で顔プリントTシャツとかめちゃめちゃ苦手なのです(他人が着てるのはなんとも思わないけど自分が着てるのは苦手)。。。ということを思い出し、不安に襲われる入場数秒前。

しかし今回の写真展は作品と作品の間隔が広く、むやみやたらに引き伸ばされてる写真が少なかった(無かった?)ため、全然大丈夫でした。



展示されていた作品のほとんどが白黒写真でした。白黒にした写真(白黒に意味がない写真)、色を抜いた写真(白黒に意味がある写真)、死を映した写真、死から生を映した写真、生から死を映した写真、生を映した写真(死との繋がりがあまりわからない写真)、いろいろありました。

そのなかでも澤田教一氏の作品が死から生を映した写真や生から死を映した写真がすべてで好きでした。被写体からのメッセージ性100%写真に収めようとするメッセージ性と芸術性は画家のような映画監督のような、写真家という名前だけでは収まらない何かを感じました。


フライヤーにも使われている老婆と老爺の写真。マリオ・ジャコメッリの作品です。

わたしは過去の写真のように感じていました。病める時も健やかなる時もふたりは寄り添い生きてきた記録のような愛を感じていたのです。しかし作品のタイトルを見て血の気が引きました。


《やがて死がやってきてあなたをねらう》


これは未来の写真なのです。ふたりはひとりが死ぬまで未来を見ているのです。お互いにお互いが死ぬまでお互いの未来を見ているのです。


わたしはあまり死ぬことを怖いと感じない人間なのですが、死ぬことが怖いと感じることが生や愛への執着だとわかっていたけどわからなかったことがわかったようなわかっていないような、、、きっとわかってしまったら僧侶にでもなれるような気がしました。

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