新茶話
煤田 灸金
半導体という言葉が世に出始めた頃、これは半・導体なのか半導・体なのか疑問に思ったことがある。
少し長じて、それは英語のsemi-conductorの訳だと知った。つまり、半分-伝導体ということだ。
電気を通しやすい物質を(良)導体といい、反対に電気を通さない物質を絶縁体という。
半導体はこの中間に位置する物質であるので、半・絶縁体と言っても良さそうなものだが、やはり最初に言い出した人(言い出しっぺ)に倣うのがいいのだろう。
その半導体は、かつては中途半端な物質で使い道はないと言われていた。
しかし、現代では半導体なしでは社会は成り立たない。
この拙文のタイトルであるが「新茶話」は新茶・話なのか、新・茶話なのか。
新茶は旨いがここで新茶を語ることはない。語っても年に一度で済んでしまうだろう。
正解は後者、新・茶話である。
では、茶話とは?それは、薄田泣菫(すすきだ・きゅうきん)の名著「茶話」の後釜を自称している。そこで、筆名を煤田灸金(すすけた・きゅうきん)とした。金に灸を据えるの意味である)
薄田の名文を凌げるとは毛頭思わないが、せめて玖僅(きゅうきん:僅かに玖しい)と思ってもらえれば本望である。
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