スパイダーマン アクロス座ー2024年7月20日
・スパイダーマン アクロスザスパイダーバース(以下atsb)を観た。
すごい映画だった。
これはネタバレになるかもしれないが、この映画って一作で完結していないんだね。次回作も楽しみです。
・カノン・イベントという言葉がでてきた。
カノンイベントというのは、スパイダーマンという作品で言うと、身近な人の死など、「スパイダーマンとして生きる上での重大なイベント・転換点」を表す言葉…であるらしい。
・この言葉を知ったのは少し前で、解説もスパイダーマンに関係するものを読んだ。なので、スパイダーマンのファンの間で使われる非公式なファンの造語だとなんとなく思っていた。
しかし、今回作品の中で「カノン・イベント」という言葉が明確にはっきりと使われたので、感動していた。
・改めて調べるとサブカルチャーにおいては使われている言葉であり、スパイダーマンにおける用語ではないらしい。しかし、コアなファンの間で使われる言葉のようで、だから今、一般的な言葉ではないのかと思う。
・今回の作品の感想って面白いのはもちろんだけど、スゴ…と終始感じていたというのがリアルな感想だ。
トム・ホランドのスパイダーマンからスパイダーバースという概念が明確に広がり始めて、スパイダーマン no way homeでは、3人のスパイダーマンが同じ世界に集結した。本来ではありえないのだが。
・これまでのスパイダーマン(トビーマグワイア主演、アンドリューガーフィールド主演、トム・ホランド主演の2作目まで)では、スパイダーバースという概念については一切触れられていなかったが、だいたい同じ運命をたどる。それは身近な人の死を体験するというカノン・イベントが発生するという意味で、「大いなる力には、大いなる責任が伴う」ということの象徴だ。視聴者としての私は、スタン・リー原作の「スパイダーマン」から始まった実写の派生作品だからこそ、それぞれ違うスパイダーマンだけど、同じ運命を辿るんだな、と感じていた。視聴者として完璧に別々のスパイダーマンとして観ていた。
・atsbでは、完璧にカノン・イベントを作中のキャラクターたちがカノン・イベントという言葉とともに認識しており、スパイダーマンとして生きる上で身近な人の死は避けられないことを認めている。
この点において、「色々なスパイダーマンがいるが、それは現実の人間が商業などの理由から作っている作品であり、視聴者としてそれぞれのスパイダーマンという世界は全く別の物と認識する」と考えてきた私にとってかなり衝撃的な作品となった。
・スパイダーマンno way homeも私の見方としては「3人のスパイダーマンが揃ったことは映画を作る側の都合であり、これまでスパイダーマンを観てくれていた層に向けてのサービス」くらいにしか思っていなかったのだが、atsbでキャラクターたちがカノン・イベントを認識していることで、サービスにとどまらず、スパイダーバースが存在することを感じた。
・あと画が良いよね。