自転車撤去
都会ではよくある光景。そう、自転車撤去。まあ郊外での自転車撤去の様子が全く分からないので都会ではという書き出しはおかしいと言われかねないのだが。そんなことはさておき、自転車撤去の話に移ろう。
一般的に放置自転車を指定の場所へ移送し、その移送料として5,000円ほど徴収し、返すという流れだろうか。だが、ちょっとまってほしい。
たしかに自転車が放置されている状況は良くない。目の見えない方の障害になるだけでなく、そもそも限られた道幅がより限られたものになってしまう。景観的にも迷惑になるだろう。しかし、そうやって自転車を撤去するシステムを作るのであれば同時に駐輪場を用意していないとおかしい。
というのも体感になるが、放置自転車が撤去される地域の多くは駐輪場がない。放置自転車といいつつも正しくは「放置せざるを得ない自転車」になっている状況がある。
自転車利用者ならきっと駐輪場を設置してほしいという思いはどこかにあるはずである。冒頭都会ではという言葉を使ったのは、都会のメインの移動手段の多くが自転車であるからだ。
おそらく、企業や役所もこの考えは理解をしていると思う。なぜなら自転車を使っていれば、自分たちが不利な状況にあるとわかるから。
それでもなぜ駐輪場が増えないのか。まあ答えは単純だろう。儲けにならないからである。駐輪場を作ったところで、機械代・維持費・土地代と多くの費用がかかるのにもかかわらず、収益は1台につき100円200円程度である。
仮に50台収容できて、平均稼働率70%の状況が30日続いたとしても最大の収益は210,000円程度。(50台×200円×30日×70%)
まあとてもではないが黒字になるとは言えない。駅や商業施設に駐輪場をつけておけば、費用の部分を別のところでカバーできるし、むしろ客にとっては機会施設を使う機会に繋がるのでプラスに作用する。だからまず企業が街中に駐輪施設を作ることはわざわざしないのだ。
だから頼みの綱は役所しかない。そもそも税金の使い道ってこういうところじゃないのとは思うが、今は本題とズレるので割愛。頼みの綱の役所は撤去で儲けを得ている。撤去の場合、移送施設の代金に加え、施設管理をする人・自転車を撤去する人、移送する車、移送予告の告知代、なんなら撤去されてそのまま取りに来ない人もいる→自転車の処分費と費用がとてつもなくかかる。(それに対して収益は自転車移送料としての1台あたり5,000円だけと考えていい)
これらと駐輪場を天秤にかけたらどうなるだろうか。圧倒的に駐輪場を作った方が得だと思うんだけどな。うーん、作ってくれるかな。
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