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こんな夜にも色彩

はぁ〜い


てぃーあつです


「スナックに1人で行こうと思ってる」

「は?」




ある日のバイトの後輩との会話



「いまおれ、歳上の女性に包まれたいのよ、
それも30〜40代の」



「きもすぎます笑」


そう真っ先に浮かんだのがスナックだった

1人で夜のお店に行ったことないし

1人でお酒を呑みにいったこともなかった



こんな日々に終わりを告げようと試みた



今日は自分の古着屋さんに後輩の知り合いがきた

年齢は1つ下

吉祥寺の古着屋で働いているらしくお洒落で素敵だった

お話しした後、その子が後輩と自分に
コーラを買ってくれた



情けない



年下から奢られる飲み物が1番美味ぇ




ごちそうさま


「めっちゃいい人だった!」


「そうなんすよあの方、本当にいい人なんですよ」


「おれ今日このバイト終わったあと1人でスナックいく」


「まじですか」



「うん!」

「それだったら1杯いれていきましょうよ、おれ奢りますよ」



「やったー!ありがとう!」




おれは1日に年下2人に奢られた


「本当情けない歳上!」

「絶対そんな事言わない方がいいのに!」



お店の喫煙所でラオスのエロい話して盛り上がった


ほろよいでガンギマリになった



「ほいだらそろそろいきまっかーとぉwww」




先祖全員ごめん



なるべく子孫残さないように努めるから



「あかん緊張してきた!」


「大丈夫ですよ」


「かっこつけて意味わからん名前の酒頼むぞこれおれ!」


「いや、そこはママにおすすめ聞きましょう。絶対その方が可愛いです」


「お前は天才か!」

「ちんこ洗いました?」

「洗った方がいい?」

「洗った方が可愛いです」

「まじ?」

「いや、洗わない方が可愛いかもしれないです、逆に臭い方が可愛いかも」

「臭い方が可愛い?」

「臭い方が可愛いです」

「臭い方が可愛いわけないだろ」

「臭い方が可愛いわけないですね」

「そもそもそういうお店じゃないだろ」

後輩はお店の前まで見送りにきてくれた

昨日一緒に選んでくれたお店

ここに来ようと決めていた

お洒落な電光掲示板に映し出された店名

駅北側の細い裏路地にひっそりあるお店


日中身体に含んだ鬱憤やストレスを搾り上げてくれそうな

そんな明るい闇みたいなものも感じた


さぁ準備は整った


「いってきます!」




「いってらっしゃい!」











ガールズバーだった





「ん?」




「はーい、ここ座ってください!」


「あ、はい、、」



どこがスナックだよ


内装タピオカ屋じゃねえか


「何呑まれます?」


「あ、じゃあレモンサワーで」


「私も何か頼んでいいですか?」

「どうぞ!」




どうぞ!じゃねえよ


接客してくれた人は後から聞いた話だと27歳のお姉さん

私のことは32歳に見えていたらしい


500円のうまい棒食ってドリンク代

30分いて3600円

あと30分いれたけど

アルカス脳でもわかった


"もうこれ以上は何も生まれない"


「すみません、そろそろ時間なので帰ります!」

「あら。もう帰っちゃうの?なにかあるの?」

「はい!あります!」


「なにがあるの?」


「あります!」


お店を出た


大きく息を吸って吐いた




あいつに何を包み込めるんだよ




だれか32歳だよ

あんたの2つ下だよ


全然違う


そういうのじゃない


少し歩くとある店が目に入った



"Philippine pub"




フィリピンパブだ



もう私の脳はIQ3ほどであった

人間の射精時のIQでもあり

サボテンのIQでもある


(40分2000円…)




(安いぞ!)


高い


細い階段を上がった


本当にこんなところにあるのか、、


3階に上がり奥のドアを手前に引いた



すると店内から歌声が聴こえた




「イカウ アン パグイビッグ ナ ヒニンタイ〜♪」






フィリピンパブだ^ ^


店内は数多のミラーボールで眩い色彩が入り混じっていて聞き覚えのある日本語の音楽も流れていた

席に案内されるとコースの案内

自分と机を挟んで向かいにお姉さんが座ってくれるスタイル

すぐに30代半ばくらいの顔立ちのはっきりとしたお姉さんが席についた

「コバンハ〜」


「どうも!」

「アラオニサンヒトリ?」


「うん!」



"うん!"



敬語解いて国境越えんな



「ナニノム!」



「焼酎!」




無理すんなちんころ肝臓



「オニサンカミナガイノワタシトイッショ!」


「ほんまやね!みんな日本の歌も歌えるんですね!」


「ミンナニホンノウタダイスキ」


「へー!お姉さん何聞くの!」



「スマップ!」



SMAP


「ほかは?」



「ミスターチルドレン!」



ミスチル



「ミスチルは何の曲が好き?」

「オニサンカノジョハ?」


「ミスチル何聞くの?」


「オニサンカノジョハ?」


「いないです!」


「ハナビ!」


会話の電波悪いって


HANABI好きなんかいフィリピーナ



「オニサンウタウ?」


「歌いません!お店の中素敵なんで動画撮っていい?」


「イイヨ!」


「ありがとう!」


「ワタシノカオウツサナイデハズカシダカラ!」




かわいいんかい



「撮らない撮らない!」

「オニサンオドル?」

「踊らないゲボ出る!」


その後フィリピン語とか有名なものとか日本の話とか色々した

お姉さんも慣れてきたのかフィリピン語を押し付けることさえしてきたのでその時間は
奥のフィリピーナの尻を見ていた


めっちゃ楽しかった


「オニサンアリガトマタクル?」

「来る!」


最後にぎゅーしてもらえた



帰れる^

フラフラの状態で家に帰った


風呂に入る気力もないままベッドにダイブした



そういえば19-21歳はどうしようもない夜をたくさん過ごしていた


そんな夜は明るく色がたくさんあった


そんなどうしようもない色彩の夜を思い出したりして時の流れを感じた


その色彩の正体は今まで目の当たりにしてきた景色カタマリのようなものなのか

決して捕まえる事のできない花火のような光なのか

ただのミラーボールなのか



それは過去が現在かも錯覚させるようなうるさい色彩だった

ただ乱視の私はそれがよりぼやけて入り混じった色に見えた

でも確かに時は流れていた       

その場にいた時でさえも



こんな夜にも色彩

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