ハロプロOG3人のライブを同時期に見て辿り着いたわたしなりの真理。
2024年3月20日、横浜ランドマークホール。
コロナの感染拡大により名古屋での1公演の開催のみで中止になってしまった「New Face!」以来実に4年ぶりの工藤遥さん(以下どぅーorハルちゃん)のソロライブに足を運んだ。
彼女が娘。現役の頃から応援しているのだけれど、好き度がグッと上がったのは'15の春くらい。ただし譜久村さんという絶対的推しがいたので"グループ内の2推し"って感じで、コンサートではホットピンクとオレンジのサイリウムの2本を装備。「ふくちゃんが卒業したら次の推しはどぅーだな」なんて思ってたのに彼女の方が先に卒業しちゃったのよね。
確かに2013年の舞台「ごがくゆう」で演技してる姿を初めて見たときから、演技力は他のメンバーより頭抜けてる、卒業後は絶対そっちの道に行った方がいい、と思ってたけれど。でも早い!!そもそも歌もダンスもメキメキ実力をつけていってた最中だったので(ハスキーボイスが故にちょっと擦れたように響く高音もステキだったし、ダンスは首でのリズムの取り方がとっても好み!!!)まだ見ていたかったし、なんなら「ハルちゃんがリーダーのモーニング娘。」なんてifも想像したりしていたし。女優業メインでとやってくと言いつつも卒業後もできれば歌とダンスが聞ける/見られる場があったらいいなと思ってた。バースデーとかFCイベントは数曲歌ったりしてたけど「ライブ」と銘打たれるのは前述の通り4年ぶりだし、「New Face!」はチケットがそもそも入手できていなかったのもあって、今回のライブ開催のお知らせが出た時点でかなり高まっていた。
ステージに登場してアカペラで歌い出したのは「若者のすべて/フジファブリック」のサビの部分。
しかしその視線は客席の方を向いておらず、半身の姿勢のまま空や床、そしてバンドメンバーを行ったり来たり。
緊張しているのがありありとわかった。
MCもたどたどしく、「トークといえば工藤」とばかりにブイブイ言わせてた
娘。現役の頃の見る影もないくらいだった。
ドラマ「95」の撮影期間ということもあってその影響が強めに出てたセットリストで、90年代J-POP大好きBBAのわたしは歓喜!wちょいちょい知らない曲、聞いたことあるけどタイトルとアーティスト名がすぐに思い出せない曲もあったけど、「1/3の純情な感情」はイントロドン状態で沸いてしまった。(ちなみに一緒に行った旦那は全曲わかったと。知らないうちにいろんな曲を聴いてる守備範囲の広さよ、、)
最後の曲の前のMCだったか、こんな発言があった。
「このステージに立つのが怖かった」
この言葉にはちょっとびっくりした。でも登場したときの姿を思い出せば確かにそうだった。
女優業から自分のことを知ってくれて、娘。時代の映像を見て「この頃に出会いたかった」と言ってくれることを"逆輸入"と呼んでいるそうで(笑)、「ハロー!の曲を歌ってるのが聴きたい」という声があるのもわかった上で、あえてハロプロ関連一切なし(「1/3-」はBuono!もカバーしてたけど)、全てカバー曲で挑むことに決めた。ただそれを受け入れてもらえるか…そんな不安との狭間で揺れていたのかもしれない。
本人の発言で気付いてハッとしたのだけど、すでに娘。在籍期間よりも卒業してからの方が長いのだ。「一人になってからがんばってきたし!」と涙声になりながらちょっとキレ気味に経緯を話すハルちゃんに、昔から変わらないいい意味での頑固さというか意志の強さと矜持を感じてちょっと安心したというか微笑ましくなってしまった。
「女優」という、自分ではない誰かを表現するということを長くやっているからこそ、「全てカバー曲」という、自分の持ち歌以外で如何に表現するか/自分の想いを投影させるかの方がやりやすかったというかしっくりきたのかもしれないし、見ているこっちも曲の世界観に没入できた気がする。
終演後旦那と感想戦を繰り広げていたとき頭に浮かんだのは、ついこないだライブを見た2人のハロプロOGーー鈴木愛理と和田彩花だった。
愛理は卒業後もメインの活動、核となるのは音楽。「昔からのファンも、ソロになってから出会ってくれた人も置いてきぼりにしたくない、楽しんでほしい」という想いからか、どのツアーでも必ず℃-uteやBuono!の曲はセットリスト入りしている。(2022年の芸能生活20周年記念ライブのメドレーとかすごかったもんね)あいりバンドとのアンサンブル、コンビネーションも年々強固に。その場でくじ引きで演奏する曲を決めるというコーナーがあったのだが、「リハする曲数増えて大変」と素人目には思えてしまうのだが、そこはやはり音楽のプロ。圧巻のステージだった。
あやちょは和田彩花とオムニバス、LOLOETの2つのユニット?プロジェクトを同時進行中。2月に見たのはオムニバスの方のライブだったんだけれど、1年半のフランス留学を経てさらに軽やかになったというか「こうでなきゃいけない」という固定観念がなくなってきてるなぁと。先日はあやちょがコロナに感染するもボーカル不在で予定通りライブに出演したり、カンナギマロ(福田花音)との時を越えての対バンなどアグレッシブ。
発表されていた音源とはまるで違う編成で奏でられる曲たちを新鮮に、驚きを持って楽しめたし、新調したという真っ白なマイクについて嬉しそうに話していた昔から変わらない笑顔にほっとしたり、アンジュルムの頃から好きだった真っ直ぐで澄んだ高音の歌声がより美しくなった気がして、今のあやちょを見れてよかったと思えたライブだった。
短いスパンの間に3人のライブを見て、改めて思ったのは
どれがいいとか悪いとかではなく、「みんなちがって、みんないい。」(©︎金子みすゞ)んですよほんとに。
そして、「推しには好きなようにやってほしい、幸せでいてほしい」これに尽きるんです。
アイドル時代の制約を取っ払って、(もちろんソロになってからもいろんな障壁があったりで必ずしもやりたいこと全部が全部叶っているわけではないかもだけど)どんどん自分の意志や主張を出してきてほしい、こっちはちゃんと受け止めるから!
…と洗練されたみなとみらいから線路を挟んだ酒クズの魔境・野毛で管を巻いていたヲタクなのでした。ちゃんちゃん。