自転車担ぎレギュRTA(リアル登山アタック)の攻略

1.初めに

RTA(リアル登山アタック)において最近注目を集める「自転車担ぎ」ですが、マジで挑むにはハードですし、先駆者も変態ばかりで参考にならない、と思われる方も多いでしょうから、真面目に攻略法を解説してみたいと思います。

なお、私は分析スキルが高いだけの「ゆるふわ」です。ガチな話はシクロクロスや世界一周冒険家の方々を探すと参考になるでしょう。

2.ボトルネックの分析

自転車担ぎのボトルネックが何かというと、
・持ちにくさ
・肩の痛み
になります。10Kgのロードの場合、重量自体はたいしたことありませんが、担ぎにくい形状で、一部の筋肉や一部の骨に負担をかかると、特定部位の疲労と痛みがボトルネックになるわけです。

そのため、自転車担ぎに適したフォームの工夫でダメージを軽減したり、肩にかかる重量を1点でなく広い面積に分散させることで痛みを和らげるといった対策が重要となります。

3.担ぎ方のフォーム

トップチューブで担ぐのか、シートポストで担ぐのか、背中に回すか、などいろいろありますが、「自転車 担ぎ方」でググって出てくる担ぎ方を参考に自分で試しているのが早いでしょう。
(文字だけの説明が難しいし、図を描くのも面倒なので、投げますw)
「自転車 担ぎ方」Google検索

基本的な考え方は、ふらつかせずに体に密着させるような担ぎ方+支え方をするのと、足を自転車にぶつけないように、自転車が地面や空中の枝木などの障害物にぶつからないように歩くこと、になるかと思います。

4.機材(重量の話)

自転車は機材スポーツです。自転車担ぎにおいても「軽さ」が重要です。

車種で言えば、ロードバイクやクロスバイクが軽量でよいでしょう。小型なミニベロや折り畳み自転車が良いかというと、小型で強度を維持するためにロードより重くなっていて不利です。サス付きMTBや電動も同様に重いので不利きです。

10Kgのロードに対して、20Kgの小径車やMTBや電動自転車では、難易度が2倍上がるわけです。

また「自転車担ぎ」自体、トップチューブがある前提で攻略や分析が行われているので、トップチューブのない車種では情報ノウハウの蓄積面でも不利となるでしょう。

ちなみに、スぺシャライズドのシクロクロス用高級ブランドでは、
https://www.specialized-onlinestore.jp/shop/g/g71419-0046/

トップチューブは、シケイン越えでバイクを肩に担ぎやすいようフロントトライアングルのスペースを大きく取り、肩に食い込まないようチューブの下面を潰しフラットにしています。

と、担ぎに向いたトップチューブになっているようです。

5.機材(クッション)

肩の痛みを減らすには、体と自転車の接点を増やし、面積当たりにかかる重量を分散させる必要があります。

クッション

担ぎ用の「パッド」を探すと、ARAYAからショルダーパッドが売られているのですが、
https://item.rakuten.co.jp/ride-on/araya-pa002/
ニッチな需要のせいかお高い・・・。自転車担ぎRTAのネタ動画を撮るためが目的なら、安い中古を探すか自作でも良いでしょう。

また、輪行のようにベルトを使って肩から吊る方法もあります。ベルトが肩の曲線に合わせて重量を分散してくれるので、担ぐより痛みはないでしょう。

試しに輪行中の車内で、30分ほど肩から下げ続け、1駅毎に左右の肩で持ち替えてぶら下げ続けるテストをしてみたのですが、特に大きな痛みはなく(ロングライドのケツの痛みと同様に耐えられるレベル)、どうということはなかったです。駅からホテルまで10分輪行状態で歩くようなケースでも、痛みは耐えられる範疇なので、整地を歩く分には問題ないでしょう、

ですが、輪行スタイルは、自転車が低い位置になって、自転車が地面に接触しやすかったりふらつきやすいのが難点で、できるだけベルトを短くして肩に近い位置で体に密着させる吊り下げ方をするのが良いのではないかと思います。

6.担がない(持ち上げるだけ)

自転車を手で持って登れる難易度の山なら、肩に担がずとも手で持って登った方が楽です。最近ニコニコに、標高45m程度の都心部の築山に、自転車を肩で担いで登って動画化している兄貴がいましたが、100%ネタでしょう。

手で持たず肩に担ぐ理由としては、長時間だと腕の疲労に耐えられなくなるのと、肩に担ぐと片手をフリーにできて、急斜面やガレ場などを安全に突破できるからでしょう。多分。

一方、最近のRTA(リアル登山アタック)界隈での「自転車担ぎ」の流行は、普通のRTAに走者が飽きた、普通でないRTAに視聴者が喜ぶ、という単純な理由によるものなので、別に肩に担がなくても視聴者が喜ぶネタが提供できれば、「肩に担ぐ」のは必須ではないわけです。

下の写真は茨城県某所の廃道ですが、この程度なら手持ちで突破できました。https://www.nicovideo.jp/watch/sm35221209

ガレ場

7.メンタル

自転車担ぎでは、普通の登山に比べ、肩の痛みに耐えるメンタルが必要になります。自転車勢の場合、長時間サイクリングでの尻の痛みに耐える経験が役立つでしょう。

もう一つの問題は、自転車を肩に担いでいると、他の登山者から「なんだこいつ?」という視線を浴びせられるので、それに耐えるためのメンタルも必要があることです。動画のためとか視聴者のためとか、強い使命感がないと、「ゆるふわ」が耐えるのは難しいでしょう。

人の多いメジャーな山の場合、少しでも人の少ない平日や早朝に挑むのが難易度を下げるコツです。

8.ゆるふわ向け「自転車担ぎ」RTA戦略

軽い自転車を用意し、長時間耐えられる「担ぎ」のフォームを磨き、パッドでダメージを最小化し、ガレ場での担ぎ歩きの経験を積んでいけば、誰でも自転車担ぎに強くなれるでしょうが、

ゆるふわは一生に一度やるかやらないかの自転車担ぎ、ゆるっとふわっと達成するためには効率よく挑む必要があります。

頂上付近まで舗装路で自転車で登り、ラストちょっとだけ自転車担ぎで登れるコースを選べば、担ぎのフォームやテクニックが下手であろうと、短距離ならどうにでもなるでしょう。

登山パートの実走距離がたったの100mであろうと、撮影時間は2分以上になるでしょうし、頂上での休憩や下山、それから山の紹介や茶番を挟めば動画としては十分な長さになるはずですから、ボリュームも問題ありません。

最後に1つだけ注意点を申し上げますと、電動のレンタルサイクルで挑むと、20Kg級の重量があり、ゆるふわのパワーでは持ち上げ続けられないので、レンタル自転車で挑むのは難しいだろうということです。

いつかスポーツ自転車買って挑みましょうね。(自転車沼にようこそ!)

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