登り坂、向かい風、あっての自転車旅
インスタのストーリーズでオススメを上げるようになったら、明らかにお客さんが増えた。
特に若い人達、あるいは若い感覚の人が多い。
SNSを通じてアピールしたい人達。
一番稼ぎ時の夏が、今年は暑すぎて不発で顔が青ざめていた私に、この効果は真夏の山でめぐり合わせた湧き水のようだった。
この夏はあまりの暑さでもうろうとして、仕事やサービス内容を相当絞ってもいた。
絞ったために更に来店客が減ったが、基本の基本に集中したことで、その部分は充実できて、過ごしやすくなった今、リピートしてくださるお客さんから手応えを感じられるようになった。
◇ ◇ ◇
私は自転車が好きだ。
ずっと下り坂で、風も追い風で、自転車を懸命にこがなくてもいい時間が続くと、つまらなくなる。
予想外の登り坂や強烈な向かい風、あるいはトラブルで自分の全力を投下しないと乗り切れない時こそが、後から考えると忘れ難い大切な時間に変わる。
自転車操業という言葉がある。
ずっとペダルを踏んでいないと、自転車が停まって倒れてしまうことを例えに、売り上げと支払いのサイクルがギリギリで、ひたすら回していく感じを言う。
本当の意味での自転車操業には陥っていないが、今の商売は登り坂で向かい風だ。
でも、こんな時が、結構幸せだ。
仕事をする以外選択肢がない。
思い上がる余裕などない。
まるで自分の店が、大きな自転車のようだ。
漕ぎ続けている。
◇ ◇ ◇
今日は休日。
買いたい物がいくつかあった。
まずは、トイレ掃除用スプレーの本体。
スプレーって、最初は本体ごと買って、あとはずっと詰め替えの中身だけ、と思っても、数回詰め替えると、本体のレバーの部分が壊れますよね。
スカスカして戻らない。
どこかで、ちゃんとしたスプレー本体の買い替えが出来るか?と自転車に乗って走り出し、信号待ちの時に検索したら、無印良品にあるらしい。
「その手があったか!」と向かった。
それ以外にも、私の簡易ベッドの木の枠と、その上の中敷きみたいなものがズレてしまうので、滑り止めを買いたいと思っていて、それも無印良品で調べたら、ラグ用の物があったので買った。
あとは100均でも良いんだけど、マグネットもそれなりに欲しくて、無印良品でついでに買いたかったけどなかった。
◇ ◇ ◇
メインの用事は無印良品で終わった。
あとは自転車で好きに走るだけだ。
浅草、銀座、目黒、三軒茶屋、下北沢、中野、池袋と走り、近所の王子のサイゼリアでフィニッシュ。
今年中に、時々走る三軒茶屋ー下北沢ルートを走っておきたかったので、無事に終われて良かった。
次の週末は当店最後の連休で、そこからは大晦日の年越しそば用の特大天然海老天の販売に向けて、さらにギアを一つ上げる。
その2日、本当の自転車旅をしたいがどうなるだろう。
どちらにしても、自転車操業的な世界でしか見られない店からの景色を楽しみながら、最後までペダルを踏んでいこう。