
「平成狸合戦ぽんぽこ」を久しぶりに観ました
この数年、ずっと気になっていたアニメ。
初めて観たのは25年くらい前だったと思います。
十歳くらい下の、サイクリング部の現役生たちと周年記念をやることになり、彼女たちがジブリが好きだというので観たアニメの一つが「平成狸合戦ぽんぽこ」。
その時に深く感動したのを覚えているのですが、いまさら見直してもなぁ、と思いとどまっていました。
映画のエンディング曲、上々颱風の「いつでも誰かが」は大好きな曲。コロナ時代にYouTubeでこの曲を検索したら、他の曲も心に響いて、一時はずっと上々颱風の曲を聴いていました。
さて、何でこのアニメが今だに気になるのかよく分からないまま、一昨日の晩、発作的にAmazonでDVDを買いました。
今日、仕事を終えて、夜遅くに塾から帰ってくる息子を待つまでの間、届いたDVDを観ました。
観てすぐに分かりました。
まさに、でした。
◇ ◇ ◇
この数年、熊やイノシシが町に出てくるニュースが増えました。
ニュースを見ていると、市街地に出てくる熊は殺してもしょうがないと思ったり、自分ならどういう対策をするか、など敵としての熊対策に思いを巡らします。
一方で、いま宮沢賢治が生きていたら、市街地に現れる熊の事をどう思い、どう表現するだろうか、とも。
そんな事を考えている時にも、記憶の奥底で、「平成狸合戦ぽんぽこ」の事を思い出していたんだと思います。
このアニメは、多摩丘陵がニュータウンとして、森や丘を切り拓いて造設される時に、そこに暮らしていた狸が人間に戦いを挑む、というストーリーです。
久しぶりに観てすぐ、まさに今の人間と、町に降りてきた熊との関係そのものだな、これが観たかったんだ、と納得しました。
動物の側から見る人間社会。
全くそうだよな、現代人の自分の視点の貧しさに、がっかりとします。
ストーリーの最初は「人間」対「狸」だったのが、最後の方に少し様相が変わってきます。
誰が敵なのか。
いや「何が」敵なのか。
まず生きること。
生きる上で、一番大事なもの、失ってはいけないものは何か。
いろんな要素が詰まっていて、今回初めて気づく所がたくさんありました。
ものすごい筆力。構成力。
◇ ◇ ◇
時々、宮崎駿さんのドキュメンタリーを見ますが、彼が一緒にアニメを作ってこられた高畑勲さんを、恐れるほどに畏敬する語りを見る時があります。
この映画は、高畑勲さんが監督。
それを知って、改めて観たいと思ったのも1つの理由です。
観てよかった。
実はこれを買った日に、がっかりしたこと、残念なこと、不愉快なことなど、立て続けに起きて、ふと思い出し、買おうと思ったのです。
息子の夕飯の一部を作りながらなので、ちゃんと観られなかった部分も少しあり、また改めて観たいと思います。
是非皆さんも。
地元のユニバーサル映画館「チュプキ」さんでもやらないかなぁ。今こそ観る映画だと。
もし、近所で観たい人がいたらDVDをお貸ししますので、声をおかけください。
いつでも誰かが
きっとそばにいる
◇ ◇ ◇ 参考まで↓
熊については、このnoteが私には一番参考になりました。秋田県の参議院議員の方です。
上々颱風の「平成狸合戦ぽんぽこのテーマ曲」。
上映されてから随分後の動画ですが、コロナ下で、初めてこのバージョンを知りました。
おやすみなさい。