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割とよくある? デザイナー VS エンジニアの小競り合い(デザイナー視点)
元WEBデザイナーが、WEBデザインの仕事についてつらつらと書いていきます。今回はWEB制作の現場でよく起こる、デザイナーとエンジニアの小競り合いについて、デザイナー側の立場で語ります。職業訓練・スクールで学んでいる人、就活中の人、WEB制作の現場ではこのような事もあるということを、心の片隅にでも留めておいてくれたら幸いです。
勝手にデザインを変更される
フロントエンド、バックエンド両方のエンジニアに共通してある傾向です。デザインを実装する段階で、知らぬ間にデザイン、仕様が変更されている、という事がよくあります。
話を聞いてみると、「実装するのが難しい」「該当箇所のデザインが用意されていなかった」「デザインカンプ、ガイドラインを見ていなかった」等々の理由で、現場のエンジニアの独断、一存で行っている場合が多いようです。
デザインはクライアント、プロジェクトマネージャーまたはディレクターとのすり合わせのうえ、合意にいたって完成しているわけで、本来であれば、現場の一個人の判断で改変するというのはゆるされないはずですし、一介の作業担当者にそのような権限が与えられているとも思えません。
やむを得ない事情で改変が必要ならば、プロジェクトマネージャー、ディレクター、デザイナーにまず相談すべきなのではないでしょうか?
「できません」と即答される
エンジニアは「不可能を可能にするファンタジスタ」よりも、どちらかというと保守的な仕事をする、自分に出来る事、過去にやってきた事の範囲内でしか仕事をしない人であることが多いようです。自身のアイデア、要望に対して、「できません」と即答された経験のあるデザイナーも結構いるのではないでしょうか。
コーディングの知識、能力が皆無のグラフィックデザイナーが作ったデタラメなデザインカンプならまだしも、コーディングの知識、能力を有したWEBデザイナーが、実装可能と判断して作成したデザインカンプに対して、「できません」「どうやって実装するんですか?」と反応を返すエンジニアはコミュニケーション能力だけでなく、技術力を疑われても仕方なし、です。
「どうやって実装するのか」を脊髄反射的にデザイナーに問い詰めるのではなく、「どうしたら実装できるのか?」を考えるのがエンジニアの仕事なのではないでしょうか?
「開発側の都合」を押し通す
スケジュール、予算、仕様を根拠にして、「合理性」「開発効率」の名のもとに開発者側の都合を押し通すエンジニアはとても多いです。
昨今のデザイナーはUXの概念、理論に基づいてデザインを作成していると思いますが、そのようなトレンド、設計思想を開発の現場に持ち込もうとしても、先述のようなエンジニアの抵抗にあい、結局断念せざるを得なくなることもあります。
システム開発案件ではデザイナーの立場が弱くなることが多く、エンジニアの圧力に押し負ける事がしばしば起こります。そして完成したプロダクトは大抵の場合、人間中心設計、ユーザーファーストからは程遠いものに仕上がります。
彼らはいったい誰のために、何のためにそれを作っているのでしょう?
「デザイン」という言葉に拒絶反応を示す
デザイナーにエンジニアの仕事を押し付ける、あわよくばデザイナーをエンジニア化しようと目論むエンジニアはとても多いです。
反対にデザイナーが簡単なUIデザインや、デザイン的要素を含むコーディングの仕事をエンジニア(特にバックエンドのエンジニア)にお任せしようとすると、秒で逃げるか、断固拒否されたりします。
UXについて、エンジニアも学んでおくと何かと都合が良いのですが、UXに「デザイン」という言葉がくっついてしまっているため、エンジニアにUXの学習を進めても、内容を知りもしないで拒否されたりすることが多々あります。デザイナーが思っている以上にエンジニアの「デザイン」に対する苦手意識、拒絶反応は強いようです。
「デザイン」と名の付くものすべてが、美的センスを問われる、理屈で理解しがたいものとは限らないのですが・・・
歩み寄りたいが溝は深いかも
デザイナーもエンジニアも、お互いにもっと歩み寄るべきだとは思うのですが、デザイナーでもコミュニケーションが苦手な人もいますし、エンジニア側にも「パルスのファルシのルシがパージでコクーン」を現実の会話でやってしまうような、自分の意図を他人にわかりやすく伝える工夫ができない人もいたりと、なかなか思うように意思疎通ができない事が多いですね。
「人に伝えること」を常に意識して仕事をしているデザイナーでも、エンジニアとの意識共有、協業は難しいと感じることがありますし、時に衝突することもあります。お互い「普通の人間」であって、「超能力者」でも「完璧超人」でもありませんから・・・
追伸:
真偽の程は定かではないですが、職人デザイナーが多くいた時代では、「話し合いで決着がつかない時は拳で解決」が横行していたとかいないとか。特に建築の世界ではそのような昔話をよく聞きます。広告業界等でも古株(昭和世代)のデザイナー、ディレクターは口が悪くて喧嘩っ早い人が多い印象があります。