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WEBデザイン学習修了者は恐れず飛び込め!実務を知ろうとしなければ仕事には永遠に繋がらない、という話

元WEBデザイナーが、デザインについてつらつらと書いていきます。今回は職業訓練、スクール等でWEBデザインを学び終えても「WEBデザイン勉強中」で止まってしまっている人は、デザインの現場に飛び込む勇気を持つべき、というお話です。WEBデザイナーを目指したい人、WEBデザインを学んでいる人、学校で学び終わっても何かが足りないと感じている人に読んでいただければ幸いです。


いつまで「WEBデザイン勉強中」でいるの?

WEBデザインを職業訓練、スクール等で学んでみても、次の一歩が踏み出せず、何かが欠けている、何かが足りないと感じて学び直したり、新たなスクールに入学してみたり、独学で学習を続けたり、延々と「デザイン勉強中」のままの人を時折見かける事があります。

そのような人達が感じている、学んでみても何かが足りないという感覚。では一体、足りないものは何なのでしょう?

実務経験とは現場の実例に則したトライ&エラーの集積
職業訓練、スクール等では数ヶ月~半年程度の期間で仕事に必要になる最低限のデザイン理論と技術を広く浅く学ぶだけですので、色々物足りなさを感じるのは無理もない事かと思います。

また、職業訓練、スクールでは実務的なデザイン理論、技術以前の、美術・デザインの基礎的な事を学んだり、実践したりする機会が用意されていないため、それが後々仇となる事もあります。

とはいえ、学校で学んだり、独学で学んでいるだけでは、現場の実例に則したトライ&エラーの集積、いわゆる「実務経験」は、どうあがいても得ることが出来ません。そして、デザインの現場で求められているのに、デザイン学習者に足りないものはこの実務経験なのです。

一番足りていないのは「踏み出す勇気」では?
知識、技術、実務経験も確かに足りていないでしょうけれど、いつまでも足踏みしてしまっている原因は、現場に飛び込む勇気が足りないからではないでしょうか?

学習を積み重ね、自分自身を100%納得のゆくレベルに仕上げてからでないと進めないと感じている人もいるかもしれませんが、石橋をいくら叩いてみても、渡らなければ向こう岸に辿り着く事はできませんよ?

自信がない?最初は誰でも同じ

今現在、現場の第一線で活躍しているデザイナー、大御所、著名デザイナーとして輝かしい実績を残している人達にも、当然ながら駆け出しの時代はありますし、誰もが皆、自分の能力に対して「自信がない」状態を一度は体験していると思います。

今活躍しているデザイナーでも、駆け出しの頃に自分の未熟さ、拙さに打ちひしがれ、枕を涙で濡らした経験は少なからずあるでしょう。

どんな人でも、最初の一歩を踏み出すのには相応の勇気が必要なことだと思います。今のあなたとデザイナーとして成功している人達の違いは、最初の一歩を踏み出せたかどうか?の違いです。

そもそも、まったく未知の世界に足を踏み入れようとしているのだから、自信を持てないのも当然の事です。

むしろ、かじった程度の知識・技術で自信過剰に陥っていたり、デザインのツール操作を覚えただけで何でもできるようになったと勘違いして、万能感、優越感に浸っている人よりも、自身の能力、置かれている状況を客観的に把握できていると言えます。

恐れや不安、自信の無さを感じるのは、人として至極当然、自然な事ではないでしょうか?

人材募集中の企業は最初から100%を求めてはいないし、自分自身にも求めるべきでない

実務経験者を募集している企業でも、小規模かつ切羽詰まった状況でない限りは、求職者に対して最初から自分達の理想とする100%を求めている事はほぼありません。

実務経験5年以上、デザイン職以外にもグループリーダー、ディレクター、プロジェクトマネージャー経験のある人は責任の重い仕事を任されたりするので、最初から企業側が期待する100%に近いものを求められる事がありますが、実務経験3年以下の駆け出しデザイナーにはそれほどの重責を求められる事はあまりありませんし、実務経験3年以下では、100%企業側の期待に応えられる人も、実はそれほど多くありません。

求職者も自分自身に100%を求めるべきではありません。100%自信が持てる位に学習を積み重ねても、「学習した」だけではデザインの仕事の実務に必要とされる水準に達することはありません。

また、仕事を探す際、自身の理想とする働き方の100%を最初から求めない方が、良い結果に繋がる事もあるのではないでしょうか。

デザイナー、デザイン専門職にこだわって就職活動をしてもうまくいかないなら、ECサイトの運用管理、企画、広報、SNS運用といったデザイン関連、またはデザインのスキルが必要な職種を検討してみるのも良いでしょう。

デザインする事を目的にするよりも、目的達成の手段としてデザインスキルを活用するという考え方の方がキャリアの幅が広がりますし、デザイン専門職よりも長く務める事ができたり、給与、待遇もデザイン専門職よりもよかったりします。

デザイン、クリエイティブ系の派遣、業務委託は正社員よりも採用条件が厳しい事が多い

職業訓練、スクール等を卒業後、正社員として企業への就職を希望しても、「実務経験3年以上」という厚い壁に阻まれて苦戦する人も多いかと思います。

正社員が無理なら、派遣、業務委託なら何とかならないかと考える人も多い様ですが、デザイナー、デザイン専門職の場合、正社員よりも派遣、業務委託の方が採用条件は厳しいという事がよくあります。

デザイン、クリエイティブ系職種を派遣、業務委託という雇用形態で募集している企業のほとんどは、「就業後すぐに100%フルスロットルで実力を発揮してくれるような即戦力」を求めています。

派遣、業務委託といった雇用形態で求人を行っている企業は、自社で人材を育成するつもりがない、またはデザイナーを自社内に常備する事に消極的で、必要な時だけ外部リソースでまかなうつもりでいる可能性が高いです。

したがって、求める人材は業務遂行に際して教育担当者、指導者が必要なデザイン職未経験者ではなく、自律稼働が可能な「デザイナーとして既に完成している人」である事がほとんどです。

派遣会社、業務委託の仲介エージェントもそのような事情は承知していますので、経歴がそこそこ長くて実務経験豊富な人に優先的に案件を紹介しており、実務未経験者に対して積極的に案件を紹介する事は滅多にありません。

お金に余裕があるならインターン、アルバイトから始めて見よう

派遣会社、業務委託は正社員採用よりも難しい一方で、アルバイトの場合は実務未経験者でも採用される可能性は高く、環境次第では下手に正社員で就職するよりも、実力が身に付く事もあります。

また、お金に余裕があるのであれば、インターンとしてデザインの仕事の経験値を積むのも良いでしょう。デザインの現場で実案件を元にした内容を学べますので、デザイン系スクールをはしごしたり、独学で学び続けるよりも有意義かと思います。

最初の一歩としては、自社製品、サービスを提供している事業会社よりも他社のデザインの仕事を請負う制作会社を選ぶ方が、いろいろな業界、分野のデザインを担当できたり、高いデザイン力を身に付けられる機会が多く、デザイナーとしての経験値を得るのに向いていると思います。

SES系企業求人、実務未経験からいきなりフリーランスはおすすめしない

実務未経験者が就職活動をする際に、必ず行き当たるのがこのSES系企業の求人です。「実務未経験者歓迎」「数ヶ月の研修でプロデビュー!」といった謳い文句を掲げている事が多いですが、実態としては研修を受けてもデザインの仕事は回ってこない、研修期間中はテレアポ、接客販売等の現場に派遣されるといった、デザインの仕事とは内容の異なる業務に就かされることが多いようです。

また、就職先がなかなか見つからないからといって、実務未経験の状態で、成り行きでフリーランスになることを検討することもお勧めしません。

特に職業訓練、スクール卒業後に学び直しを検討してしまうような慎重な性格の人が、フリーランスとして必要なビジネススキルと実務経験無しの状態から、なかなか就職できないという成り行きだけでフリーランスになるのは、失敗する確率の高い危険な行為であると考えられます。

最終的にフリーランスを目指すにしても、まずは収入を得ながら実務経験も積むことのできるような環境に、なんとかして入り込む事を考えた方が良いでしょう。


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