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私が世界で一番好きな曲は「All At Once」

私は今年34歳になるのですが、小学校の頃から(そんなに幅広くではありませんが)今に至るまで少なからず音楽は聞いてきました。「一番好きなアーティストはなんですか?」と言われると、そのときによってコロコロ変わるので、自分の中で唯一絶対のものはありませんでしたが、「今まで出会った曲の中で一番好きな曲はなんですか」と言われて挙げる答えは今まで一度も変わったことがありません。その曲は、今は亡きアメリカの歌姫、ホイットニー・ヒューストンの「All At Once」です。

All At Onceとは

知らない方のためにYouTubeのリンクを貼ります。誰が聞いても名曲だと思うのでぜひ聞いてほしいです。後述しますがこの曲の魅力は歌詞にあるので、日本語訳つきのものを貼ります。メロディ自体も良いのですが、絶対に歌詞を見ながら聞くことをおすすめします。

実は私も曲の背景については詳しくなかったので、改めてWikipediaで調べました。もともとはアルバム「そよ風の贈りもの」(原題:Whitney Houston)に収録されていた曲で、後にシングルカットされた楽曲のようです。1986年なので私が生まれるよりも前の曲だそうです。

ホイットニー・ヒューストンはずっと好きだったとかそういうわけではなく、中学校2年の英語の授業で、先生が毎月洋楽を1つ紹介して聞くというのがあり、そこで初めて知りました。この曲と同時にホイットニー・ヒューストンという歌手がいるということも知りました。

この曲を初めて聞いたとき、衝撃を受けました。中学校の授業中に聞いたわけですが、涙が出そうになった記憶があります。おそらく音楽を聞いてこんなに胸を打たれたことはなかった。胸を打たれるというか胸を締め付けるような感覚。本当に衝撃でした。

すっかりこの曲の虜となってしまった私は、これが収録されているホイットニー・ヒューストンのアルバムを買い、今日に至ります。

初めてのアーティストは普通はベストアルバムから買うのですが、ラブソングのベストアルバム的なやつをを買いました。以下のアルバムです。多分直感的に「このアーティストはラブソングを歌ったら間違いない」と思ったのでしょう。(実際にその直感は当たりで、このアルバムはとても気に入ってます)

All At Onceとはどんな歌

簡単に紹介します。YouTubeに日本語訳つきの音源があるので私が解説する必要はありませんが、聞いて分かる通り、これぞ「ザ・失恋ソング」という楽曲です。「All At Once(※「突然に」という意味の熟語)」というタイトルが意味する通り、恋人と別れてしまったことで、幸せだった状態から一瞬にして、突然にして悲しみの底に落ちたことを嘆いた悲哀の歌です。

この曲は中学校の英語の授業で聞かせる題材に先生が選んだことからも分かる通り、結構平易な英語で書かれたわかりやすい歌詞です。そのためメッセージがストレートで伝わりやすいのが特徴です。メッセージがシンプルだからこそ、失恋のメッセージがダイレクトに聴き手の耳を突き刺すのです。

それをいっそう強固にするのが、圧倒的な歌唱力と声量を持つホイットニーの歌声、そしてこの曲のメロディの作り方。聞くとすぐわかるように、Aメロでは低い音域から始まってだんだん高くなり、盛り上がったところでビブラートのかかった声を響かせる、というメロディが聞かれます。

まさにこれは、悲しみによって沈んだ感情から、失恋のつらさを思い出して俄に半ばヒステリックに気持ちが高揚してしまった女性を体現しているかのような旋律です。

曲中では随所に盛大なビブラートがかかったホイットニーの歌声が聞けるのですが、2番のAメロをいつも聞くと、音楽技法的に声を震わせているのではなく、涙を流して声を震わせているように聞こえてしまい、それがいつも私の涙を誘います。

ホイットニー・ヒューストンの力強い歌声は、やり場のない悲しみをぶつける力強さとうまくマッチしているのも魅力と言えるでしょう。

そしてやはり一番の聞かせどころはサビです。サビは以下のような歌詞から始まるのですが、

All at once, I'm drifting on a lonely sea(突然、私は孤独の海を漂っている)

この旋律の背後に流れているストリングスが魅力的です。このストリングスの響きが広大な海を想起させ、その広大な海の中に1人寂しく漂っている絶望感を強調しています。

「海を漂っている」という表現も好きです。なぜ海なのかはわかりません。ただ、私が聞く印象としては、ここで「海を漂っている」と表現したことで、失恋による絶望感が、例えば乗っていた船から突然海に投げ出され、広大な海の中で助けを求めることもできない絶望感を想起させます。

さらに2番のサビのあとは移調してサビを繰り返すことで、さらに曲を盛り上げ、よりストリングスの響きも強調されます。歌詞が表すメッセージがホイットニーの歌声によって強調され、また音楽がその歌詞に視覚的な情景を与えているような印象を私は感じています。

まとめ

つらつらとひたすら書きなぐってしまいましたが、この曲を私がこれほどまでに好む理由は、ホイットニーの歌声・表現力、旋律、歌詞が三位一体となり、それぞれがそれぞれを補強し合うことで生まれた完璧な調和にあります。私の中で、流れてくる音楽を耳から聞くという体験ではなく、音楽が耳を突き破って心を揺さぶられるような体験をしているといってもよいかもしれません。

私はこれほどまでに歌詞と歌声とメロディとアレンジが全て調和して1つの物語と生み出している音楽はないとすら思っています。

多分今後の人生でこの曲よりも好きになる曲はないと断言するくらい私の好きな作品です。

#音楽 #洋楽 #ホイットニーヒューストン




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