EVを気軽に所有するためのモバイルバッテリー
*お散歩中に。
(2020-11-30)
今朝、車にガソリンを入れに行ったんだけど。寒かったよ。秋は過ごしやすくていいなあ、なんて思っていたけど、急に空気が冷たくなった。それに、今日は風も強かったから、余計に寒く感じる。こんな日は、ガソリンを入れるのも億劫だ。
それで、ふと思ったんだよ。EV欲しいなあ。電気自動車なら、ガソリンを入れる必要がない。寒い日にガソリンスタンドに行かなくていいなんて、それだけで便利じゃないの。それに、モーターで走るなんて、静かで気持ちがよさそうだ。
とはいえ、これって都市に住んでいるのか地方に住んでいるのかによって、感じ方も違うんだと思う。普段の移動は電車で事足りるのであれば、電気自動車どころか、個人で車を所有するメリットがあるのかないのか、という話になってしまう。仕事や趣味で車の使用頻度が高いのであれば、所有した方が便利だろう。でも、使用頻度がそこまで高くないのなら、例えば、行楽に出かける時だけレンタカーを借りてもいい。そこそこ使うけど、そうは言っても普段は買い物なんかで少しの距離乗るだけというのなら、カーシェアリングを利用するのもいいだろう。目的地が駅から少しだけ離れているというのなら、シェアサイクルもある。それができるのは、都市では鉄道が発達していて、駅を中心に街がコンパクトにまとまっているからだ。移動の基本は電車で、街は駅ごとにある。駅から目的地までの少しの移動をどうするか、そこを考えればよい。だから、電動キックスケーターなんかの、電気自動車よりもっと小さなEVも、移動手段として有効だ。今の日本では、法律的なところで難しい、というのはあるけど。
一方で、地方に住んでいるとそうもいかない。地方では、移動手段というのは、つまり車のことだ。電車じゃない。電車は通っていたとしても、都市部のように、どこにでも行けるほど市内を網羅しているわけじゃない。それを補うようにバスもあるけど、バスは時間が正確じゃないし、それに本数も少ない。大抵の路線は、駅や病院なんかの大きい施設に向かうように設計されている。だから、それを乗り継いで、「どこか」から「どこか」へ行こうとすると、けっこうな遠回りになってしまう。経路としては駅まで出る必要がなくても、乗り換えをするには一旦駅まで出ないと、なんてことになるからだ。
それに、地方はコンパクトにまとまってはいない。勤め先の工場は、あっちにあって自宅から車で30分。出勤前にスターバックスでコーヒーでも買って行こうかと思えば、向こうの幹線沿いに路面店があったっけ。あ、あそこは9時からか。そうでなくても渋滞する道だ。昼ごはんは会社の社員食堂だったり、給食業者から納入されるお弁当だったり。職場の近くに食堂があるとは限らないし、あったとしても1軒、2軒。選択肢が少ない。帰りに服でも見ていこうかと思えば、そっちのみちからぐるっと回ってあっちに出ればイオンがある。こっちの病院に行くには、半日有休を取らないといけない。仕事終わりに飲みに行こうとすれば、一旦自宅に戻ってそれから駅前までバスで25分。一旦帰宅後に、わざわざ出向く必要がある。お酒に関しては車通勤だからというのもあるが、そうじゃなくても、自宅と職場、大型の商業施設、商店、病院、歓楽街なんかが、あっちとこっちとそっちにバラバラに建っている。駅を中心にコンパクトにまとまっているのと違って、もっと広い「地域」という単位があり、その地域全体で、街としての機能を持っている。
こんな風に、駅が生活の中心になっているわけではなく、あっちもこっちと移動するから、どうしても車が必要になる。
これが、コンパクトにまとまっている都市部であれば、オフィスの最寄駅で降りたら、会社までの道すがら、スターバックスでコーヒーを買っていこうか。それとも今日はタリーズにしようか。昼ごはんは会社のビルの近くで食べる。昨日はあそこのトンカツだったから、今日はこっちの移動販売のお弁当にしようか。帰りにパルコで服を見ていこう。それとも、駅前でちょっと一杯やって帰ろうか。こんなことができる。病院だって、職場の直ぐ向こうのビルに入ってる。駅を中心に生活圏があるから、必ずしも車を所有する必要はないし、ましてや一人一台持つ必要もない。
住んでいる場所によって、そんな違いがあるとはいえ、これから「車を所有しよう」とい前提なら、電気自動車は悪くない選択だと思う。ここでいう電気自動車は、ガソリンを一切使わずに、電気だけで走る車のこと。
電気自動車の購入を考えたとして、1回の充電で走れる距離が足りないという話をよく聞く。それに、その1回満充電するのにも、時間が掛かると。
確かに、ガソリン車なら、たとえ燃料切れになったとしても、数分間ガソリンスタンドに止まるだけで給油でき、また走り出すことができる。これがバッテリーを充電するとなると、数分では済まない。急速充電で80%充電するのに30分とか、それくらい掛かる。これじゃあ、遠出するのには面倒かもしれない。数で比較しても、ガソリンスタンドと比べて充電スタンドはまだ少ないし。
バッテリーやーモーターの技術がもっと発達して、1回の充電での航続距離が長くなるとか、数分の充電でもっと長く走れるようになれば、気にすることもなくなるのだろうけど、現在の話をすれば、確かにそこは、電気自動車の不便な点なんだろう。
だけど、こう考えるとどうだろう。例えば、僕の住んでいる地方都市だと、一人一台とまでは言わなくても、一家に複数台の車があるのは珍しいことではない。それなら、遠出にも使う車としてガソリン車も1台所有しつつ、他の車は普段の足と割り切って、電気自動車にすればいいんじゃないかな。それなら、1充電で100Kmなり200Kmなり走るのなら、ほとんどの人は日常の足として十分使えるはず。
一人暮らしだったとしても、普段は電気自動車を使って、休日なんかに遠出する時だけレンタカーを借りればいい。
ただ、一人暮らしの場合は、それとは別の問題が出てくる。自宅の充電器をどうしようか……。
これは、実際には一人暮らしに限らない問題だ。一戸建ての持ち家に住んでいるのなら、かなり自由に充電設備を設置することができる。でも、賃貸のアパートやマンションなんかに住んでいるとなると、駐車場に充電設備を設置するのは、なかなか難しいだろう。
自動車ディーラーだとか、ショッピングモールだとか、公共施設だとか、充電設備が設置されている場所も増えてきた。外出時には、そういった充電設備を利用すればいいだろう。でも、毎日乗るのなら、自宅に充電設備があった方がやっぱり便利だ。ネットを見てみると、自宅の充電設備なしで電気自動車を所有している人もいるようだけど、毎日使うのなら、自宅に充電器があったほうが楽だ。少なくとも、急速充電である程度充電するだけでも30分掛かる、なんてうちは、毎日充電しに行くのは、僕は面倒に感じる。
それに、賃貸住宅だろうとコインパーキングだろうと、駐車場には電気自動車の充電設備が設置されているのが当たり前、なんて風になればいいんだけど、すぐにはならないだろう。
賃貸住宅なんかの借りている駐車場に充電設備を置くとして、どこからか電気を引っ張ってくるとなると、ケーブルなんかの工事が大変だ。お金もかかる。仮に大家さんが許可してくれて、設置工事ができたとしても、今度は解約時にはどうすればいいんだろう。そのまま残していくのでは、引越し先でまた機材の購入と設置工事が必要になってしまう。だからと言って、元に戻すのにも工事が必要だ。
それなら、充電用の大きなバッテリーをポンと置いておく、というのはどうだろう。スマートフォンのモバイルバッテリーを大きくしたような感じだ。自宅に戻ったら、その大きなバッテリーから車に充電をする。大きいとはいえ、バッテリーを置くだけなら、なんとかなりそうだ。
それじゃ、その大きなバッテリーへの充電はどうしよう。外でスマートフォンを充電するのに便利なモバイルバッテリーだけど、そのモバイルバッテリー自体への充電も必要だ。同じように、車を充電するためには、このバッテリー自体への充電も、当然必要になる。
ここは、もちろん、太陽光発電がいいだろう。配線工事をしてどこかから電気を持ってくる代わりに、バッテリーのすぐ近くで電気を作るわけだ。ただ、太陽光発電にはソーラーパネルが必要だ。そのソーラーパネルは、どこに置く?
ソーラーパネルの置き場所については一旦忘れて、その前に、大きなバッテリーの置き方について考えてみる。置き方は、大きくは2つ考えられる。縦置き型と横置き型だ。
周囲にある程度のスペースがあれば、縦置き型が考えられる。見た目としては、ショッピングモールとか自動車ディーラーなんかでよく見かけるタイプの充電スタンドと、同じような感じになる。白いラインで囲まれた駐車枠の内側には、車以外の物を置くスペースはないだろうから、枠の外に置くことになる。だから、駐車枠の外に、ある程度のスペースが必要になる。縦置きのボックスの中には、蓄電用のバッテリーやパワーコンディショナ等の装置類が入る。車に充電する時には、そこから充電ケーブルを伸ばして車と接続する。使い勝手も、従来型の充電スタンドと同じような感じだ。
さて、さっき一旦忘れた、太陽光発電用のソーラーパネルはどこに置こうか。カーポート付きの駐車場であれば、屋根の上に設置すればいい。でも、賃貸の駐車場では、平面に駐車枠が引かれているだけで、屋根なんて付いていないことも多い。
それなら、ソーラーパネルは折り畳み式にすればいい。車が置かれている時には、ソーラーパネルは折り畳んで、立て置きボックスの中にしまっておく。出かける時に車を駐車枠から出したら、一旦車から降りて、ボックスからソーラーパネルを取り出し、パタパタと駐車枠の中に広げる。そうしておけば、出かけている間にバッテリーが充電できる。ひと手間かかってはしまうけど、これだけのことで、自分の駐車場で充電できるようになるのなら、許容範囲じゃないかなあ。
ただ、これだと駐車中はバッテリー自体への充電、つまり蓄電ができないことになってしまう。でも、駐車中というのは、バッテリーから車に充電する時間になる事が多いだろう。
それでも、駐車中にも太陽光発電が利用できた方が便利な場合もあるかも知れない。ソーラーパネルがうまいこと、車の屋根の上にポンと置く事ができれば、駐車中でも発電ができそうだ。それなら、設置したバッテリーが空でも、場合によっては車に充電することができるかもしれない。
駐車枠の周りにスペースがなくて、充電用の装置一式の入ったボックスを設置できない場合もあるだろう。そんな時は、駐車枠と同じフットプリントのボックス内にバッテリーや他の装置類を入れて、駐車枠の中に横置きすることはできるだろうか。さっきの縦置き型のボックスを横に倒したようなイメージだ。見た目だけでいうと、駐車枠内が嵩上げされたようになる。車はその横置きボックスの上に駐車する。もしくは、横置きボックスの幅が、駐車枠の幅よりも小さくなるのであれば、ボックスを跨ぐように駐車する。
これなら、横置きボックスの上面を太陽光パネルにしておけば、さっきの縦置き型と違って、車をどかしたあとにソーラーパネルをパタパタと広げる手間が省ける。それに、スマートフォンの無線充電みたいに、車を上に置いておくだけで充電できるなんて事も、将来的にはできるかもしれない。もちろん、車が乗っても大丈夫なくらいに丈夫なボックスにする必要はある。
でも、この大きなモバイルバッテリー方式にも問題がある。そう、天気のいい日ばっかりじゃないってこと。例えば、仕事に出て帰宅するまでの間に、車を2、3回充電できるくらいに蓄電できるのならいい。だけど、出掛けてから帰ってくるまでの間に、1回分の蓄電が精々だなんてことでは、雨が降ると次の日には出かけられない、なんてことになる。それでは困る。太陽が出ている間にどのくらい蓄電できるのか。設置に無理がない大きさのバッテリーにどれくらい蓄電できるのか。そこはもっとよく考える必要がある。
とはいえ、とりあえずの解決策はある。単純に、天気が悪くて充電ができなかった日には、どこかの充電設備に行って充電すればいい。僕は、雨の日に車の中で読書をするのが好きだ。車の屋根にあたる雨音を聞きながら本を読んでいると、いつも以上に物語の世界に浸ることができる。まあ、これは僕の場合だけど。でも、毎日は面倒でも、たまの雨の日くらいになら、30分程車の中で読書をしたり、音楽を聴いたり、趣味の世界に浸るのもいいんじゃないかなあ。ショッピングモールなんかで買い物をしててもいいし。
それから、設置に大掛かりな工事がいらないのであれば、引越すときも安心だ。大掛かりな工事なしで簡単に据え付けてあるだけなら、引越し先の新しい駐車場に持っていくこともできる。ポケットには入らないけど、これならモバイルなバッテリーだ。
そんなに設置が簡単なのであれば、いっそ大家さんが設置して、その賃貸物件の売りにするというのもありか。むしろ、そうなると嬉しい。
この案については、技術的な裏付けは取っていないんだけど、検討してみるのはおもしろいと思う。
借りている駐車場でも充電用の設備が簡単に設置できるのなら、自動車に限らず、電動スクーターなんかも含めて、他のEVももっと所有しやすくなるかもしれない。