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尿細管障害のバイオマーカー

さまざまな尿細管障害のバイオマーカーが指摘されています。α1ミクログロブリン、β2ミクログロブリン、IL-18、KIM-1、NGAL、YKL-40、MCP-1、UMOD、FGF23、PTHなどが挙げられています。この中でどれが一番いい指標なのかはよく分かっていないようです。NGALとかは保険でも測定できるようになっているようです。以下のpaperはこれらのバイオマーカーに注目した解析です。

参考文献
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8384678/

これらのマーカーの中で、baseline eGFR, urinary Albで補正したモデルでは、尿中UMOD, serum iPTH, FGF23の分画が有意にGFR低下率と関係しているようです。

一方で尿中NGALなどはAKIのリスクやAKI後のrapid eGFR declineと関連しているようです。

EFA methodで 10 の因子を 4つのカテゴリーに分けているところが面白い解析手法ですね。分画ごとで解析すると1つ1つで解析するよりも関係性が明らかになるようです。UMODがなぜPTHやFGF23と同じ分画に入るのかは謎ですね。より低いレベルのUMODはCKD riskになるようで、この分画ではnegative wightになっています。UMODは結石の予防に重要で、こちらが骨・ミネラルと通ずるものがあって、FGF23と同分画に入ったのでは、と考察されています。

尿中UMODや血清FGF23などはまだまだ未知のところが多く、eGFRの低下とに独立して有意に関連しているのは興味深いですね。baseline eGFR, urinary Albで表現できない何かしらの異なる機序が腎疾患の進行に関与しているということですね。今後実用化されるかは不明ですが、これらのマーカーが低下するような治療をすすめるといいということにはなるでしょうか。

Factor analysisを推奨していますが、臨床にどのように応用するのでしょうか。。。

新しい病院(江南厚生)での仕事も始まったので気合いをいれて頑張りたいと思っています。

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