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めざせ余暇人!/足るを知る

60歳を前にして余暇人を目指すことにしました。今週は自分が目指す「余暇人」とはどんな人なのか考えます。今日のテーマは「足るを知る」です。

知人者智、自知者明。勝人者有力、自勝者強。知足者富、強行者有志。不失其所者久。死而不亡者壽

人を知る者は智、自ら知る者は明(めい)なり。人に勝つ者は力有り、自ら勝つ者は強し。足るを知る者は富み、強(つと)めて行なう者は志有り。その所を失わざる者は久し。死して而(しか)も亡びざる者は寿(いのちなが)し。

~老子 第33章~

他人を知る者は知恵があると言えるが、自分自身を知る者はより深く明晰な智慧を持つ。他人に勝つ者は力があると言えるが、自分自身に打ち勝つ者は真に強いと言える。満足することを知る者は精神的に豊かであり、努力を続ける者は真の志を持っている。自分の立場や本分を見失わない者は、長くその状態を保つことができる。肉体は滅びても、その精神や行いが後世に残り続ける者は、真に長生きしたと言える。

田舎の生活に生きる「足るを知る」

私は島根県の山の中で生まれ育ちました。私が小さなころ、裏山の柿の木の柿の実をとっていると、母から柿の木の上の方を実を指して「あの柿は木守りだから残しなさい」と言われたことを今も覚えています。木守りとは、自然の恵みへの感謝やこれから冬を迎える小鳥たちと自然の恵みを分かち合う素敵な習慣です。
このように私の子どもの頃の田舎の暮らしでは、特に自然の恵みを頂く場合、全てを取り尽くさない習慣がありました。決して裕福ではなかったですが、自然や周りへの配慮がありました。

自然の恵みを分かち合う木守り

足るを知ると余暇人

現代社会は、物質的な豊かさや成功を追い求めるあまり、「もっともっと」という欲望に駆られがちです。しかし、真の余暇を楽しむためには、この欲望の連鎖から抜け出し、「足るを知る」ことが大切です。

「足るを知る」とは、今あるものに満足し、感謝する心を持つことです。
欲望に振り回されていると、心は常に満たされず、真の休息を得ることはできません。また、多くの時間と労力を費やすことになり、時間的にも精神的にも余裕がなくなります。
「足るを知る」ことで、これらの束縛から解放され、心の平安と時間的な余裕を得ることができます。そして、家族との時間、友人との交流、趣味への没頭など、本当に大切なものに目を向けることができるようになります。

「足るを知る」ことは、物質的な豊かさよりも、精神的な豊かさ、心の豊かさを大切にする生き方です。現代社会の喧騒から離れ、自分にとって本当に大切なものは何かを見つめ直し、「足るを知る」ことが余暇人へつながっているのではないでしょうか。