性転換手術への第一歩

初めてのGID外来

9月1日、早いものでもう9月。

トランスジェンダーFtMの次男を連れてGID(Gender Identity Disorder)外来に行ってきた。

思えばここまでの道のりは長かった。
色々探したが、見つからなかったのだ。

関西の病院でさがしたが、インターネットで検索すると性同一性障害の診察について書いているものの、行ったり電話したりすると、対象は基本成人という事で断られた。

多くの病院は未成年、対象外なのだ。
未成年も見てもらえるとなると関西から一番近いところは岡山になる。

毎回行くには遠すぎる。

そんな中友人から紹介してもらったのが、今日きた大阪にある某病院だ。
友人の紹介がなかったら出会いもしなかったと思う。

この病院では、院長がGIDの協会理事であることもあり、GID診察に必要な医療が一通り行える。

精神科から、泌尿器科、婦人科、形成外科、はたまた弁護士まで連携し提携しており、解釈が間違っていなければ最終的には戸籍変更までの手続きまで進む事ができるようだ。

病院にいくと次男と同じように見える方々が何人かいらっしゃった。

今日はずっと次男を追っかけているTV取材も入り、撮影しながらの診察だった。

ホルモン治療について

ここにくるまで色々調べていた次男。
時折先生に質問しながらカウンセリングが進んでいく。

ホルモン医療を始めると背が伸びないと聞いたらしい次男。
先生曰く、MtFとFtMでは違いがあるらしく、FtMではMtFほど成長には影響がないとか。

またホルモン剤のメリットデメリットについてや、ホルモン剤がFtMとMtFで種類や効きが違うこともわかった。

女性ホルモンには注射の他、塗薬、貼り薬があるらしいが、男性ホルモンは注射のみらしい。

驚いた事があった。
男性ホルモンは打つとペニスが小さいが出来るらしい！

女性ホルモンを打つと胸が膨らむ話は聞いたがペニスができる事には驚いた。
極小のものらしいが1センチくらいのペニスができるとか。(きっとサイズは人によると思う)

LGBTの定義

またLGBT の定義も今日説明してもらい改めて理解した。

両性具有や生殖器がない人たちはこの定義には入らないらしい。
また服装だけ、生まれた性とは違う服装をしたい人たちもLGBT の定義には入らないらしい。

私の認識が間違ってなければ性自認が生まれ持った性とは違う事と、性的嗜好がヘテロ(男→女、女→男)ではない人(男→男、男→男女、女→女、女→男女)がLGBTになるようだ。

世の中知らない事がいっぱいだ。

診察について

最初の一年は二人の精神科医から診察を受ける。
そのあとから必要な検査が始まり、ホルモン治療がはじまる。

初回カウンセリング料金は約3000円。
後の精神科の診察は保険が効き、安くなるとのこと。
精神科の診察は2日後からはじまることになった。

そこから進んでいくと途中で遺伝子検査をしたり、婦人科の検査をしたりしながら18歳になれば性別の工事ができるようだ。

でもただそのまま進んでいくつもりは本人にはないようである。

「ただベルトコンベアーにのるように進んでいくのではなく、その時、その時で考えながら進んでいきたい。
手術についてもどうするか、戸籍についてもどうするか、その時その時に立ち止まり考えながら進んでいきたい。」

そんなことをTVの取材で答えていた。

トランスジェンダーの親として

トランスジェンダーについては色んな考えがあると思う。

気持ち悪いと思う人もいれば、本人の勘違いだと言う人もいた。

言えることは

"私は本人でないからわからないが、寄り添っていきたい"

ということだ。

きっと周りには色々思われ、色々言われる事もあるだろうし、今現在も色々いう人はいるだろう。
だけど、彼らに私たちに共感してくれとは思わない。
同じ意見を求めるつもりはない。

「気持ち悪いと思う人にそんな事思うな！というのは無理だと思う。だってそう思うんだから」

と次男も言っていた。
思うことは止められない。

その人にはその人の感じ方があり、考え方がある。
そして私たちも同様。
私たちはこれが幸せの形なのだ。

部外者は黙って見ていて欲しい。
所詮他人のこと。
だからそっとしておいて欲しい。

本人が望み、納得し、楽しい人生を送れれば私たち家族はそれでいい。
周りの意見ばどうでもいいし、他人家族についてよくわかりもしないのにとやかく言う人たちはお暇な人だと私は思う。

人の家族の事を気にしてとやかく言う前に自分のことを考えろと言いたい。

そして次男には人生たのしく生きて欲しい。
性的不一致くらいで悩むなら、本来やるべき事に集中できる環境にしてやりたい。

彼には大きな才能があると私は確信している。
その才能を世の中で世界で生かし、大いに楽しんで欲しい。
彼が楽しむ事が、新しい世界を作っていくことにつながると思う。

さぁ！楽しい世界がまってる。
そう信じて進もう。