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めんどくさい私

次男のための保険に入った。一つは生命保険、もう一つは病気や怪我の保険。
理由は病院の先生に勧められたこと。次男はFtMのためホルモン注射が始まると治療中ということになり、保険には入れないらしい。

本人に保険が必要かどうかわかんないけど、将来入れないんなら選択肢を広げておく為に準備しておいて、本人が大きくなったら保険を本人に渡そうと思った。
保険の申し込みについてはもちろん本人にも同席してもらい、一緒に説明を受けてもらった。

トランスジェンダーが戸籍の変更をしても何かあった時に保険金は下りるのかについても確認した。

次男にはこの金額入るからね、こんな内容だよ。大きくなったら渡すからその時に続けるかやめるか決めればいいよ。そんな話を聞きながら、本人も保険屋さんに質問をして理解しようとしているのがわかった。

保険と言えば思い出した事があった。私は幼少期から病気がちだった為、よく入院した。自分のことを入院のプロと呼んでいるくらいたくさん入院した。
親は私に保険をかけている。私が保険に入ってて良かったとよく言っていた。理由は私がよく病気するし病気するたびに保険金が入るからだ。

一緒に住んでいる時は何とも思わなかった。でも結婚してからも入院した時に保険金の請求用紙をもらってこいと言われる事は違和感があった。もちろん保険金を私がもらう事はない。

入院すると大丈夫?とか心配するわけではない、アホや!とか何してんねん!またか!と言われる。そして保険金の請求用紙を渡される。

さらにお前には渡さんからな、ワシが掛けてきたお金やからワシのもんやとわざわざ伝える。
大した金額でもないお金。。。私は別にもらわなくてもいい。

私はただ大変だったね、調子はどう?と聞いて欲しかったんだと思う。だれしも好きで病気になるわけではない。

ただでさえしんどいところに病気になるやつは弱いやつだ、行いが悪いからバチが当たる、仕事ばっかりしてるから病気になる、つまりお前の自己責任だと言われ、挙げ句の果てには自分は病院代を払うわけでもないのに保険金の請求だけして言わなくていい言葉をかけて帰って行く。

関西人なので優しい言葉をかけるのは恥ずかしいのかもしれない、もしかしたらその言葉もウケ狙いとか思ってるのかもしれない。でも私は傷ついた、

私はそんな親にはなりたくない。だから次男にはどんな保険に入っているかということ、家を出たらあなたに渡すからあとは自分で管理してすきなようにすればいい事を伝えた。

そう言えばあの保険、まだ親元にあるだろう。もし私が死んだらきっとうちに保険金の請求にくるだろう。その保険金は親の元に渡って欲しくない。

そして私は子供の邪魔にならない親でありたい。しんどい時には寄り添える人になりたい。でも確実に両親の血は入っている。そう思うといつ人を傷つけてしまうのか怖い気がする。無意識で人を傷つけるようなセリフや行動を言ったり、したりしてしまうかもしれない。そう思うと怖くて仕方ない。

昨日誰かのnoteを見ると

自殺が親への一番の復讐だ

と書いている人がいた。いやいや、復讐にはならないよ。うちは多分保険金入ってラッキーと思うと思った。

親は子供を大切にすると思っている幻想が世の中にあるのではなかろうか。世の中にはこんなに子殺しの虐待の事件がニュースに溢れているのにも関わらず、子供は大切な存在だという人たちが多い。

理想はそうかもしれない。そしてその理想を一番持っているのは私であるとも思う。

親子のつながりだけが大切なつながりではない。例え他人でも血のつながり以上に大切に思ってくれる人もいるはずだ。
そして子を大切にする親ばかりではないことを改めて思うし、子供が死んだからと言って悲しむ親ばかりではない。

私は子供たちに言っている。いつでも私を捨ててくれていいからね、ボケたら無視してね、放って置いていいよ。

私は人の足手まといにだけはなりたくない、私の親のような親にはなりたくない。改めてそう思う。でも同時に誰かの足かせになってしまっていないか誰かに面倒をかけていないか、いや今現在、面倒掛けているよなと思うといたたまれない。

あらためてめんどくさい私だなと思った。


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