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シフトレンズって一体なに?【作例と使い方あり!】
こんにちは!東京カメラ機材レンタルです!
Netflixで配信されたストレンジャーシングス シーズン4を見て、スティーヴン・キング感マシマシになってるなとか、大友克洋さんの童夢を読み返したいなと思いながら見ていました。
後半の配信までに、もう一度シーズン1から見直そうと思っています。
スティーブン・キングとストレンジャーシングスのスタッフのやりとりをみてほっこりしました。
言われてみたら、確かにあのシーンはキャリーのオマージュだ。
The new season of STRANGER THINGS is really cool--as good or better than the previous three. There's even a CARRIE riff.
— Stephen King (@StephenKing) June 1, 2022
Is it the whole season or is it another one of those that's broken into 2 parts? IMHO that's kind of lame.
Sorry Uncle Stevie, 8+9 aren’t done yet, but we’re working as fast as we can! Glad you’re enjoying and that you picked up on our super subtle Carrie riff 😜
— stranger writers (@strangerwriters) June 1, 2022
今回は「シフトレンズ」について作例と使い方をご紹介します。
名前は聞いたことがあるけど、実際に使ったことがある方は多く無いかと思います。
建築写真を撮る方なら必ず持っているこちらのレンズですが、そのほかにも商品や料理の撮影でも使用されます。
過去に木村伊兵衛写真賞を受賞した写真家の本城直季さんやオリボ・バルビエリさんのミニチュア風の風景写真が話題になったことがありましたが、その時にシフトレンズの存在を知った方もいらっしゃるのではないでしょうか?
最近ではカメラの機能だったり、スマホアプリで写真をミニチュア風に加工できるものもありますね。
シフトレンズを使うとどんなことができるの?
大判カメラにピントの位置やかかり方の調整や、被写体を正しい形で写す調整機能があり、それを1本のレンズだけでできる様にしたのがシフトレンズ。
と一言で言ってしまうとなんのこっちゃとなるので、まずは大判カメラについて。
昔の映画とかで出てくる蛇腹がついた大きいカメラのアレです。
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このカメラは蛇腹の端に付いている板を動かすことで、ピントや被写体の形を調整ができることで、被写体を大きく見せたり、正しい形で写すことができます。
ピントの調整を「ティルト機能」、被写体の形の調整を「シフト機能」と呼び、この2つをまとめて「アオリ撮影」と呼んでいます。
さらにこの2つの機能の内容も見ていきましょう。
ティルト機能
ティルトを訳すと「傾ける」という意味があり、この機能でピント(被写界深度)のコントロールができます。
斜めから被写体を撮るとピントが合った前後がボケてくれるのは、普通のレンズで撮っても同じですが、このティルト機能を使うことでレンズ自体を斜めに傾けることができます。
傾ける度合いでF値を変えずにピントが合う範囲を大きしたり小さくするこができ、全体をシャープに写すことができます。
ホテルや旅館のコース料理の写真は、手前から奥までボケずにハッキリと写っているものが多いかと思います。
あの写真はこの機能を使うことで撮影できます。
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他にも逆ティルトと呼ばれる、ピントの合う位置を1箇所だけにすると、ミニチュア風の風景写真を撮ることができます。
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ティルト機能に関して、あれ?それならF値を思い切り上げてピントの調整をすればよくない?と思う方もいらっしゃるかと。
確かにそれでも撮ることはできるのですが、F値を上げすぎてしまうと回折現象の「小絞りぼけ」が発生してしまうため、被写体のシャープさが失われることがあります。
因みに手前から奥までボケずにはっきりとした写真も、普通のレンズでも撮ることは可能です。
奥と真ん中、手前にピントが合っている写真を用意して編集時に組み合わせることで同じ様なことができますが、撮影後の作業がどうしても多くなってしまいます。
シフト機能
シフトは「位置を動かす」という意味があり、被写体の平行垂直に保った状態で、レンズの鏡銅をずらすことで撮影する範囲を変えることができます。
例えば縦に長い大きな建物をてっぺんまで写真内に収める様に撮ろうとします。
カメラを低めに構えて、少し角度をつけて撮影するという感じになるかと思います。
それで建物は収まりますが、てっぺんに向かうにつれて建物が先細ってしまい正しい形で写らないということが起きます。
このシフト機能を使うことで建物を元々の形で撮影ができるため、建築写真を撮られる方は必ずと言っていいほどこのレンズを持っています。
シフトレンズの特徴
シフトレンズはアオリ撮影ができる特殊なレンズというのはなんとなく理解できるかなと思います。
外観の特徴として、ティルトとシフトの調整ができるつまみがついています。
このつまみを回すことでレンズの角度や位置の調整ができます。
単焦点レンズとしても優秀!
アオリ撮影をせずに撮影することも勿論できます!
ただ、用途が用途のためそのまま使うことは正直あまりないかもしれません。
最小F45まで思い切り絞ることができる!
Canon TS-E90mm F2.8L マクロならF45まで絞ることもできちゃいます。
他にもF32まで絞り込むレンズがあったりもします。
ただ絞りすぎてしまうと、「小絞りぼけ」が発生して写真のシャープさが失われてしまうこともあります。
Canon「TS-E」やNikon「PC」シリーズがシフトレンズだと有名
CanonのTSは「Tilt Shift」、NikonのPCは「Perspective Control」の略で、どちらも同じ機能を持ったシフトレンズです。
Canonの方がシフトレンズのラインナップが多いため、シフトレンズ=Canonぐらいなシェアを誇っています。
ちなみに弊社でお取り扱いのあるシフトレンズはCanon「TS-E」シリーズのみになります。
シフトレンズのマウントがCanon EFかNikon Fマウントばかり
Canon「TS-E」はCanon EFマウント、Nikon「PC」はNikon Fマウントです。
このためCanonのミラーレス機(RFマウント)やSONY、LUMIXのカメラで使いたい場合は、マウントアダプターを使う必要があります。
弊社でもマウントアダプターを各種ご用意しておりますので、レンタルの際は合わせてご検討いただければと。
ピント合わせはマニュアルのみ!
特殊な機能を備えているため、オートフォーカスはついていません。
ピント合わせはレンズ側で調整が必要になるので、ライブビュー機能がついたカメラで被写体を拡大しながらピントを合わせをすると、さらに追い込みができるかと思います。
可動部が多いためゴミやホコリが入りやすい
これはシフトレンズの構造上でどうしようもない問題ですが、普通のレンズと比べてゴミやホコリが入りやすくため、丁寧に扱いましょう。
実際にシフトレンズを使って撮影してみました!
作例と使い方を合わせてご紹介していきます!
今回はこちらの機材を使っています。
・Canon 5D Mark IV
・Canon TS-E24mm F3.5L II
・Canon TS-E45mm F2.8
・Manfrotto befree GT XPRO アルミニウムT三脚キット
シフトレンズの使い方
レンズ側面についているティルトとシフトつまみを回すことで、レンズの傾きや位置の調整を行なっていきます。
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つまみのがついた反対側の側面にはティルトとシフトのロック機能と軸の回転ができる出っ張りがあります。
つまみの操作が変に固いとか変に軽い場合はこのロックのかかりを確認しましょう。
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出っ張りを押すことでティルトとシフト軸を15°ずつ回転ができます。
構図が縦になる場合はここの操作も必要になります。
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撮影する際はまず構図を決めて、ISO、シャッタースピード、絞りを設定してピントを合わせるまでは一緒です。
カメラ側の設定ができたら、ティルトとシフトつまみを操作していくという流れになります。
①建物編
三脚にカメラを乗せた状態で建物のてっぺんまで入る様に撮影してみます。
どうしてもカメラを斜めにして撮影する様になってしまうため、建物のてっぺんまで写すとすぼまってしまいます。
いわゆるパースがかかるとか遠近感が出てしまっている状態です。
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カメラを斜めにしているため、まずカメラを水平垂直にします。
このままだと建物のてっぺんが切れてしまうので、シフトつまみを回してレンズの高さの調整をすることで
なるべくレンズと建物が水平垂直になる様にすると歪みの少ない写真が撮れます。
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ガラス越しからの撮影のため、写り込みがあるのと水平垂直の追い込みができていないのは目を瞑ってください…!
因みに建物の場合は自由雲台の三脚よりも3WAY雲台の方が水平垂直の調整がしやすいです。
②商品編
普通に撮るとこうなります。
真ん中の小説のタイトルにピントが合う様にしていますが、奥と手前がどうしてもボケてしまいます。
動物農場、改めて今読み直すとぞっとしますね。
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今回は奥から手前までハッキリと見える様に撮影してみます。
ティルトつまみを操作し、レンズを下方向に傾けていきます。
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因みにティルトなしでF22まで絞って撮影するとこんな感じです。
ここまで絞ると暗くなってしまうため、ISOの数値なども変更しています。
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比較で並べてみました。
同じF値でもピントの合う位置が大きくなっているかと思います。
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③ミニチュア風撮影
普通に撮ると、ただの風景写真になっちゃいます。
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今回は逆ティルトを使って撮影します。
レンズを上方向に傾ける様にティルトつまみを操作していくことで、写真上下にボケが強く出ているかと。
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建物や商品撮影は中々行う機会はないかもしれないですが、ミニチュア風の撮影は試しにやってみると面白いと思います!
弊社で取扱のあるシフトレンズはこちら!
広角から中望遠までお取り扱いがございますので、建築や料理、商品などの様々な撮影にも対応できます!
マクロ撮影にも対応したレンズもありますので、時計やアクセサリーなどの小物撮影にもおすすめです!
Canon TS-E17mm F4L
Canon TS-E24mm F3.5L II
Canon TS-E45mm F2.8
Canon TS-E50mm F2.8L マクロ
Canon TS-E90mm F2.8L マクロ
Canon TS-E90mm F2.8
使ってみるならまずレンタルがおすすめ!
長々と作例も含めて、シフトレンズのご紹介をしましたが、ちょっと試してみようと思ったらレンタルがおすすめです!
というのも中々高価なレンズのため、仕事で使っている方以外だとあまり手が出せないかなと思います。
建築写真や料理写真をお仕事で撮らないといけない!ミニチュア風の撮影に挑戦してみたいと思ったら、ぜひご利用ください!
シフトレンズをCanon RFマウント、SONY Eマウント、マイクロフォーサーズマウントに変換するマウントアダプターもございますので、そちらも合わせてご利用いただければ幸いです!
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東京カメラ機材レンタルでは法人はもちろん、個人の方向けのカメラレンタルも行っております。こういったものを撮りたいなどのご相談もスタッフが親身になってご対応いたします。
カメラの予約方法は2つ。
①お電話03-6380-6817で9:00〜深夜3:00まで受付しています。
②Webからは24時間受付けております。
今日カメラが必要になった!際の当日レンタルにも対応しております。
1日からのレンタルはもちろん、長期間のレンタルも可能です。
5日以上のレンタルで割引も適用されます。詳しくは弊社料金プランをご覧ください。
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