他SNSとLINE公式アカウントの違いとは!?特性に合った使い方で成果を上げる
LINE公式アカウントの数は年々増加していますが、効果的に活用できているケースはそう多くありません。他のSNSアカウントと同じようにLINE公式アカウントを運用していたり、他のメディアとの使い分けが上手くできていないケースも少なくありません。本コラムでは、LINE公式アカウントの特性を深く理解し、効果的に活用するための戦略構築について解説します。
LINE公式アカウントの特性
まずはLINE公式アカウントと他SNSとの違いを見てみます。
XやInstagramの特徴を見てみると、認知や理解フェーズで効果的なのがわかります。
これは拡散力がある特性によるものです。
投稿が自然とユーザー間に伝播していくため、魅力的なコンテンツを発信していくと新規のユーザー獲得が見込めます。
一方で、伝えるメッセージはフォロワー全体に同じメッセージを送る事が基本です。
そのため、商品を知った後で、実際に購入や利用といったフェーズを検討するための個別最適化されたアクションを企業は取りづらい傾向にあります。
反対に、LINE公式アカウントは検討や購買、リピートフェーズに効果的なのがわかります。
これは、PUSH通知などの機能を基に企業側が見られるタイミングをある程度コントロールできる状態にあり、データを用いる事で商品やサービスをオススメする力が強いためです。
一方で、LINE公式アカウントは拡散される力が弱いため、自然とユーザーが集まる事は期待できません。
これらの違いを理解して、LINE公式アカウントを使っていく事が大切です。
LINE公式アカウント活用方法
では、これらの特性を踏まえて、どのようにXやInstagramと使い分けを行うべきか?
まずは以下図をご覧ください。
この図で表しているのは、ユーザーが商品/サービスについて認知をしてから、どのように購買/利用まで到達するのかまとめた図です。
まずはわかりやすくSNSとWebサイト/店舗というチャネルでまとめています。
前述したようにXやInstagramは拡散力があるため、新規のユーザーに向けて情報配信していく事が期待できます。
XやInstagramで気になったユーザーは、一度サイトに訪れ、商品/サービスについて理解を深めていくでしょう。
その際に、商品/サービスに惹かれ「買いたい!」と思ったユーザーは店舗に行くかWebサイトで購入という導線が考えられます。
一方で、多くのユーザーはその時点では購入までは結び付かず、そのままサイトから離れてしまいます。通常はこのようなユーザーは改めてXやInstagramなどで興味を持つか、自分の任意のタイミングでサイトに訪れるかしないと、企業としては接点を持つことができません。
しかし、LINEはそのような問題を解決する一つの手段です。
サイトに訪れたユーザーにLINEを案内し、フォローしてもらう事で、継続的な接点を持つことが出来ます。
一度自社サービスに興味を持ってくれたユーザーですので、親和性は高く、1から新規ユーザーを獲得してアプローチするより、簡単に購入まで近づいてもらう事が出来ます。
特にLINEは企業側からアプローチできる特性があるため、そのコントロールもしやすい傾向にあります。
別の特性として、LINEではユーザーのデータを収集・活用する事ができるため、なるべくユーザーの状況に合わせた配信を行う事で、より購入に繋げる事ができるでしょう。
サイトには日々多くのユーザーが訪れているため、その数%でも獲得できればフォロワーの数も十分なものになるはずです。
このように考えると、XやInstagramとの特性の違いが、効果にも違いをもたらす事が理解できるのではないでしょうか。
デジタルマーケティングにおけるLINE公式アカウントの立ち位置
ここまでは、SNSアカウントとの特徴の違いを見てきました。
しかし、実際にマーケティングを行う際は、他のチャネルとの役割整理の中でLINEの活用目的を考えていく必要があります。
そこで次は、他のチャネルも含めて違いをみていきます。
まずは以下図をご覧ください。
もちろんLINEも含め、他チャネルも使い方によって当てはまるファネルは異なりますが、今回は一般的な考えを基にプロットしています。
このように整理した場合、SNSアカウントよりも、リタゲ広告/リスティング広告やメルマガが役割的には近しいチャネルに当たると考えられます。
同じ役割にあたっては、特徴や機能の差について理解し、それぞれを補う必要があります。以下にて違いについてはまとめようと思います。
リタゲ広告/リスティング広告との違い
閲覧される状況のコントロール
ユーザーの状況を理解した配信
配信ボリューム
閲覧される状況のコントロール
LINEはフォロワーを囲った後は、閲覧されるタイミングはある程度コントロールする事が出来ます。PUSH通知の効果などもあり、配信タイミングが閲覧するユーザーが最も多いためです。
一方でリタゲ広告やリスティング広告は、ユーザーのサイト回遊タイミングに依存します。
また、前提として競合の入札に勝つ必要があり、母数を他社と奪い合っている状況にあります。
ユーザーの状況を理解した配信
LINEでは、ユーザーのステータスを把握する事ができるため、その人に合った配信を行う事が出来ます。
例えば、商品の購入サイクルを把握している場合、「そろそろ買い時ではありませんか?」のようなメッセージを配信する事が出来ます。
リスティング広告では、
「その時点のユーザーの状況に合わせた配信」
は行えますが、
「その時点以前の状況を把握して今行うべき配信」
をすることは難しいと考えます。
配信ボリューム
一方で、配信ボリュームという点では、LINEには限界があります。
基本的には自社で囲っているフォロワーが母数になりますが、リタゲ広告やリスティング広告はWebに存在するユーザー全体が母数になるため、広くアプローチする事が可能です。
メルマガとの違い
配信のハードル
費用
配信ハードル
メルマガでは、まずメールアドレスの取得が必要になってきます。
メールアドレスは個人情報の類にも入ってきますので、ユーザーから見た時に入力する手間と心理的ハードルは高くなります。
一方、LINEに関してはアカウントに登録するだけですので、そこのハードルの違いはありそうです。
費用
LINEは配信に費用がかかります。一方、メルマガは管理ツールに費用が掛かるケースが多く、配信自体には費用がかかりません。
体験の違い
そして、リタゲ広告/リスティング広告とメルマガとのLINEの大きな違いは、体験を作れるかどうかは大きな違いです。
LINEはメッセージ配信だけではありません。
Chatbotを使った自動応答による問い合わせ対応や、リッチメニュー上で日々使える機能の案内(例えばソフトバンクでは使用データ量をすぐに確認できる機能を実装)、その他ミニアプリ実装によるEC機能の構築や、モバイルオーダー、イベント予約などサイトやアプリで実装する機能の代替も出来ます。
こういった多面的なブランド体験をユーザーに提供できるからこそ、ユーザーの反応を高め、その分データも溜まり、マーケティング効率UPに繋がるという側面があります。
このような機能や特徴が、検討層醸成~購買獲得~リピート醸成と一気通貫でサポートできるユニークさに繋がっています。
LINEを効果的に活用するための戦略フレームワーク
これまでLINEのユニークな特性について解説してきました。
チャネル毎の違いについて理解した後は、LINEの機能を最大限生かすための活用が求められます。
その際に弊社では、考え方のサポートになるフレームワークを用いています。
フレームワークを用いて整理する事で、関係者間での認識が揃いやすくなり、「何故この施策をやるべきか?」や「この施策は不要」などのイメージがしやすくなります。
フレームワークは以下です。
それぞれの項目について解説します。
目的
誰に
何を
どのように
コンセプト
KPI
目的
目的は、LINE公式アカウントを通して何を達成したいのかという事です。
売上拡大やリピートユーザー増加、顧客満足度向上、若年層の獲得などが挙げられます。
誰に
誰には、ターゲットとなるユーザーです。
性別や年代、興味関心といったデモグラフィック情報やサイコグラフィック情報も大切ですが、未利用ユーザー、購入回数を増やせるユーザー、競合からブランドスイッチするユーザーなど購買傾向から考えていく事も大切です。
何を
何をは、どのような価値を届けるかという事です。
これは次に説明する「どのように」の施策とは異なります。
ヤマト運輸では、LINEにて「配送連絡」や「再配達受付」という施策を行っていますが、価値は「ユーザーが欲しい時に商品が手元にある」状態を作っている事だと考えます。
配送連絡が来なければ、家に帰った時に初めて不在通知を見てヤマトが来た事を認識し、そこで改めて再配達依頼をする必要があります。
その場合、最短でも翌日の配送になります。
しかし、配送連絡があれば、配達時間を自分が帰宅する時間に合わせる事ができるため、当日中に受け取る事が出来ます。
このような状態を作っている事が価値であり、ユーザーに提供すべきベネフィットと考えます。
どのように
どのようにで、具体的な施策を考えていきます。
どのようにでは、
集客
機能
訴求
の3つを考えます。
集客や機能に関しては、別コラムにて解説しています。そちらを参考にしてみてください。
集客について
https://t-comoffice.com/method/line-follower
機能について
https://t-comoffice.com/method/seven-function
コンセプト
コンセプトは、ユーザーから見た時にフォローするメリットは何になるのか
価値をユーザーがどう受け取るのかを考えると良いと思います。
KPI
KPIは、どのくらい結果を出せると、目的を達成したといえるかを基準に考えていきます。
KPIはKPIツリーのように細分化して、LINEで注力する箇所を特定する事も考えられます。
参考:KPIツリーとは?【分解の仕方】作り方、KGI・KPIの具体例https://www.kaonavi.jp/dictionary/kpi_tree/
まとめ
いかがでしたでしょうか?
本コラムでは、LINEの他チャネルとの違いと、その特性に合った使い方、戦略フレームワークの紹介をしました。
よく考えると当たり前だけど、実際に使い分けされているケースはそう多くありません。
本コラムを参考に、日々運用改善して頂ければ幸いです。
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