《後編》📢イベントレポート📢アジア圏とのチームでビジネスを加速させるには？

2023年10月9日 19:58

こんにちは☀
TCICコミュニティマネージャーの田中と広報の山本です！

8月24日(木)に開催した「コンテンツ業界でオフショア開発など海外展開を考えている方向け」イベントの後編をお届けします！

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★開催概要
【日時】2023年8月24日（木）18時00分～19時30分
【形式】オンライン
【参加費】無料
【参加対象】
・国内コンテンツ及び周辺ビジネスで海外展開、グローバルチームの組成を考えている方
・海外のクリエイター、コンテンツ制作会社とのコラボレーションを将来的に検討されている方

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グローバルメンバー協業の課題やリスク

ー中国の方と協業する上で、思い浮かぶ課題はなんでしょうか？
古江さん：
中国でビジネスをやる上で、日本人だけで進めることはできません。中国人や中国企業と組む必要があります。大事なことは信頼できる方たちと取り組むこと。その信頼できる人を見つけるのが正直難しいです。しかし、中国では一度信用されると、いいチームになります。そこまでの信頼を勝ち取るためには色々工夫するべきことがありますね。

ーリスクについてはどうでしょうか？
古江さん：
中国ではすべてが契約で物事が進みます。出資率や権利元、利益配分、二次利用などを決める時も契約書を作り、参加する企業のサインを求められます。著作権に関しては、海賊版も申し立てをすれば、すぐ対応するようになりました。中国でビジネスを進める上で、多少のリスクはありますが、以前よりは改善されたと感じています。

ー早川さんはいかがでしょうか。リスクを感じられたことはありますか？
早川さん：
リスクというほどでもないですが、失敗するパターンは決まっています。日本サイドから依頼する際、アジア圏の方を自分たちより下に見ていることがあります。「指導してあげよう、教えてあげよう」という気持ちから、説明やフィードバックが長くなることがあります。説明が長すぎて通訳さんに上手く伝わっていないことはありますね。これは日本側の課題だと思います。
また、彼らの会社の体制を理解することが大事です。日本のサービス残業のような感覚は通用しませんね。

ーチームをつくる際、最初から海外の方を入れる場合と、急遽参画いただく場合があると思いますがいかがでしょうか。
早川さん：
基本は最初からチームに入ってもらいます。途中からヘルプ的に入っていただくのは、翻訳の時間も必要ですし厳しいですね。

ー日本の仕事をやることへの課題やモチベーションはどのようなものが挙げられますか。
早川さん：
まずは「日本のコンテンツが好き」ということですね。
一方、こんな事例もあります。日本について詳しくないデザイナーは日本のチームと仕事をすることを嫌がります。日本では仕様書が必須ですが、読むことを嫌がる中国のデザイナーは多いです。
逆に中国は仕様がないので、発注側の一言でコロコロ変わってしまいます。いつ終わるかわからない……というケースもあります。そういう経験をされた後に日本の案件をやると「日本の方がいいね」と日本の仕事に対してポジティブに変わることもあります。

ー一緒に仕事をする中国の方はチームでやっていると認識を持っているのでしょうか？
早川さん：
チーム感をつくるには、「一緒にやっている感覚」をつくることが大事だと思います。そのためには現地に行き、直接コミュニケーションを取ることが大切です。オンラインでの画面越しだと通訳が入るので、我々と海外の方ではなく、海外の方と通訳とのコミュニケーションになってしまいます。直接会話すると、オンラインの時には出てこなかった質問や意見が出てきて、活発にコミュニケーションができていると感じます。

コンテンツ制作における日本とアジア各国の共通点の違い

ー日本と各国での共通点や違いはありますか？
早川さん：
大きく違うのは文化ですね。「かわいい女の子のキャラクターを作って」という依頼だと、日本と中国の美的感覚は違うので、日本側が想定する「かわいい」とは異なるものができてきます。また背景を制作する時も、ビルの構造や見え方が違います。日本と感覚や構造が違うことを理解した上で依頼できるかが重要だと思います。

ー「映像を作る」において、日本と中国の共通点や違いはありますか？
古江さん：
中国は人が多いです。よって代わりの人―例えばエキストラや助監督ができる人は数多くいます。人件費の感覚が違うな、と強く感じますね。映像の取り方は日本と変わらないと思いますが、予算は日本の倍ありますね。スケールの面は違うのかなと思います。

ークリエイターはクリエイター、音響は音響など同じ業種の方は、国が変わっても本質的なところはそこまで変わらないのかなと思うのですが、その点いかがでしょうか。
早川さん：
そうですね、デザイナーはみんないいものを作りたいと思っています。海外は残業をしないことが多いですが、「いいものをつくりたい」と思うときは残ってやっています。また自分のスキルを上げたいというのはどの国も変わらないかと思います。

グローバルチーム組成による成長性と可能性

ーチームを組むことで企業の成長性や可能性の広がりをどのように考えていらっしゃいますか？
早川さん：
コンテンツ自体を日本国内だけで作っている感覚がなくなっていると思います。コンテンツ業界は人手不足なので、海外と組むことで人材確保ができます。海外の方もスキルが上がっていますので、作品のクオリティも上がっていくのではと思いますね。今後海外と一緒に動くことは増えていくと思います。アジアだと安いから、という理由ではなく、同じ価格でクオリティがより高いものができるから、という理由で動くことが重要だと思いますね。

ー古江さんはいかがでしょうか。中国の可能性はどのように考えていらっしゃいますか？
古江さん：
日本にまだないモノを作ろうとしたとき、海外の方と一緒に活動したり、海外に売ったりした方が新しいことができるんじゃないかと思っています。自由な表現ができる可能性があると思いますね。

ー今面白い中国のコンテンツは何ですか？
古江さん：
ショートドラマですね。収益化する仕組みがあっという間に出来上がるスピード感がすごいなと。スマホのショートドラマは特に制限がないので、自由にクリエイティブを生み出しています。そこに勝機を見出そうとした人が集まり瞬時に仕組みを作り上げた。そのスピード感がすごいなと思います。

早川さん：
現時点で、面白いVRコンテンツをつくれているところはないと思います。中国に限らず「今までにないもの」をどれだけ見せられるか。短命なコンテンツをどれだけ生み出せるかだと思っています。VRも面白いものを作れる人が出てくれば、一気に広がると思います。

ーありがとうございました！

★グローバルチームで協業するときのポイント📝

①仕様書がある場合、翻訳の時間を考慮してプロジェクトを進める！
②出来るだけ直接会話をして、ミスコミュニケーションが起こらないように気を付ける！
③海外のチームメンバーやパートナーと対等に付き合う！「教えてあげよう」といった指導的な要素は望ましくない。
④発注依頼するときは、日本と他国では美意識が違うことを頭に入れる！

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