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君はとても綺麗だよ

『君はとても綺麗だよ』
私はそう言って、海未さんからお借りしたイヤリングを彼女に付けた。

昨年発足したばかりの『TCブルーバード雑貨店』ですが、ネットshop開設にこぎつけるまで意外に時間がかかりました。
もっとも、まだまだ使いこなせてはいないのですが。

ハンドメイド品をご紹介するのに、画像はとても重要です。
そこには作家さんの想いや技術が詰まっているからなのです。
ところが私の拙いカメラ技術では、ハンドメイド作家の海未さんの想いが込められた作品の意図するところまでは、なかなか反映できない。

画像を見てくれた人々に、ありのままでさえも伝えきれない。

また、海未さん自身も昨年は、趣味的な範囲から本格的に創作活動に集中していたので、その成長率が半端なかったです。
当然、そこに私の技術は追い付くのが大変です。

ネットshopには、作品のサイズを記載しています。
なので、イヤリングにしても身につけた際のイメージに繋がってくれると思っています。
でも、お客様がどこまで実際をイメージできるのかな?というのが心配なところ。

そこで!
TCブルーバード初(?!)のモデルさんを起用しての作品撮影!!
身につけたイメージがきっと湧いてくれるでしょう。
モデルさんは華奢で小柄な20代の女性にお願いしました。
商品をパッケージから出して身につけるのはNGなので、海未さん個人用の同じサイズのものをお借りしての撮影になりました。
ところが・・・・

「顔出しNGで」
モデルの彼女がそう言い放ったのです。
「え?顔出しNG?イヤリングを付けたイメージを撮りたいので、顔や耳との対比を分かるようにしたいんだけど・・・」

「私丸顔だし、寝不足で肌も調子悪いし。だいたい私の顔がずっとネット上にいるなんて考えられない」

(おいおい、それじゃあモデルさんの意味ないじゃーん)
と、心の声を押し殺して、何とか説得を始める。
しかし彼女は頑として首を縦に振ってはくれない。

首を傾け、目線をカメラから逸らした彼女に笑顔はない。
目の中はとてもクールだ。
私はレンズ越しに彼女を見た。
透き通るような白い肌。柔らかい茶色の髪の毛。
滑らかで綺麗なカーブの首。切れ長の目。
何より、ちょっと小ぶりでキュートな耳。

『君はとても綺麗だよ』
私はそう言って、海未さんからお借りしたイヤリングを彼女に付けた。

私はカメラを構えてシャッターに指を置き、もう一度言った。
『君はとても綺麗だ』

モデルの彼女は、フッと口元を緩ませて目線をカメラに少しだけ向けた。
私は彼女の意向をくんで、その瞬間耳とイヤリングのみに焦点を合わせた。

カシャッ

海未さんご自身のイヤリングには、お好きなクラゲがあしらわれている。
そのイヤリングを付けたモデルの彼女の、綺麗な顎の輪郭と、柔らかな茶色の毛髪。
小さくてキュートな耳。
全ては撮らずに、あえてそこに留まった。

「またよろしくお願いします」

次回予告

本当は今日、アップサイクルについてなどをお話したかったのですが、
ちょうど撮影があったので、そのエピソードにしてみました。

ストアの方もお立ち寄りください。
よろしくお願い致します。


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