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デジタル社会で活躍する未来のモビリティ~トヨタコネクティッド×京都精華大学の共同授業~

こんにちは!TOYOTA Connected エクスペリエンスデザイン部(以下、XD部)の姜です。
 
今日は、私たちが取り組んできた京都精華大学との産学連携プロジェクトについてお話ししたいと思います。
 
近年、自動車業界は「100年に一度の大変革期」と言われています。完全自動運転やデジタル化の進展により、移動体験が大きく変わろうとしているのです。そんななか、次世代を担うデザイナーたちと未来のモビリティを模索する機会を得たことは、私たちにとって貴重な体験となりました。

産学連携プロジェクトのはじまり

2024年4月、私たちXD部は京都精華大学デザイン学部プロダクトデザイン学科の「モビリティ」授業に参加。プロダクトデザイン室 主査の天城裕之が講師となり、共同授業がスタートしました。 
授業のテーマは「デジタル社会で活躍する未来のモビリティとは?」。この大きな問いかけをもとに、学生の皆さんにデザイン提案に取り組んでいただきました。担当教授は、国内外で数々のデザインアワードを受賞されているプロダクトデザイナーの行徳達之先生です。 

多様な視点との出会い

週1回の授業には、XD部のデザイナーやエンジニアも加わり、モビリティ情報の紹介やディスカッション、中間レビューを実施しました。 

私も以前、美術大学でプロダクトデザインを学んでいたのですが、モビリティの授業というと「クルマが好きな人」が受講するイメージでした。でも今回集まってくれた学生の皆さんは、クルマのデザインが大好きな方もいれば、クルマのことは詳しくないけれど興味がある方、運転に苦手意識を持つ方など、実に多彩。

 その多様な視点をもとに、「未来のモビリティ像」についてあらゆる角度から意見が飛び交う様子は、とても刺激的でした。 

いよいよ最終プレゼンテーション!

京都精華大学で7月末に行われた最終プレゼンテーションには、XD部のマネージャーやUXリサーチャー、エンジニア、デザイナーのメンバー数名が参加。  

特に良いプレゼンをしてくださった方には、XD部のデザイナーが制作したオリジナルトロフィーが授与されました。

受賞者の皆さんと行徳達之先生

受賞者のお二人が東京オフィスに

最優秀賞を受賞したお二人。左から西田嘉永さん、佐藤陽太さん。 

8月頭には、最優秀賞に選ばれたお二人をトヨタコネクティッドのオフィス(TOKYO GLIP)にご招待。
四半期に一度実施しているAll hands(全社員参加のイベント)にて、プレゼンテーションをしていただきました。  

本プロジェクトを振り返り、参加者にインタビュー

この4ヶ月間の成果について、担当教授の行徳先生と最優秀賞を受賞した学生のお二人に、その想いを伺いました。

行徳達之先生

──トヨタコネクティッドとの産学連携授業について、どのような印象をお持ちですか?
 
「先行開発という未来の製品、サービスをデザインしていくとなると、学生もなかなか未来が実感できず、現実感の薄い夢物語の提案になりがちなのですが、この自動車業界の大変革の過渡期に実際に先行開発をされているトヨタコネクティッドさんとご一緒できたことは、大変貴重な機会でした。
 
最新の事例を交えながら、実際に現場で使われる手法やスケッチの描き方を学ぶことで、学生たちはリアルに未来を感じながら提案ができたと思います。その結果、未来の生活の種になりそうな興味深い提案がたくさん生まれました。
 
特徴的だったのは、授業の初期段階で企業側、大学側、学生同士のディスカッションに多くの時間を設けたことです。この相互理解を深める過程が、今回の授業の成果に大きくつながっていると感じています」
 

──学生たちの成長について、印象に残っている点を教えてください。
 
「未来のモビリティ体験を創造するにあたり、学生たちは自身の興味や体験から思考をスタートさせつつ、『なぜその提案が必要なのか?』『誰にとってどんな素敵な未来が広がるのか?』という視点で考えを深めていきました。
企業と学生の距離も回を重ねるごとに近づき、より深い対話ができるようになっていきました。授業外でも自主的に課題について議論やプレゼンをし合うなど、クラス全体のモチベーションが自然と高まっていったことは、非常に大きな財産になったと思います。
最後の受賞者発表後も、受賞できなかった学生が本気で悔しがり、なぜ受賞できなかったのかを真剣に考え、すぐに作品のブラッシュアップを始めた姿が印象的でした。さらに嬉しかったのは、当初自動車にあまり興味を持っていなかった学生も、このプロジェクトを通して自動車のデザインの多様な側面に興味を持ってくれたことです。彼ら彼女らの将来が本当に楽しみですね」


西田嘉永さん (Future Mobility Award 最優秀賞)

──産学連携授業に参加された感想をお聞かせください。
 
「とても勉強になる刺激的な4ヶ月間でした。製品をデザインする上で何が重要なのかを学び考える期間でしたね。ユーザーが本当に必要としているものは何だろうと考え、常に問題解決しようと試行錯誤を繰り返しました。うまくいかず、逃げ出したくなる時もありましたが、先生方が優しく見守り、助けてくださったおかげで、最後まで諦めずに課題に取り組むことができました」
 
──これまでの授業と比べて、違いを感じた点はありますか?
 
「賞が用意されていたことが、大きな違いだったと思います。良い作品を作って賞を取りたいと、遅くまで残って作業する仲間が増えていきました。普段の会話でもモビリティやVPAといった単語が飛び交うようになり、どんどん制作に熱が入っていく様子を目の当たりにしました。自分も負けたくないとクラスメイトに刺激されましたし、実際に賞をいただけたことで、自分の作品に自信が持てるようになりました」
 
──最終提案ではどんなことを意識されましたか?
 
「相手に伝わる内容にすることを最も大事にしました。スケッチは伝わりやすさを考え、発表では相手が想像しやすいように農家の服装で発表するなど工夫しました。発表の最後には、自分が1番伝えたい"殺し文句"を入れて、しっかり大事な部分を伝えようと意識しました」


佐藤陽太さん (Advanced VPA Award 最優秀賞)

 ──4ヶ月間の取り組みを振り返っていかがでしたか?
 
「今回の授業では、これまで学習していなかったことにも積極的に挑戦しました。アプリのプロトタイプ制作や3Dプリンターの活用など、未知の分野に踏み込むのは大変でしたが、なによりとても楽しく、自分の成長につながったと実感しています」
 
──普段の授業と比べて特徴的だと感じた点は?
 
「思考量の多さが違いました。通常の授業の2倍の時間があったことも大きいですが、毎回の授業で先生からいただけるフィードバックのおかげで、より深くデザインに対して思考できたと思います」
 
──最終提案では何を意識されましたか?
 
「『そこまでやってきたか』と思わせるプレゼンを心がけました。もともとプレゼンは得意分野だったので、資料作りもできるだけ凝ったものを作り、多くの新しいことにチャレンジしました。至らない点もありましたが、自分なりに納得のいくものが作れたと思います」
 

モビリティの未来を共に描く


行徳先生のお話にもあった通り、このプロジェクトを通じて、私たち企業側も多くの学びを得ることができました。
 
特に印象的だったのは、学生の皆さんの新鮮なアイデアの数々です。様々な背景を持つ若い世代が、未来のモビリティについて真剣に考え、提案してくださったことが嬉しく、私たち自身の視野も大きく広がった気がします。
 
これからもXD部では、未来のクリエイターの方々と共に、わくわくするようなモビリティ体験の創造に取り組んでいきます。京都精華大学の皆さんの今後の活躍が、とても楽しみです。

京都精華大学での発表の詳細は、同大学広報のnoteに詳しく紹介されています。こちらもぜひご覧ください!



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