6軍のロックンロールをきかせて
ロックは非常に便利な言葉だ。ロックと言えばすべて許されるふしがあるのでは、と錯覚する。
わからない人にはわからず、わかる人もわかってはいない。
とにかく一家に一台あった方がいいくらい万能だ。鞄に忍ばせておくといい。
音楽的なロックは、ここに種類を書くのがオックスフォードになるほど多すぎる。
億劫の変換ミスもロックだから採用する。
パスカルも言ってた、人間はロックする葦であると。
かつて、私の周りには愛すべき人間の屑たちが集まっていた。彼ら彼女らと、懸命にロックしながら生きていた。
あの頃は何故かポケットの中に入れた缶ビールで、よくジャケットを濡らしていた。
ステージの上でかき鳴らしたギブソンSG。
何万回踏んだラットやブルースドライバー。
ピアノは弾けないがマイクロKORGが飛び道具。
化学反応が起きた際の脳内麻薬に叶うものはない。
あの時のロックが、ふとした時に顔をだし、
社会と会社に抗って、あたかも信念があるようにふるまい、結果カッコつけただけになり、貧乏くじを自らひいては、これでいいのじゃと、湯のみで茶を飲む。
もしもロックに出会っていなければ、ロックに出会えた私に嫉妬しながらくそ真面目に働くだろう。
ロックに出会えた私は、そんな真面目な私を尊敬し、一緒に酒でも飲むかと誘うだろう。
最後に、ダイキンのキャラクター、ぴちょんくんが歌う、もーどーにでもしてを張り付ける。
ボサノバだけど、ロックなんだよな。
2分45秒以降が泣ける。