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2021年11月28日放送 風をよむ「オリンピックと外交的ボイコット」

人目を引く顔立ちとスマートな立ち姿…。オリンピックの競技場を背景に話をしているのは、24日、中国で発表された「AI手話キャスター」です。中国にいる2700万人以上の聴覚障がい者が、オリンピックをより楽しく観戦できるといいます。

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来年2月の開幕に向けて、着々と準備が進む北京オリンピック。23日には、海外メディアにスキーやスノーボードの会場を公開しました。

記者「こちらはスノーボード・スキークロスの会場。今日(23日)はテスト大会に向けた練習日になっています―」


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その一方で今、北京オリンピックを巡って波紋を広げているのが…IOC=国際オリンピック委員会が公開した、中国の女子プロテニス、彭帥(ほうすい)選手と、バッハ会長がテレビ電話をしたとされる写真。

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彭帥選手は、中国の前副首相から性的関係を強要されたとSNSで告発。以降、公の場から姿を消し、国際社会から懸念の声が高まっていました。こうした中、突如、彭帥選手の無事をアピールするかのような行動をIOCがとったことに、国際人権団体からは批判の声が…

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アムネスティ・インターナショナル アルカン・アカド氏(22日)「IOCは人権侵害に対して正々堂々と発言したいと考える選手に協力し、人権保護を強く求めるべきだ」

この彭帥選手の問題だけでありません。今、中国を巡っては、新疆ウイグル自治区の問題など、人権を巡って国際社会から厳しい非難の声が上がっています。そこで今、中国に対抗するため取りざたされているのが「外交的ボイコット」です。

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(Q:北京五輪の外交的ボイコットを支持するか?)バイデン大統領「それは検討している」

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かつて、オリンピックの「ボイコット」といえば…例えば、1980年のモスクワ・オリンピックでは、ソ連によるアフガニスタン侵攻に抗議したアメリカの呼びかけで、西側諸国など、およそ60か国がボイコットを表明。日本選手団も参加を見送りました。

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柔道・山下泰裕選手「将来一生懸命柔道を頑張ってオリンピックに出るんだ。そういう気持ちを私は持ってここまで頑張ってきました…」
レスリング・高田裕司選手「何のためにやってきたのか…」

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しかし今回の「外交的ボイコット」というのは、選手団は派遣するが、政府高官らを派遣しないというもの。こうした外交的ボイコットは過去にもありました。

プーチン大統領(2013年10月)「ソチ五輪は、我々の共同の事業となり、今、夢がまさに実現しつつある―」

2014年のソチ・オリンピックの開催前、並々ならぬ意欲を語ったロシアのプーチン大統領。 ところが、ロシアが同性愛者の権利を訴える活動を法律で
規制するなど、人権侵害を行っていると欧米諸国が批判。オバマ大統領など各国首脳が開会式を欠席したのです。そして今回の北京オリンピックでも焦点となっているのが、こうした「外交的ボイコット」。それは一体どんな影響をもたらすのでしょうか―
 
今回の北京オリンピックで浮上している「外交的ボイコット」。その理由をアメリカ政府は…

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プライス報道官(4月)「我々は一貫して、新疆ウイグル自治区での集団虐殺など中国政府による深刻な人権侵害への懸念を指摘してきた」

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こうした中国による人権侵害への抗議として、現在、アメリカやイギリスが「外交的ボイコット」を検討中。

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またEU=ヨーロッパ連合も、既に7月の議会で、新疆ウイグル自治区での人権侵害などを理由に、加盟国に対し、政府代表らへの招待について、辞退を求める決議を採択しているのです。片や、中国は…

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趙立堅・報道官(19日)「スポーツを政治化することは、オリンピック精神に背き、各国選手の利益が損なわれる」

例えば、2018年の韓国・平昌オリンピック。当時、緊張関係にあったアメリカのペンス副大統領と、北朝鮮の金与正氏らが開会式で同席し、オリンピック外交の舞台となりました。そして、この4か月後、米朝首脳会談が実現。
「外交的ボイコット」は、こうした「オリンピック外交」の場が失われることも意味するのです。そうした中、議論の的となっている「外交的ボイコット」。私たちはそれをどうとらえたらいいのでしょうか…。

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