見出し画像

2019/10/6 風をよむ「ONE TEAM」

・スポーツ界で活躍する様々な国のルーツをもった選手

・かつては「日本は単一民族」という偏見も…

・外国人労働者が過去最高に 日本に暮らす人も多様化


きのう行われたラグビーワールドカップ1次リーグ第3戦。日本はサモアと対戦し、見事勝利しました。

悲願のベスト8進出も見えてきた日本代表。

こうした日本代表の活躍について、街で聞いてみると…

街の人は…
「日本のために戦ってくれて素晴らしいと思う」
「外国人が多いから『あれっ?』て思う人もいるんじゃないかな」
「活躍してくれて日本勝ってすごくいいムードになっているのもいいこと」

今回の日本代表を見てみると…トンプソン・ルーク選手はニュージーランド出身、ラファエレ・ティモシー選手は対戦相手だったサモア出身。具智元(グジウォン)選手は韓国出身です。

画像1


画像2

日本国籍を持たなくても「3年以上継続して居住」などの条件を満たせば代表資格を得られるとあって、外国出身選手は、メンバー31人中15人と過去最多となっています。

画像3

また松島幸太朗選手は父がジンバブエ人で母が日本人。

画像4

さらに主将のリーチ・マイケル選手は、ニュージーランド出身で、その後日本国籍を取得しています。

画像5

多様な選手たちからなる日本代表について、リーチ・マイケル選手は「日本がグローバルになり、様々な文化が混ざっていく中、日本代表のチームワークを見て、色々と感じてほしい」と語っています。

様々なルーツや背景を持った選手たちが活躍するラグビー界。しかし、こうした状況はラグビーだけに限りません。

テニスで、全米オープンと全豪オープンを制覇し、今年1月には日本人初の世界ランキング1位となった大坂なおみ選手。

陸上100メートルで9秒97の日本新記録を樹立したサニブラウン・ハキーム選手。

画像6

そして、アメリカプロバスケットボールNBAで、日本人として初めてドラフト1巡目指名された八村塁選手。

彼らは、外国人と日本人という両親のもとに生まれ、こうした選手の活躍に今、日本中が熱い声援を送っているのです。

画像7

八村塁選手
「日本とベナンのハーフでずっとやってきて、日本でずっと育ってきた。 “日本人”として大きな舞台に立つので、“日本”を世界にしっかり見せないといけない」

スポーツ界のみならず、海外にルーツを持つ人々は数多くの分野で活躍しています。自らも祖父がアメリカ人という社会学者の下地ローレンス吉孝さんは・・・

画像8

下地ローレンス吉孝さん(国士舘大学非常勤講師) 
 「スポーツ選手の活躍がやっぱり華々しいので目立ってしまうけど、そういう人たちはほんの一握り。日本人か外国人か、どちらか一方に迫ろうとする周囲からの眼差しはまだまだ根強い。周りと同じであることが大切にされるような社会空間の中で、嫌なあだ名で呼ばれたり、いじめを経験する人もいる」

いまだ社会に残るという差別や偏見。なぜなんでしょうか?―

今、スポーツ界や様々な分野で活躍する多様な背景やルーツを持った人々。

しかし、90年代には政治家から、こんな発言も・・・

画像9

渡辺美智雄外相(1991年)「日本人は単一民族なので、比較的そういう所については・・・」
記者「日本は単一民族というフレーズがあったが?」
渡辺美智雄外相「比較的(単一民族)と言ったでしょ」

画像10

一方で、下地さんは、もともと日本人は多様性を持った民族だったといいます。

下地ローレンス吉孝さん 
 「日本は決して単一民族とは言えない、というのが歴史学では当然のように言われていて、朝鮮半島とか、中国から沢山人が来ていて、古くから大陸との文化交流、人々の交流というのが盛んに行われていた。もともと海外につながるルーツの人は日本社会に沢山いた」

画像12


そして今、日本で働く外国人の数は、去年10月末時点で146万人を超えて、過去最多に。

画像11

また今年4月、外国人労働者の受け入れを拡大する改正出入国管理法が施行されるなど、日本社会の「国際化」は急速に進みつつあるのです。

街の人は…
「グローバル化の新しい形をつくってくれるんじゃないかと思う」
「ルーツが日本じゃなきゃいけないというのではなくて、日本に住んで、日本を愛している人が活躍してくれればいいんじゃないですか」

今回、快進撃を続けるラグビー日本代表のスローガンは「ONE TEAM」。その意味を問われたリーチ・マイケル選手は…

画像13

リーチ・マイケル主将
 「同じ目標に向かって1人1人努力する、それがONE TEAMですー」


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?