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2020年12月6日「風をよむ ~中国包囲網」

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兵士が、子羊を抱いた子どもの喉元に刃物を突きつけているショッキングな画像・・・。これは先月30日、中国外務省の報道官が、ツイッターに投稿したもので「オーストラリア兵によるアフガニスタン市民らの殺害に衝撃を受けた」と書かれています。

写真のように見えますが、実は中国の若者が、パソコンで描いた絵。それを報道官がツイッターで拡散したのです。

オーストラリアのモリソン首相は「画像はフェイクだ」として、中国政府に削除と謝罪を要求。

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オーストラリア・モリソン首相(11月30日)「オーストラリアは、このとんでもない投稿について、中国外務省に謝罪を求めている」

ところが、中国側はこれを拒否します。

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華春瑩報道官(1日)「この“絵”が基にしている内容はオーストラリア国防部が調査結果で実証している調査報告である。“絵”ではあるが、事実を反映している」

ことの発端は、オーストラリアで、アフガニスタンに派遣した兵士による民間人らへの殺害の疑いが持ち上がり、先月、軍が公表した調査結果。

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そこでは、2005年から16年にかけて、少なくとも39人の民間人や捕虜を違法に殺害したとされており、軍の制服組トップが謝罪しました。
 
中国は、このことでオーストラリアを厳しく非難したのです。

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華春瑩報道官(1日)「オーストラリアの一部軍人が、アフガニスタンで無実の人民を惨殺したことに対する国際世論の非難を、中国に対する強気の態度に転換しようとしている」

4月にオーストラリアのモリソン首相が、新型コロナの発生源について独立した調査を主張。これに中国が反発して以降、深まる両国の対立。

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5月、中国は一部のオーストラリア産肉類について、検疫で違反が見つかったとして、輸入を一時停止。大麦については不当に安いなどとして制裁関税を課しています。こうした中国の強硬姿勢はオーストラリアだけではありません。

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1日、中国は安全保障を理由に、ハイテク製品などの輸出管理を強化する法律を施行。中国企業への禁輸措置を強化するアメリカをけん制する狙いがあるとみられています。

また日本に対しても・・・。

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王毅外相(11月24日・日中外相共同会見)「(尖閣諸島に関して)中国の立場は明確だ。私たちはもちろん主権を守り続ける」

中国の海上保安機関である海警局の船が、今年、尖閣諸島沖の接続水域を航行した日数は、先月2日に統計開始後の最多を更新。

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また全国人民代表大会は先月4日、海警局の権限を定める草案を公表。その中で、外国の船が停戦命令などに従わない場合、武器使用を認めており、日本の漁船への影響も懸念されているのです。

こうした中国の強硬姿勢に対して今、各国は・・・。

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10月、日本、アメリカ、オーストラリア、インドの4か国外相が東京で会談。日本が提唱する「自由で開かれたインド太平洋」構想の推進に向け、中国への対応を念頭に、連携を強化していくことで一致しました。

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米・ポンペオ国務長官(10月6日)「4カ国のパートナーとして重要なのは、パートナー国の国民を中国共産党の腐敗、搾取、威圧から守らなければならないということだ」

豪・ペイン外相(10月6日)「我々はインド太平洋地域においては、力ではなく法が支配すると信じている」

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また情報通信の分野では、イギリス政府が7月、次世代通信網=5Gの関連設備から、中国の通信大手ファーウェイの製品を段階的に排除すると発表。フランスやスウェーデンでも同様の動きが見られます。

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さらに人権分野では、香港の裁判所が2日、民主活動家の周庭さんらに実刑判決を下したことに対し、アメリカ、イギリス、台湾などが相次いで批判。日本も・・・。

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加藤勝信官房長官(3日)「昨今の香港情勢には重大な懸念を強めている」

そしてアメリカ大統領選で勝利を確実にしているバイデン氏も、今後、同盟国と連携し、中国に対応していくとするなど、中国をめぐる「包囲網」は広がりつつあります。「中国」と「対中国」という構図の中で、溝を深めつつある国際社会。今後、どこへ向かうのでしょうか。

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