「War Bride 91歳の戦争花嫁」特別先行上映会実施
3月17日(金)より東京を皮切りに全国でスタートする『TBSドキュメンタリー映画祭 2023』に先駆け、兵庫県播磨町で3月11日(土)に「War Bride 91歳の戦争花嫁」の特別先行上映会が実施されました。
播磨町は桂子(ケイコ)・ハーンさんが暮らすオハイオ州ライマ市と姉妹都市であり、ホームステイや文化交流など、良好な友好関係が続いており、桂子さんは姉妹都市設定の委員長でもある。
本作は、横浜大空襲に遭い、戦争を憎んでいた桂子さんが20歳で敵国の米軍兵と結婚し、海を渡る。現在、オハイオ州ライマ市在住の桂子・ハーンさんの激動の人生を甥である川嶋龍太郎監督が向き合い、撮影と取材を行ったドキュメンタリー映画。
上映前には、
「日本とアメリカから差別を受け、相当苦労しましたが、幸せな生活を送っています。ご覧になってくださるのを本当にうれしく思います。ありがとうございます」と桂子・ハーンさんからオンラインでメッセージが届けられた。
また上映後、桂子さんにカメラを回し続けた川嶋監督が舞台あいさつに登壇し、映画を撮り終えた思いを語り、会場の人たちは熱心に耳を傾けていた。
子どもの頃にちょっと会っただけで馴染みがなかった伯母・桂子さんが広島の戦争にかかわるシンポジウムにリモートで参加したときに「今でも私は戦争を憎んでいます。でも人を憎むことはない」と涙を流しながら語っているのを見て、「なぜ、アメリカへ海を渡っていったのか?」大きな疑問が残り、それが原動力となって今回のドキュメンタリー映画を撮るきっかけになったという。憎んでいる戦争の直後に敵国のアメリカの軍人と結婚したのはなぜ? それをひもとくべく、撮影が始まった。
「桂子さんが、人生の中で重きを置いていたのが、ボランティア活動。その理由は、「戦争は憎んでいるが、人を憎むことはない。人と人がちゃんと向き合えば戦争なんて起こるはずがない」と桂子さんが言っているのが印象的だと語った。
最後に、川嶋監督はこう締めくくった。
「本当の思いとして、今、ご覧いただいたみなさんのご家族にも若い世代にも観てもらいたい。全国の皆さんにも観てもらいたい。そして、アメリカでも上映して、その上映をアメリカで再び桂子さんと一緒に映画を楽しみたいと思っています」
終了後、国際交流を通じて桂子さんをよく知る方々が集まり、記念撮影も行われた。
「War Bride 91歳の戦争花嫁」特別先行上映会
【日程】 3月11日(土)
【時間】 15:00~16:30
【場所】 播磨町中央公民館 大ホール
【あらすじ】
日本が混沌としていた1951年、20歳の桂子は米軍の兵士と結婚し海を渡った・・・。米兵と歩いているだけで娼婦と呼ばれた時代である。「戦争花嫁」と呼ばれ、激動の時代を生きた桂子の人生、生き様、家族、苦悩、差別などを当時の世相と共に描いた意欲作。
戦争直後に、なぜ敵国米軍と結婚したのか?なぜ敵国だったアメリカに渡ったのか?
そこにあった幸せとは・・・これは真実の愛の物語である。