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スーパーフォーミュラのエントリーから消えた名前。その理由を考える。

ホンダそしてトヨタが2023年の体制発表を終了。

大湯都史樹にはスーパーフォーミュラの、笹原右京にはスーパーフォーミュラのみならずSUPER GTのシートも用意されず、TOM'Sへと移籍、SUPER GTのみの参戦となり、ジュリアーノ・アレジとのコンビで戦うことが発表になりました。



前提条件として知っておいてほしいのですが、スーパーフォーミュラのシートは高額です。当たり前ですが。

精密機械中の精密機械であるフォーミュラカーを運搬、整備、走行させるためには人も物も必要だからです。

私はトヨタの関係者でも無ければ、ホンダの関係者でも無いので、絶対にとは言いませんが、スーパーフォーミュラの場合おおよそ1レース1000万円かかると言われています。
これはエンジンなどパーツ代を含みます。

この1000万円をメーカー(チーム)とドライバーがいくらずつ支払うのかというのが争点になります。

ドライバーの支払いが無いカテゴリーなどありません。
例えばF1のワールドチャンピオン、マックス・フェルスタッペンであっても例外ではありません。

といっても、フェルスタッペンがオラクル レッドブル・レーシングに個人的に支払いをするのではなく、人気も実力もあるフェルスタッペンは多額のスポンサーを連れてきてくれます。
これを持ち込み、事実上の支払いと言います。

さて、話を国内に戻しますが、SF8戦×10台とすればメーカーあたり年間8億円の予算が必要になります。(メーカーとチームとで出資比率が変わるので全額どちらかがが支払うわけではありません。)

当然入場料収入や放映権料収入だけで賄いきれるわけが無いので、チームが1台なら8000万円、2台なら1億6千万円という必要な金額をペイするために各メーカーは本社から広告費やモータースポーツ活動費として予算を引っ張ってきて、エンジンを無償提供するなどして、チームのスポンサー費と合わせて運営しているのです。

とはいえB-MAX等は完全プライベーターなのでエンジンも買っているはずで、にも関わらず昨年ホンダが松下信治を乗せる事を許可しなかったので大事になりました。

メーカーとしては自社のエンジンを載せた車に勝ってほしい、一方で予算は節約したい。そのジレンマの中でドライバーを選択しているわけです。

従って限られたスーパーフォーミュラのシートを掴むためにドライバーは
・純粋な速さ
・持ち込みスポンサーフィーの金額
・メーカーとの人脈
このいずれかを武器に交渉を行ないます。

どれを武器に勝ち取ったのかは明言こそしませんが、トヨタ陣営のKuo VANTELIN TEAM TOM'Sの2人やP.MU/CERUMO・INGINGの2人を見ればどれかは分かりやすいのではないでしょうか?

今年は新型シャーシの投入でコストが増大。
噂ではそれだけで6戦分以上の価格とされていますから、持ち込みの金額は特に重要なファクターといえます。

その中で、ホンダ陣営とここ数年、蜜月の関係だったのが
Red Bullです。

スーパーフォーミュラ、SUPER GT共にホンダのマシンを印象的なカラーリングで支えています。
(SUPER GTはRed Bull JAPANのスポンサード)

スーパーフォーミュラについてはコロナ禍でレッドブル育成のドライバーを乗せられませんでしたが、今年からリアム・ローソンが参戦。ところがこれが笹原と大湯のシートを奪うことに繋がりました。

レッドブルカラーのマシンは大津弘樹(メンテナンスはチーム郷×無限)、佐藤蓮(チーム郷)の体制で参戦してきました。

この流れを汲んで、今年のローソンはチーム郷のメンテナンスのレッドブルカラーのマシンで走ると思われました。ところが本国のレッドブルレーシングがチーム郷、つまりセルブスジャパンのメンテナンスを不安視。
野尻智紀の連覇とかつてピエール・ガスリーをサポートしたことで信頼がある無限チームでの参戦を希望したとされます。

ホンダとRed Bullは、F1でジョイントしてから関係を深めてきました。HRSの成績優秀者をヨーロッパではレッドブル・レーシングのサポートのもとF2、F3で走らせたり、ホンダレーシングスクールの講師としてセルジオ・ペレスを招聘。
シビックタイプRの広告塔としてマックス・フェルスタッペンを起用しています。  

今後ホンダがF1へエンジンサプライヤーとしてなのか技術協力またはワークスとしてフル参戦なのかはわかりませんが少なくともRed Bullと関係を崩すメリットはありませんから、ローソンがRed Bullからの持ち込みがある以上、希望は聞くでしょう。大湯、笹原がそれを上回るだけの何かを提示しない限りは。

ホンダは少なくとも笹原にはシートを用意したそうです。
しかし笹原サイドがそれを蹴った。(モータースポーツドットコムによると)

理由は明らかにはなっていません。

スーパーフォーミュラのシートがあってもSUPER GTのそれが希望したレベルに満たなかった。(TOM'SレベルのSTANLEY、ARTA×無限、Astemoを要求した。)将来的な海外シリーズへのサポートの確約がとれなかった。(これも全額ホンダが出すことは有り得ない。松下信治もF2再挑戦の時はそこで交渉を重ねた。)
真実はホンダそして笹原にしか分かりません。それは大湯のみがホンダに残って未だにチーム郷と参戦するために資金集めに奔走していることも含めて。

だから違う景色を見に行った笹原右京も正しいし、同じ景色を変えてやろうとしている大湯都史樹も正しいのです。

勢いで書いたので後半は支離滅裂かもしれませんが、彼らを応援し続けることだけを自らに誓って
この項は終了とします。

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