【衆院選予想】 東京ブロック(小選挙区+比例惜敗順)
この記事では次期衆院選の東京ブロック(小選挙区+惜敗順)の予想をしていきたいと思う。
はじめに
結果を予想するうえで、結果を左右するカギを握る要素の中に以下の4つが含まれていると考えている。
①立憲民主党と共産党の野党共闘が成立するか否か
現時点では18区や19区など前回は立憲民主党が制した選挙区にも共産党が候補者を擁立しており野党共闘は成立していない。このため現状の擁立状況では、2選挙区程度で結果が逆転か。しかし、立憲民主党東京都連会長である手塚氏の選挙区である5区も共産党が候補者を擁立した場合には結果が変わる可能性の高い選挙区であるため、そのあたりを考慮して候補者を調整する可能性が無きにしも非ずと筆者はみている。
②参政党の候補者擁立
今回、実に多くの小選挙区で参政党が候補者を擁立していることもわずかながら選挙結果に影響を及ぼしてくるだろう。一番影響を受けるのは同じ保守政党である自民党だろう。次いで新興勢力、第三極という意味で日本維新の会、さらにイデオロギーは反対であるものの主張に似ているところもある、れいわ新選組といったところが影響受けるか。
③自公の選挙協力
東京28区問題を発端として一時は自公の選挙協力体制は解消されたが、先日復活することが発表された。選挙ドットコムの動画の現場を取材した方の話によると、協力解消後でも現場レベルでは今までと変わらない様子であると語っており、今回また協力が復活したことを考えると、公明党の協力という点については、前回までとほぼ変わらない結果が期待できるとみている。
④都民ファーストの会の候補者擁立
まだ具体的にはなっていないものの、都民ファーストの会の森村代表は次期衆院選において半数(15)近くの選挙区で候補者擁立を目指すと語っている。仮に、候補者擁立が実現した場合には同じ第三極である日本維新の会は大きな影響を受けると思われる。
小選挙区予想(予想される顔ぶれを画像に示す)
東京1区
山田美樹△ 65,500票
海江田万里▲+ 64,500票
音喜多駿▲- 58,000票
吉川里奈 9700票
1区は前回から大きく区割りが変わり、港区が7区に移った一方、一部10区だった新宿区が1区に編入されの全域が1区となった。この変更は、港区で得票の高かった山田美樹氏にはマイナスポイントか。
山田氏は前回小選挙区当選(海江田万里氏が比例復活)。区割り変更を考えると前回より接戦になるとみる。また、維新が比較的知名度の高い音喜多駿氏を擁立したことにより、その三者による接戦になると予想する。
海江田氏は区割り変更では有利に立つものの、無党派票の獲得という点では音喜多駿氏の擁立がやや不利に働くと予想する。
音喜多氏は比較的知名度が高く、無党派への浸透が期待できる候補者であるために善戦することが予想される。特に千代田区では得票が期待できると思われるが、やはり勝負は大票田でありかつ維新の支持が高くない新宿区である。どこまで浸透できるかは未知数だが、今後の伸び次第では小選挙区当選の可能性もあると予想する。但し、都民ファが大きな不確定要素として残る。
東京2区
辻清人〇 69500票
立民 46500票
今村充 37000票
細野真理 19500票
最上佳則 8800票
2区も大きく区割りが変わり、文京区が10区へ編入された。一方14区と2つに分かれていた台東区が全域2区となった。この区割り変更は、文京区で善戦していた立民と維新にとっては不利になるだろう。
2区は前回は自民・辻清人氏が小選挙区当選しているが、今回も引き続き優位と予想する。
東京3区
石原宏高△ 91000票
阿部祐美子▲ 87000票
吉平敏孝 63500票
香西克介 27000票
植木洋貴 14000票
3区も区割りが変わり7区と2つに分かれていた品川区が全域3区となり、一方で3区であった大田区の一部が26区に編入された。
3区は前回は松原仁氏が小選挙区当選(石原宏高氏が比例復活)しているが、今回は26区からの出馬を選択したことで、その前回の松原票の行方が注目される。松原氏は出馬選挙区をめぐるいざこざで立民から離党しており、このまま無所属で出馬するのか他党から出馬するか注目されている。離党はしたものの、3区で立民から出馬予定の阿部祐美子氏とは折り合いは悪くなく、このまま無所属を貫きなおかつ阿部氏の応援に入るといった展開は阿部氏に有利に働くとみられるが、一方で他党から出馬した場合は、松原票はあまり期待できないだろう。
阿部氏は3区で戦う上では最善の候補であると思うが、「松原さんだから入れた」という保守層の票はあまり期待なきないと思われる。したがって、石原氏がやや有利とみられるものの激しい競り合いになると予想する。また、共産党との共闘が成立すれば結果は変わってくるだろう。
維新は新人の吉平敏孝氏を擁立。品川区は23区内では比較的維新の得票率が高い地域であるため、同党の比例復活争いには絡んでくる可能性はありそうだ。
東京4区
平将明◎ 77500票
石川雅俊 49000票
谷川智行 38000票
4区は前回から区割りが変わり、一部が26区へ移行した。
4区は、前回に引き続き平将明氏が安定した戦いを進めると予想する。
東京5区
手塚仁雄△ 10100票
若宮健嗣▲ 90500票
稲葉太郎 67500票
望月正謹 8200票
5区は前回から区割りが変わり、目黒区が26区へ移行、世田谷区の一部が6区から新に編入し世田谷区東部が区域となった。
5区は前回は立民の手塚仁雄氏が小選挙区当選(若宮健嗣氏が比例復活)している。今回も、手塚氏がわずかに有利であるものの若宮氏の競り合いになると予想する。
維新は新人の稲葉太郎氏を擁立しており、比較的得票が見込める地域であるため比例復活争いには絡んでくると予想する。
東京6区
落合貴之△ 106500票
越智隆雄▲- 90500票
河村建一 70000票
望月正謹 14500票
東京6区は区割りが変更され一部が5区に移行したことで、世田谷区西部が区域となった。
6区は前回は、立民の落合貴之氏が小選挙区当選(落合氏が比例復活)しているが、今回も引き続き落合氏が少し有利であると予想する。
維新は新人で元自民党、河村元官房長官の長男である河村建一氏を擁立した。この選挙区も比較的得票が見込める地域であるため、比例復活争いには絡んでくると予想する。
東京7区
丸川珠代△ 72500票
松尾明弘▲+ 71500票
小野泰輔▲-- 58000票
天川由美子 11500票
7区は区割りが大きく変更され、中野区杉並区が27区、目黒区が26区、品川区が3区へ移行し、港区が1区と2区から編入した。
区割り変更に伴い前回小選挙区当選した長妻昭氏は27区を選択したことで、立民は新たに昨年の参院選において東京都選挙区から出馬した松尾氏を擁立、自民党は参議院議員の丸川珠代氏を新たに擁立、維新は前回1区から出馬した衆議院議員の小野泰輔氏を擁立した。
自民党が強いエリアである港区では知名度の高い丸川氏と前回からの地盤である小野氏が有利であるとみられる。一方、渋谷区では長妻氏の地盤を引き継ぐ松尾氏が有利であるとみられる。
丸川氏は支持層を固めることができればまだまだ伸びる可能性があるとみる。松尾氏はどれだけ長妻票をつなぎとめることができるか。極めて接戦になると予想する。小野氏は渋谷区では苦戦すると予想されているが、小選挙区当選の可能性は今後の浸透次第か。
東京8区
吉田晴美△ 128500票
門寛子▲ 109000票
南北ちとせ 43500票
石川めい子 11900票
8区は、立民吉田晴美氏が小選挙区で初当選した。今回も引き続き吉田氏が有利であると予想される。
一方自民党は元経産省の官僚である門寛子氏を擁立、X(旧Twitter)では政治界隈ではよく知られた方であり、候補者としては優れていると思われるが、杉並のリベラルの牙城を崩すのは容易ではないだろう。
東京9区
山岸一生○ 70000票
今村洋史 53000票
維新 36500票
山本沙紀 8100票
9区は前回から区割りが変わり一部が28区へ移行した。
9区は前回は立民の山岸一生氏が小選挙区当選しており、今回も山岸氏が有利であると予想する。自民党は元職の今村洋史氏を擁立しているが、落下傘でありどこまで浸透できるか。
東京10区
鈴木庸介△ 92500票
鈴木隼人▲ 87500票
永野裕子 52500票
安田伸 5200票
10区は前回から大きく区割りが変わり中野区が27区、練馬区が28区へ移行、文京区が2区から編入した。
10区は前回は鈴木隼人氏が小選挙区当選(庸介氏は比例復活)している。新たに編入した文京区は立民支持が比較的高い地域であり、豊島区とともに、庸介氏と隼人氏の激しい競り合いになると予想する。
東京11区
下村博文○ 92000票
阿久津幸彦▲- 69500票
維新 49000票
伊波政昇 28500票
11区は少し区割り変更があり、板橋区の一部が12区へ移行した。
11区は前回は下村博文氏が小選挙区当選しており、現状では今回も下村氏がリードしていると予想する。一方、立民は前回に引き続き阿久津幸彦氏を擁立しており仮に今回、共産党が候補者を取り下げた場合は、ここ最近の内閣支持率の下落傾向などを踏まえると、下村氏と阿久津氏が接戦になる可能性があると予想する。
東京12区
高木啓△ 60000票
阿部司▲ 50000票
共産 43500票
大熊利昭 17500票
12区は区割りが変わり、足立区の部分が29区に、豊島区の部分が10区に移行し、11区から板橋区の一部が編入された。
12区では前回は公明党の岡本三成氏が当選しているが、区割り変更に伴い29区を選択したことで、代わりに自民党比例選出の元北区選出都議会議員の高木啓氏が支部長となった。12区ではこの高木氏を軸に選挙戦が展開するものとみられる。
一方、前回12区で比例復活を果たした維新・阿部司氏も精力的に活動を続けており、今後の伸び次第では小選挙区当選も視野に入ってくる可能性もがあるか。
東京13区
土田慎◎ 94000票
立民 59500票
宇土行弥 44000票
沢田真吾 29500票
戒能遥 11000票
13区は区割りが変わり、29区と合わせた足立区が半分に割れる形となっている。13区は北千住などが含まれる足立区東部が区域となっている。
13区では前回は自民・土田慎氏が当選しており、今回も土田氏が優位であると予想する。
東京14区
松島みどり○ 86500票
立民 71000票
斉藤佳代 53000票
大賀靖郎 10000票
14区は区割りが変わり、墨田区が29区へ、台東区の部分が2区へ移行し、16区17区から江戸川区の一部が編入された。
前回14区では自民・松島みどり氏が当選しているが今回も松島氏がリードしていると予想する。
東京15区
柿沢未途○ 101500票
金澤結衣 79000票
小堤東 57500票
15区は前回小選挙区当選した柿沢未途氏が今回も引き続き有利か。柿沢氏は今回は自民党公認で出馬する。
立民はまだ候補者を擁立していないが、前回選挙における経過を踏まえると、候補者を擁立せず、共産党に候補者を一本化する可能性もある。
また、以前この選挙区から出馬していた秋元司氏も地元回りをしているとの情報があり、出馬する可能性がある。
このように15区は構図がまだ定まっていない中で、維新は前回に引き続き金澤氏を擁立。構図次第では金澤氏は比例復活争いに絡んでくると予想する。
東京16区
柴田勝之△ 76000票
大西英男▲ 70500票
中津川博郷 42500票
有田正寿 9600票
16区は区割りが変わり一部が14区へ移行している。
16区は前回は大西英男氏が小選挙区当選しているが、
前回に関して言うと、立民は共産党と候補者を一本化できていれば勝てていたとみられる選挙区であったため、今回このまま共産党が候補者を擁立しないとなると、柴田氏がやや有利と予想する。
東京17区
平沢勝栄◎ 86000票
猪口幸子 51500票
円より子 28500票
共産 24500票
17区が区割りが変わり江戸区の部分が14区へ移行している。
17区は平沢氏が小選挙区当選を続けている選挙区であり、今回も平沢氏が盤石だろう。
東京18区
福田かおる△ 87000票
菅直人▲ 80500票
維新 35500票
樋口亮 26500票
徳永由紀子 9500 票
18区は区割りが変わり府中市が30区へ移動し、西東京市が19区から編入した。西東京市は府中市よりも左派系野党の得票率が高い地域であるため左派系野党に有利な変更であると言える。
18区は前回は菅氏が小選挙区当選。その菅氏は引退が噂されおり、その場合は後継として武蔵野市選出の都議会議員の五十嵐えり氏や、武蔵野市長の松下玲子氏などの名前が挙がっている。
前回比例復活の自民・長島昭久氏が区割り変更に伴い30区を選択したために、自民は新人の福田かおる氏を擁立している。
区割りでは立民が有利であるものの、今回は共産党の候補者擁立が大きなマイナスポイントとなるために、現時点では自民・福田氏が有利か。
東京19区
松本洋平△ 80000票
末松義規▲- 63500票
吉田圭一郎 34500票
井手重美津子 21500票
19区は区割りが変わり、西東京市が18区へ移行し、国立市が21区から編入した。
前回は末松氏が小選挙区当選(松本氏は比例復活)しているが、今回は共産党が候補者を擁立していることにより左派系野党票が割れ、結果が逆転すると予想する。
東京20区
木原誠二◎ 109500票
宮本徹 66500票
竹田光明 56000票
20区は前回は木原誠二氏が小選挙区当選(宮本徹氏が比例復活)
今回も立民が候補者を見送るとの情報もあり、引き続き共産党に一本化か。
したがって木原氏は引き続き安定だろう。
宮本氏は今回も比例復活と予想する。
東京21区
小田原潔△ 97000票
大河原雅子▲ 96000票
山下容子 43000票
大沢理枝 10000票
21区は区割りが変わり、国立市は19区へ、稲城市、多摩市の部分は30区へ、八王子市の一部が24区から編入した。
21区は前回は小田原潔氏が小選挙区当選(大河原雅子氏は比例復活)
2氏は前回と同じ顔ぶれだが、前回以上に接戦になると予想する。
東京22区
22区は区割りが変わり、稲城市の部分は30区へ移行した。
伊藤達也○ 103000票
山花郁夫 55500票
維新 34000票
櫛渕万里 31000票
平野義尚 16500票
鈴木美香 10500票
22区は前回は伊藤達也氏が小選挙区当選している。
今回は、野党側は候補者乱立の状況にあり、自民・伊藤氏がさらに有利か。
れいわの櫛渕万里氏は前回は繰り上げで比例復活しているが、今回はこの選挙区において候補者が乱立しており、またれいわが他の選挙区にも候補者を擁立する可能性があるために状況が変わる可能性がある。
東京23区
小倉將信△ 79000票
伊藤俊輔▲ 74500票
維新 39500票
大山大地 9300票
23区は区域が変わり多摩市が30区に移行したことで、町田市のみが区域となった。この変更は、町田市で得票の高かった小倉將信氏に有利か。
23区は前回は小倉氏が小選挙区当選(伊藤氏は比例復活)。
2氏は前回と同じ顔ぶれだが、区割り変更や小倉氏の入閣などの要素を踏まえると、接戦ながらも小倉氏がやや有利と予想する。
東京24区
萩生田光一◎ 106500票
佐藤由美 49000票
共産 38000票
24区は区割り変更があり、一部が21区へ移行した。
24区では自民・萩生田光一氏が強さを誇っており今回も安定した戦いを進めるとみられる。
国民民主党の佐藤由美氏は、現時点での構図からすると、同党の惜敗率でブロックトップになる可能性が高いと予想する。
東京25区
井上信治◎ 13000票
立民 93000票
東京25区は井上信治氏が安定した地盤であり、今回の選挙も盤石だろう。
東京26区
松原仁△ 107000票
今岡植▲ 102000票
共産 27500票
大隈優子 11500票
26区は新選挙区で3区と4区に属していた大田区西部と5区と7区に属していた目黒区から成っている。
26区は大田区を地盤とする松原仁氏と自民新人今岡植氏の激戦になると予想される。特に、立民を離党した松原氏の動向は注目されており、このまま無所属で出馬した場合は小選挙区当選の可能性は十分にあると考えらえるが、一方で、国民民主や維新に移籍した場合は、立民が候補者を擁立してくることが考えられるために小選挙区当選は厳しくなるか。ただその場合も比例復活できる可能性は高いと思われる。
東京27区
長妻昭◎ 80000票
黒崎祐一 62000票
辻健太郎 29500票
27区は新選挙区であり、7区と10区に属していた中野区と8区に属さない杉並区の東部地域から成っている。
27区を構成する地域はどこも長妻昭氏の強固な地盤であり、今回の選挙も盤石の戦いが予想される。
東京28区
高松智之△ 53000票
安藤高夫▲ 52500票
藤川隆史 28000票
奥野祥大 21000票
高野直美 15500票
江崎早苗 8100票
東京28区は新選挙区であり元々10区に属していた部分と9区に属していた部分の一部から成り立っている。
28区は東京の小選挙区で唯一全員新人の選挙区となっている。構図だけを見れば、野党が乱立している状況のため自民が有利な状況に見えるが、安藤氏は前回は完全落選している候補者のため強い候補者とは言えず、接戦になると予想する。
高松氏は地元が練馬区で前々回は練馬区(旧9区)から出馬ものの、党の合流に伴い前回は比例から出馬している。
国民民主党の奥村氏は同党の政治塾出身者として初の候補者であるが、今後の伸び次第では同党の比例復活争いに絡む可能性も出てくると予想する。
東京29区
岡本三成◎ 65000票
木村剛司 42000票
海老沢由紀 50500票
樽井良和 22500票
東京30区
長島昭久〇 93000票
立民 70000票
維新 36500票
早川寛 22000票
作本純子 9200票
30区は新選挙区で、府中市が18区から、多摩市が23区から、稲城市が21区と22区から編入している。
30区は前回からの府中市の地盤を引き継ぐ長島昭久氏がやや有利か。
各党獲得議席予想
惜敗順予想
(比例区での議席獲得が見込める政党のみ記載)
自民は立民と共産の共闘が成立しない場合は、前回より比例復活のボーダーか下がる可能性がある。
立民は共産党が選挙区擁立により前回から結果が逆転される選挙区があると見られることや比例での維新の台頭を踏まえると前回より情勢は厳しいと見られるため、比例復活の惜敗率ボーダーラインは90%台か。
維新は現状では比例復活には惜敗率70%前後が一つの目安で、小選挙区当選者が出れば下がってくる感じか。
国民はボーダー40〜50%か。
れいわは現状の30%付近を上回る候補者が擁立されるかどうか。
本記事は以上となります。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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