奈良かき氷ツアー ~氷の聖地への日帰り旅~
あてなるもの
清少納言は「枕草子」の中で、かき氷のことを「あてなるもの(高貴で上品なもの)」と表現しています。
電気冷蔵庫のなかった昔、冬に作った氷は氷室(ひむろ)という天然の冷蔵庫で夏まで保管されていました。山陰に穴を掘って、氷を茅などで覆って温度を低く保つことで長期保存するのです。
夏に氷室から氷を出すのにも天皇の命令が必要だったそうで、その氷は天皇や皇族、高位の人々だけが楽しめるものだったのです。
氷室神社
氷の聖地への日帰り旅は、まずは氷室神社から始まります。「かき氷ツアー」なので、この神社へのご挨拶はかかせません。
氷室神社は和同3年(710年)、平城遷都に伴って三笠山麓や春日野に作られた氷室の守護神として祀られたことがはじまりです。
今回は体験できませんでしたが、毎月1日には日没後から氷の灯篭にろうそくの灯がともされたり、夏季限定でお供えのかき氷を御さがりとしていただくこともできるそうです。
神社仏閣が多い奈良なので、こちらの神社はひっそりとしているかと思いきや…
海外からのお客さまもたくさんいらしたので、日本人としてお参りの仕方のお手本にならなければ…と少々緊張しました。
(日本の文化を学びなおす必要を感じました…)
この神社には「氷みくじ」というおみくじがあり、氷の上に載せると文字が浮かび上がってきます。
しばらくして乾いてしまうとまた文字が見えなくなってしまうので、その「はかなさ」に「和の心」が感じられて素敵でした。
それぞれのお店のこだわりかき氷
とうとうお目当ての「かき氷」です。
まずは老舗の和菓子屋さんのかき氷からいただきます。
午前中からかき氷を食べる人は少ないだろうと思っていましたが…
駅から少し離れていることもあり行列はありませんでしたが、普通に席がうまっていました。
種類が豊富でそれぞれの季節に季節限定のものがあったり、老舗和菓子屋さんならでのものがあったり、みたらし団子がのっている変わり種があったり…
迷いに迷ったあげく、なぜか定番の「ミルク金時」にしてしまいました。
ただこの「ミルク金時」も、他のママ友たちのかき氷も、氷の中にはわらび餅が入っています。
氷は溶けにくいのにふわふわで、絶品です。
かき氷の聖地奈良には、かき氷を提供しているお店が本当にたくさんあります。
いろいろなお店を研究して臨んだ今回の「奈良かき氷ツアー」、最低でも2杯は食べようと意気込んでいましたがなんとお腹がいっぱいで1杯しか食べられませんでした。
年中かき氷を提供しているお店も多いので、「また来よう! 」と言い合いながら後ろ髪をひかれる思いで帰ってきました。
かき氷を一緒に食べてくれる相手がいなくて…
かき氷は「材料が水なのに、値段が高い」と感じる人もいると思うので、なんとなく友達を誘いにくいのは本当でした。
でも「かき氷を一緒に食べてくれる相手がいなくて淋しい…」と言ったのは、正直に淋しいというのが照れくさかったのと、やはり娘が小さい頃から毎年夏休みに一緒にかき氷を食べた思い出があったからでした。
すぐに「行こう!」と言ってくれたママ友たちとの日帰り旅は、奈良の歴史を感じながら元気をもらえる一日でした。