今日の1曲―シャル・ウィ・ダンス?―香鳴ハノンさん・稀羽すうさん

しばらくnoteを更新できてなかったのですが、久しぶりに投稿しようと思います。何をテーマに書くのか迷ったのですが、そんな時に素敵な「歌ってみた」に出会えたのでリハビリとしてその1曲に焦点を当てた記事を。タイトルもずばり「今日の1曲」として書き進めていきたいと思います。

その素敵なカバーはPalette Projectパレットプロジェクト所属の香鳴かなるハノンさんとRe:AcTリアクト所属の稀羽すうさんによるもの。2人は頻繁にコラボ配信を行っており、表でも裏でも仲が良いことがファンの間でも知られていますが、コラボでの「歌ってみた」を出すのは今回が初めて。告知も、公開当日に割とサクッとされたのでファンとしても驚きが大きかったようです。

さて、気になる曲目はReoNaさんの「シャル・ウィ・ダンス?」。アニメ「シャドーハウス 2nd Season」のオープニングテーマとなっている楽曲です。アニメの世界観とReoNaさんの世界観が融合したメッセージ性の強い曲を2人はどのように歌い上げたのか、見ていきましょう。

本家を意識した入りにグッとくる!

まず最初に感じるのが、本家をリスペクトした歌声。ReoNaさんと言えば息を多分に含んだような歌声が特徴的ですが、2人もそれを強く意識しているように思いました。

そしてそこからサビに入るとパっと明るく!MVのすすが晴れていく視覚的な演出も相まって、花が咲いたようなカタルシスに似た効果が得られます。歌詞の中で重要なワードである“いいな いいな 人間っていいな”の部分で2人の姿が重なり、手を取り合って踊っているように見える演出も見事。この、別々に描かれていたイラストが重なる演出は、Vtuberさんの「歌ってみた」ではよく見られるものですが、定番の演出だからこそ、重要な場面で使うのは効果的です。曲のメッセージをバッチリと伝えることが出来ていますね。

2番サビ~間奏にも注目!

次に注目したいのが2番のサビ。2番のサビはフレーズを変えて同じメロディーが2度繰り返されるのですが、2度目は“あがいて もがいて”と、やや歌詞の雰囲気が変わっています。MVも1番ではすすが晴れていったのに対して、2番では再びすすに覆われるように。それを意識してか、2人の歌い方も若干変わっていて、細かな表現の巧みさに驚きます。

そして間奏前の香鳴ハノンさんのパート、“余計なこと考えないで ステップを踏み鳴らせ”の部分。この曲の歌詞で唯一口調が荒くなる箇所なのですが、ここの力強さがいい!違和感が無い程度のイレギュラーさを醸し出していて、とてもよいです。

さて、原曲MVではここから間奏と共にダンスパートに入りますが、2次元の世界でそれを表現するのはかなり難しいです。どうしても“動き”を見せるのは難易度が高くなってくるので、視聴前、果たしてどのように魅せるのか気になっていました。

それに対しての答えとして出されたのは、漫画的な表現。パラパラ漫画のように画面奥から手前に次々と2人のイラストを見せることによって、まるでダンスを踊っているような、立体的な動きを見せることに成功しています。ここの表現も見事だなと感じました。

ラストは原曲とまた違った雰囲気に

間奏が終わると、いわゆる落ちサビからラストのサビへと向かうのですが、ここが原曲とはまた違った雰囲気となっています。原曲では男声も含めた厚みのあるコーラスで壮大な感じが出ているのですが、こちらの「歌ってみた」では女声オンリーなので、どことなく優しさも感じられるような、そんな気がします。“いいな いいな 人間っていいな”というワードにも、また違った意味合いがあるように思えてきますね。

今回の「歌ってみた」は特にコーラスに力を入れて作成しているようなので、ぜひとも細部まで味わい尽くしたいです。

まとめ

今回の「シャル・ウィ・ダンス?」は前述した通りアニメ「シャドーハウス」のオープニングテーマとなっています。「シャドーハウス」は世界観が独特なのが特徴で、この曲の歌詞にもその世界観の断片が至るところにちりばめられています。そして、原曲を歌っているReoNaさんもまた、「絶望系アニソンシンガー」という強烈な世界観を持っているアーティスト。この「シャル・ウィ・ダンス?」はそんな2つの世界観が融合した、深みのある楽曲となっています。

そんな難解な曲に対して、香鳴ハノンさんと稀羽すうさん両名、そしてイラストやMVを担当した方々も含めて、「アニメ作品とアーティストをリスペクトしつつ自身の色も出す」という極めて難しい仕事を見事にこなしているように思います。歌い方や、細かな部分まで描き込まれたイラスト、MVの魅せ方など、様々な部分でリスペクトの気持ちを感じられるので、きっと「シャドーハウス」ファンの方、ReoNaさんのファンの方にも「アリ!」と言ってもらえるような、そんな大作に仕上がっていると言えるでしょう。

その上で、憂いがありながら透明感を感じさせる稀羽すうさんの歌声、どんな曲でも世界観に染まる香鳴ハノンさんの歌声という個性もしっかりと発揮されていて、2人のファンもきっと大満足。まさに理想的な「歌ってみた」と言えそうです。

仲良しな2人による極限までこだわり抜かれた至極の「歌ってみた」。ぜひとも多くの方に聴いていただきたいです!

ちなみに香鳴ハノンさんはスナックにりの陽月ひつきるるふさんと共に「シャドーハウス」1期のエンディングテーマ「ないない」も歌っています。そちらも10万再生を超える人気の「歌ってみた」となっているので、「シャドーハウス」ファンの方はぜひ併せて聴いてみてください。


↑2人のチャンネルはこちらから!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?