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15  肩の上げ下げ

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 久しぶりに呼吸法の訓練に戻ります。ここからは中級ですので、前の練習(08 伸びの練習まで)の習得は必須となります。よっぽど勘のいい人でないと、これだけ取り出してもなんのことか分からない人も出てくると思いますので、復習と共に反復練習が必要です。

 最初から完璧にできなくても問題ありません。焦らず繰り返し積み重ねれば、誰でもできるようになります。お腹を動かして息を出しながらいろいろなところを動かすことで、気づくことがあります。
 

① 肩の上げ下げ(左右)

 楽な姿勢をとり、顔は正面を向いて、両手は体側に自然にぶら下げ、お腹の力を抜いておきます。まず、お腹を凹ませて息を吐きながら、左肩を上げます。
 息を吐き切ったら力を抜いてください。肩とお腹は元に戻ります。
 この時、喉(のど)を意識して開けることができると、一気に空気が胸に流れ込み、リラックスした最初の状態に戻ります。

 左と右の動きをワンセットとして、10セット行います。

② 肩の上げ下げ(両肩)

 こんどは両肩を同時に動かします。お腹を凹ませて息を吐くのですが、その際、お腹の動きが上に向かう息の力に変化して、体の内側から肩を押し上げる、とイメージしながら両肩を上げてください。

 息を吐き切ったら力を抜いて、両肩とお腹を元の状態に戻します。喉を意識して開けることもお忘れなく。

 両肩の運動は5~10回行います。


上級編:お腹と肩の動きの関係について

 お腹を凹ませる動きと肩を上げる動作がつながっている感覚は、慣れないうちは分かりにくいと思います。

 たとえ話をしてみましょう。ご存じの方は、グランドピアノのペダルを踏んだ時、弦を抑えている響き止めのダンパーが上がる様子を思い浮かべてください。
 お腹がペダルで肩がダンパーだとします。ペダルとダンパーは金属の棒でつながっているのですが、人体に置き換えると、お腹と肩は背骨に沿った細長い「脊柱起立筋」という筋肉でつながっているのです。脊柱起立筋は背骨の両側に付いていて、肩から腰まで伸びています。指で触れば盛り上がっているのですぐ分かります。

 今回ご説明した肩の上げ下げの運動に慣れてくると、脊柱起立筋がお腹のパワーを肩までダイレクトに伝える感覚が分かるようになってきます。詳しく知りたい方はネットで検索してみてください。

 これは上級編の理論ですが、筋肉の感覚を意識することで上達が早まる人がいるので、ご紹介しました。
 いずれにせよ大切なのは、お腹の動きと肩の動きが関連することを実感しつつ、練習を積み重ねることです。


→ 次回へ続く


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