06 管楽器奏者のための本格的な腹式呼吸の訓練
演奏に使える息の量を増やすトレーニング
ここからは、呼吸筋を目覚めさせ、体を演奏に適した状態にして、呼吸機能を高める本格的な訓練を実践していきます。
腹式呼吸を覚醒時にやろうとすると、肩や胸で息を吸ってしまって、うまくできない人がいます。そんな時は「吸う」ことを意識せず、「吐く」動作から始めて、その反動で息をお腹に入れてみてください。これが解決策となります。
① 下腹を動かす練習
正座または椅子に浅く腰掛けて、楽な姿勢をとります。顔は正面を向いてください(写真1)。
両手のひらを下腹部に当て、臍から下のお腹を入れたり出したりします。下腹だけを動かしてください。これから行う一連の練習の最も基本的な動きです。
② 息を吐きながら下腹を動かす練習
同じく、正座または椅子に浅く腰掛けて、楽な姿勢をとります。顔は正面を向いてください。次に、両手のひらを下腹部に当てます。
お腹の中にゴムボールが入っていて、それをつぶすようなイメージでゆっくり息を吐きます。全部吐き終わったら、力を抜いてください。
お腹は元の位置に戻り、息は自然にお腹に入ります。先ほどつぶしたゴムボールに、勝手に空気が入って膨らむようなイメージです。これが腹式呼吸の基本です。
まず吐く。その後に息が自然に入ってくる。けっして、意識的に息を吸い込んではいけません。
この練習を5〜10回、繰り返し行います。
③ 下腹から体の表面に沿って息を吹き上げる練習
正座または椅子に浅く腰掛けて、楽な姿勢をとります。顔は正面を向いて下さい。次に、両手のひらを下腹部に当てます。
下腹を凹ませながら息を吐き、左手を体に沿って肩までゆっくり上げてください。息の力で、手が肩まで移動していくイメージで行ってください。
息を全部吐き終わったら、手をゆっくり戻しながら下腹の力を緩め、その道を通って息がお腹に戻っていくように感じてください。ゆっくり戻すのが大切です。 同じ動作を、右手でも行います。
手の動きに沿って「らくーに」息が出入りするのを感じてください。息は「戻す」のであって、意識的に吸い込んではいけません。
うまくできるようになると、この辺で「アクビ」が出てきます。
左手と右手をそれぞれ交互に5回づつ行います。
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