2021.5.11「行政が新型コロナワクチン接種を、医師・看護師紹介会社に委託」の問題ー続編
私が、日本医師会はその力を失っていくだろうと記事を書いた2021.5.11その日の夜、こんなニュースが飛び交いました。
東京都では「まん延防止等重点措置」(まん防)が適用されており、4月20日には、新たに711人の陽性者が確認されるなど感染が拡大。3日後の4月23日には緊急事態宣言の発令が決定した。
そうした中、中川氏が発起人を務めたのは、自民党の自見英子参院議員(45)の政治資金パーティー(会費2万円)だ。
「自見氏は、自見庄三郎元郵政相の娘で、日本医師会傘下の政治団体『日本医師連盟』の組織内候補として2016年の参院選で初当選しました。2019年9月には厚労政務官に就任。ただ、『週刊文春』2020年7月30日発売号で、 既婚者だった橋本岳厚労副大臣(当時)が、自見氏の議員宿舎に長時間滞在する様子など2人の不適切な関係が報じられました。 両者は、加藤勝信厚労相(当時)から注意を受けています」(以上、文春オンライン)
中川俊男医師は、昨年、長らく日本医師会長を務められた横倉義武前会長と2021年末の日本医師会会長選挙において、一騎打ちを制し、厳しいコロナ対応を訴えて日本医師会長に就任した人です。自見英子参議院議員は、医師出身で日本医師会の強い後ろ盾をもって国会議員となり、2020年のダイアモンドプリンセス号の新型コロナ感染対応で、名を売った、いわゆるコロナで時の人となった人物です。
新型コロナウイルス対応で今の地位を築いた大物医師二人が、あまりに幼稚なコロナ対応で、その真価を問われることになってしまいました。世間の日本医師会に対する感情が変わってきたのは明らかです。中川会長の記者会見での発言はyoutubeで見ることができます。5/12の新型コロナウイルスに関するコメント(謝罪会見ではありません)に対して、5/17時点で150件ほどのコメントがあります。全て見てみました。そのうち、120件程度(約80%)が、「自分でパーティ主催していて、偉そうなこと言うな」「私見を日本の医者全員の意見だみたいに発言するのをやめろ」といった中川会長に対する不信のコメントでした。これは、前任の日本医師会長に対しては決して見られなかった反応です。今や、中川会長の「新型コロナウイルスに対する発言」に対して、多くの一般の人々は、空々しく、口先だけの空虚なものに感じてしまっていると思います。こうなっては、日本医師会の発言力は著しく低下した・・、と考える方が妥当だと思います。
「行政がコロナワクチン接種に関して日本医師会ではなく民間会社に医師派遣を要請したこと」と、この「馬鹿みたいなニュース」が同時に発生したことには何の因果関係もありません。しかし、なにか、大きな既存勢力がその力を失って行くときとは、こういう偶然が重なって・・・、ということがありえるのではないのでしょうか。
いや、偶然ではないのかもしれません。こんな幼稚な失態を冒してしまう人たちが牽引している組織だからこそ、我々地域医療最前線の医師の気持ちが離れていくのではないか・・・と、今、ふと思いました。
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