見出し画像

牡牛座18度「彼女の部屋の開いた窓から古いバッグを風に当てる女性」 #サビアンシンボルのタロットワーク

女性は窓を開き、空にしたバッグを風に当てています。自分の抱えていた荷物を一度空にし、その容器を太陽の光と風によって浄化しています。バッグは知覚イメージの容器であり、心です。ここでは自我とその所有物への執着を捨てることが示されています。

17度での剣と松明の戦いは、実用性と精神性の戦いでしたが、結局のところどちらか一方が勝ってもう一方が負けるという勝負ではありませんでした。17度では永遠の戦いが続けられましたが、18度で真の敵は「自我とその所有物への執着」だと示されます。その欲求があるから戦いが起きていたのだから、不必要なものやこだわりを捨てればよい、と女性は理解したのかもしれません。

13度のポーターが積み上げた荷物を下ろしているシンボルでもあります。社会の中で見つけた欲望を叶えるため無理や無茶をして荷物を抱え込みましたが、ここではそれを逆に吐き出します。もう社会的な欲望には振り回されなくなったため、個人の個性がより際立っていきます。

「空っぽ」と「女性」のシンボルからは、牡牛座5度「開いた墓の前の未亡人」も思い出されます。あのときは失ったものへの愛着を振り切って立ち去ることが求められ、その後のプロセスでは穴を埋める努力が繰り返されました。しかしここでは自ら執着していたものを空にできます。

「開いた窓」は牡羊座24度コーヌコピアの形になるカーテンでも登場しました。外の風(スピリチュアルなエネルギー)を家の内側(個人の意識)へ取り込むオープンマインドを示す窓です。しかし今回の女性は、自ら家の内側から外へ手を伸ばし、自分の心であるバッグを風に開いています。家の内側よりバッグの中身の方がより深い意識や心の部分と言え、よりディープで積極的な自己開示を自らの手で行っているようです。

こうやって他の度数とも比べていくと「喪失への強さ、自己開示への強さ」が際立っています。

スプレッド

今回は数バージョンのスプレッドを作ったのですが、オールリバースが繰り返され結果こうなりました(オールリバースのときはスプレッド自体を見直すルール)。

画像1

1.バッグ
2.中身

バッグは浄化すべき心です。知覚イメージの器でもあります。中身を取り出して開示し、外の風に晒すことで浄化が起きます。

その中身はエゴや所有物への執着です。心を浄化するために、一度外に取り出さなければならないものを示します。

リーディング結果

画像2

1.バッグ:ソード7逆
2.中身:ワンドエース

バッグの逆位置については、「バッグをひっくり返して中身を出した」のだとすれば、元々正位置だったバッグをひっくり返して逆位置にしている、と考えることもできます。中身を出す前はソード7正位置、知的向上のために他者よりも自分の知性を高めようとする姿勢があった。それをひっくり返して空っぽにすることで逆位置化している。こうした姿勢が浄化すべき心だった。

ワンドエースはまさにエゴそのものといえます。自分の存在が他とは違う独自のものである、という証明のために「自分という存在がここにいる」エネルギーを発揮しています。これはソード7と組み合わせると「自分の存在を証明するために知的な向上を目指し、他者と差をつけようとする」と読めます。知的向上のバッグの中にエゴが入っている。これが真の敵であり、手放すべき執着だと言うことでしょう。

みなさんのカード

本日もみなさまトライありがとうございます! 今日は初挑戦の方も何人かいらっしゃいましたね〜

16度

17度

↑4は固く、6は揺らめくように見えたので・・・

サビアンシンボルからタロットのスプレッドやワークを作っています。「そのサビアンシンボルの意味を探る」のではなく、「その度数におけるその人の発達の状態」を読み解く取り組みです。しかし個人の発達状態を通じてサビアンシンボルの元型を透かし見ることもできるかもしれません。
参考にしているのはサビアン研究会での学びと、ルディア「An Astrological Mandala」「The Astrology of Personality」、ジョーンズ「The Sabian Symbol In Astrology」。自分なりの解釈もしています。
このワークについての詳しくはこちら