イラストで見る! ジャンプカードを扱う6つの態度
ジャンプカード(ジャンピングカード)とは、タロットをシャッフル中、もしくはドロー中に、意図せずピョンと飛び出てきたカードのこと。ジャンプカードを読むか読まないか、どう読むかは特に決められたルールはなく、人により様々に取り扱われている。
タロット占いはそもそも偶然性を扱うため、偶然飛び出して来るカードを重視しようと感じるのは当然。存在自体がイレギュラーだから扱い方も自由がいい。しかし無闇にカードが増えてもリーディングは散漫になる。
ここではそのジャンプカードが意味のあるものか、無意味なものかを見極め、どんな扱い方があるかの可能性をまとめてみる。これを参考に「私はジャンプカードをこう扱う!」とルールを決めて常にそれを守ってもいいし、それを逸脱するときがあってもいい。
★ジャンプカードに対して取れる6つの態度
1.無視
単に手先の不器用さが原因と思われる場合は無視してデッキの中に戻す。
直感的に「このカードには意味がある」「なにかを伝えようとしている」と気になるなら無視をせず読んでもいい。直感も重要な要素。しかし「いつもこの手順のときカードがこぼれるのよねー」というなら特に重視しなくてもいい。カードが自分の意思を持つかのように動いたり、驚くような登場をしたのでなければ、そのままデッキに戻して忘れる。
「ジャンプカード(飛び跳ねるカード)」であり「フォールカード(落下するカード)」ではないことにも注目。
2.また出たら読む
ジャンプカードは記憶に留めておくが、デッキに戻してシャッフルを続ける。スプレッド展開後に再び同じものが現れたらそのカードとポジションを重視。重要なメッセージを先行して知らせるためジャンプで登場していた、という考え方。
飛び出したカードに意味があるのかないのか判断できないなら、これを採用するといい。必要ならばもう一度カードは出てきてくれる。
3.あとで読む
ジャンプカードはひとまず脇に置き、残りのカードでシャッフルとスプレッド展開を続ける。スプレッド全体を読んでから、またはスプレッドを読む前にジャンプカードを検証する。全体の核心、まとめ、あるいは補足として。本で言えば「まえがき」「あとがき」「注釈」のイメージ。
スプレッドから充分な情報が得られたなら、ジャンプカードは忘れて読まなくてもいい。
4.すぐ読む
ジャンプカードが出たらそこで手を止め、すぐにそれを読む。そのタイミングで出たことを尊重し、スプレッドを展開する前に知っておくべきメッセージを表すと考える。ジャンプカードを読んで十分な情報が得られたなら、当初予定していたスプレッドは展開しなくてもいい。あるいはやはりスプレッドは展開し、それを読んでから再びジャンプカードを見直してもいい。
5.質問の訂正
問いそのものを再検討するべき、というメッセージとして。「あなたが本当に聞きたかった質問はこれなのでは?」という提示。質問者は自分がなにを聞きたいのかわかっていないこともある、それをサポートするためのカード。
6.中止
普段に比べて複数のカードが何度もボロボロ落ちるなら、集中力が不足しているのかもしれない。自分の心身に意識を合わせ、コンディションを確認する。今はリーディングをするべきときではなく、時間を置いてやり直すべきかもしれない。オールリバースと同じ扱い方。
★ジャンプカードを読む場合のヒント
表か裏か
表向きに落ちたか、裏向きなのかは、この問題に対するジャンプカードの緊急性や距離感を示すかもしれない。表ならすぐ必要な情報、近くで起きていること。裏ならあとで必要になってくる情報、遠くにあるもの。コートカードならカードが示す人物との距離感かもしれない。
もしくはカードの扱い方を決める採用基準にしてもいい。表なら読む、裏ならデッキに戻す。あるいは表ならすぐ読み、裏ならあとで読む、など。
登場の仕方
登場の仕方はそのジャンプカードの重要性を表すかもしれない。「あっ!」という鮮やかな登場はカードの主張の強さを意味する。
両手でカードをカットしているときにポーンと飛び出た? テーブルの上でかき混ぜていたら突然飛び跳ね表になった? 扇状に広げたカードから引こうとしたら、別のカードが跳ね上がり目の前に飛んできた? それとも気づかないうちに、いつのまにかテーブルの上に落ちていた?
どこに落ちたか
机の上に落ちたのか、床に落ちたのか。目立つ位置なら表立った情報。我々の視野の外に落ちたなら、隠されていたり、意識の外にある裏のメッセージを示唆。
テーブルを囲む特定の誰かの近く、あるいはひざの上なら、その人にとって重要なメッセージかどうか検討。どうしてその人のところへ飛んでいったのか考える。
展開したスプレッドのカードの上に落ちたなら、下になったカードと特に関わりがある。ケルティッククロス・スプレッドでクロス上に重ねられる一枚目と二枚目のカードのように、葛藤関係あるいは協力関係を考える。
スプレッドやテーブルの中心から離れた場所に落ちたなら、遠くにあるものや人、出来事を思い出させようとしているかもしれない。
カードはなにか
大アルカナか小アルカナかでもメッセージの重要性は変わる。大アルカナはより根源的なエネルギーを持つ。スプレッド中に他の大アルカナがなかったら特に重視できる。
小アルカナはある特定の分野についてのメッセージ。エースなのか2〜10なのかでも声の強さが変わる。
コートカードなら、意識の外にいる人物の関与や、本人の隠された態度。
スプレッドのカードとの関係
余裕があれば、スプレッドのカード一枚一枚とジャンプカードを並べ、それぞれのペアがどんな声を発しているのか聞いてもいい。その二枚は反発し合うのか協力しあうのか、2枚の違いや共通点はなにか。スプレッド全体にジャンプカードのエネルギーが染み渡って理解が深まり、スプレッド全体を統合してくれるかもしれない。
★個人的な選択
TAZNがジャンプカードをどう扱っているか参考までに。
不用意にカードが増えるとリーディングが散漫になるため、ジャンプカードはなるべく採用したくない。あくまでスプレッド上に必要な情報は集結しているからそれを読み解く努力をし、情報不足のときだけカードを追加が基本姿勢。それでも驚くべきアクションで飛び出すカードには「そこまでして言いたいことがあるの!?」と敬意を感じる。
シャッフル中の落下は基本的に全てデッキに戻す。シャッフルでカードが落ちない方が珍しい。よっぽどポーンと弾け飛ばなければ無視。
カードを引くときに「えっ?」と声を上げるような鮮やかさで登場したものは、一度横に置いて取っておいてあとで読む。その場の全員がびっくりする出来事にはやはり意味がある。でもスプレッドに集中している間に忘れて結局読まないことも。
ジャンプカードではないが、一枚引いたつもりが二枚重なっていた場合は二枚とも読む。
これら原則によらず、不思議な現象が起きたらその都度「そうするのが自然」と感じる方法で対応する。
★What falls to the floor comes to the door(床に落ちたものはドアからやってくる)
Anna Burroughs Cook著「Tarot Dynamics Unleashed」には、FALLEN CARDSという呼称でジャンプカードの詳しい記載があるようだ。古い言葉“What falls to the floor comes to the door”(床に落ちたものはドアからやってくる)によって落下したカードを説明している。
表向きに落ちたカードは未来に起こること、裏向きに落ちたものには必要な情報全ての鍵を示す。また落下したカードの枚数による違いや、大アルカナ/エース/コート/2〜10は何を示すのか、など。著者のブログにこの部分の抜粋がある。
2023-11-12追記
この記事を書いて数年後に出会った別の扱い方を追加しておきます。
7.ジャンプカードこそを読むべきカードとする
カードをシャッフルし、飛び出たカードだけでリーディングをする。ジャンプカードこそがメインで読むべきカードとし、その後はスプレッドも展開しないというスタイル。複数枚落ちたらその複数枚で読む。