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テレワークゆり物語 (8)マイクロソフトFE本部
『FE』は何の略?
大学3年の頃にパーソナルコンピュータと出会い、押しかけアルバイトで働き始めた会社の名前は、株式会社アスキー。「この出版社でアルバイトをすれば発売前のゲームができる!」という不純な動機だったからか、編集部ではなく、「マイクロソフトFE本部」という部署に配属された。
目的の「発売前のゲーム」は実現しなかったが、「発売前のゲーム雑誌」はゲットできた。アスキーが出版している雑誌は、本屋で店頭に並ぶ前日に、アルバイトも含む全社員に配布されたのだ。それが何よりうれしくて、帰りの電車内で立ち読みして、優越感を味わっていた。(気づく人はいなかったと思うが)
マイクロソフトFE本部は、全部で6.7人の小さな部署だった。アルバイトをスタートした頃の私の仕事は、新聞や雑誌記事の切り抜き、5インチフロッピーディスクのフォーマット、資料のコピー。その部署がどんな仕事をしているかなんて、ほとんど関係ない仕事だった。
ただ、切り抜きを指示される新聞記事には「マイクロソフト」という文字が多いので、このアメリカの会社と関連していることは薄々わかっていた。
配属されて数日後、女性社員Aさんに聞いてみた。
「マイクロソフトFE本部」のエフ・イーって、どういう意味なんですか?
Aさんは、やさしく教えてくれた。
「Far East (ファー・イースト)」の略よ。
Far East! つまり、極東!たしかに、アメリカから見たら日本は「極東」やもんな。極東本部って、なんか戦争の最前線基地みたいや。
その印象は正しかった。アメリカの microsoft という企業が、日本に進出するために、アスキー株式会社の中に「最初の拠点」を置いた。それが、「マイクロソフト FE本部」だったのだ。
今の日本マイクロソフト株式会社が生まれる前のことである。