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テレワークゆり物語 (117) テレワーク&喫茶『パステル』は、ひと味ちがう

母の30年前の挑戦を大切にしようと決めて数か月、大阪に近い生駒駅から徒歩40秒の、テレワーク&喫茶『パステル』がリニューアルオープンした。

一番こだわったのは「リニューアルにお金をかけない」こと。正直、不要な棚などを取り外したり、大量の洋服を格安処分したりと、大掃除は超大変だった。しかし、コストは抑えることができた。座りやすい椅子などは新調したものの、ネット環境の整備も含めて、リニューアル費は総額で20数万円だった。

掃除は大変だったけど、食器から丸テーブルまで、できる限り活用

そして、テレワーク&喫茶『パステル』の運営で目指したのは、以下の3つ。

  1. 母が続けた喫茶店の魅力を大切にする

  2. 気軽に立ち寄れるお店にする

  3. テレワークでも仕事がはかどる「場」にする

その結果、いわゆるコワーキングスペースやサテライトオフィス、シェアオフィスといわれる、テレワークのためのスペースとは、ひと味違う場所となった。

1.母が続けた喫茶店の魅力を大切にする

母が「パステル」を経営している間、幼い娘たちをパステルにいる母に預けはするものの、ゆっくり時間を過ごすことは、ほとんどなかった。だから私はパステルの珈琲の味は、知らなかった。しかし、大人になった娘たちが、
「パステルの珈琲って美味しいよね」
と口をそろえて言う。
こだわりの豆を挽いて、サイフォン式で丁寧に作った珈琲出してきたという。だったら、これからも最大の魅力を「珈琲の美味しさ」にしよう。

とはいえ、テレワークのためのスペースは、ほとんどが「フリードリンク」。手間のかかる珈琲が「飲み放題」だと、すぐ赤字になってしまう。

そこで、1日3回、サイフォン式コーヒーを時間を決めて提供することにした。こんなワークスペース、ないよね。いいの、いいの。私が決めるんだから、それでいいの。

一番の売りはサイフォン式コーヒーという変なワークスペース  

2.気軽に立ち寄れるお店にする

テレワークのためのスペースは、通常は「会員登録」が必要だ。ドロップインで一時的に利用する場合でも、名前やメールアドレスが必要なところがほとんど。

しかし、気軽に立ち寄れることが、喫茶店の魅力。
『パステル』には、「会員」という概念を、あえて入れないことにした。
ふらっときて、ふらっと立ち寄れる気軽な「テレワークスペース」にしてこそ「テレワーク&喫茶」である。

3.テレワークでも仕事がはかどる「場」にする

音楽が流れ、ゆったりと雰囲気の中で、くつろげる喫茶店。でも、仕事がはかどるスペース。一見相反しそうな、両方を実現したい。

パステルに入店すると、まず聞かれるのは、
「何時までご利用されますか?」
前払いをしてもらうためではない。予定時間がきたら、スタッフがお声がけをするためだ。

私は「適切なテレワーク」において、「時間」がとても重要だと考えている。仕事の効率を高めるポイントは、「〇時までに仕上げる」などの時間目標をもつこと。テレワークに限ったことではないが、テレワークはオフィスで仕事をするより時間が甘くなりがちなのは事実である。

多くのワークスペース、レンタルオフィスも、コワーキングスペースも、サテライトオフィスも、月額料金を設定している。しかし、使い放題のシステムは、働く人の時間への意識が低くなるのは否めない。

「今日はパステルで、2時間集中して仕事をしよう」
「パステルで美味しい珈琲をのみながら、がんばろう」
「パステルは長くいると高くなるので、短い時間で仕事で片付けよう」

パステルの料金が「時間単位」のみなのは、利用者の方に、そんな働き方をしてほしいから。

基本の利用料金は時間単位のみ。でも、キャンペーン企画は豊富。

かくして、世間のテレワークスペースとはちょっと違う、テレワーク&喫茶『パステル』ができあがった。

オープンして2ヵ月。お客様も少しずつ増えてきた。すでにリピーターさんもいる。ありがたいことだ。

そんな「テレワーク&喫茶 パステル」は、月から金の平日営業のみ。
日曜日は、当初の予定どおり、喫茶 『パステル』として、母の応接間に戻っている。

日曜日は、母が昔からの常連さんとおしゃべりする喫茶店に戻る

ということで、テレワーク&喫茶『パステル』は、テレワークスペースとしても、コーヒーの美味しさも、ひと味違います。

※冒頭の写真は、長女夫妻がこの夏パステルで撮影してくれた自慢のコーヒーたち。


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