テレワークゆり物語 (6)テレワーク・デイズのお手伝い
目標1000社?! 正直、難しいのではないでしょうか。
2017年、総務省のテレワーク推進部署の課長と室長から、3年後の東京オリンピック・パラリンピックに向け「テレワーク・デイ」を設定、その日にテレワークを実施&支援する企業・団体の目標数を聞き、生意気にも、否定的な言葉を口にしてしまった。
前年から始まった「働き方改革」の項目の1つに「テレワーク」が入り、まさにこれからという時期。とはいえ、その頃は、「実施」どころか、言葉も知らない企業経営者も少なくなかった。
霞が関の人たちは現場をご存じないから、キリのいい数字として1000を設定したのだろう。達成できなかったら、「テレワーク」自体のイメージ低下につながらないだろうか…。しかし、その考えは間違っており、心配も杞憂だった。
総務省の偉い方たちが、企業や団体に「まずは、1日だけでもやってみてください」と、自ら足を運んで「テレワーク・デイ」への登録をお願いし続けた。告知のための広報にも力を入れた。経産省など他省庁も共に動いた。少しずつ登録数が増えていく。気が付いたら、私も、必死に「テレワーク・デイ」に向けて動いていた。
結果、「テレワーク・デイ2017」の登録数は、922件。目標には達しなかったものの、その後テレワークを広げる大きな一歩となった。
そして翌年、「テレワーク・デイズ2018」では、登録目標2000社に対し1682社、3年めの「テレワーク・デイズ2019」は、登録目標3000社に対し2887社。目標こそ達しなかったものの、確実に、企業の意識も行動も変化していった。「テレワーク・デイズ」は、国の底力、そして官僚の皆さんの熱い思いを実感した施策であった。
しかし、待ちに待った2020年、コロナ禍で東京オリンピック・パラリンピック自体が延期される。一方、テレワークは、全国民・全企業が知ることとなり、感染防止対策として多くの人や企業が実施せざるを得なくなった。
4年間も取り組んだ「テレワーク・デイズ」に意味があったのか?!
その質問には、私が、自信を持ってこう答えたい。
「テレワーク・デイズ」が無かったら、もっともっと多くの企業が、「突然のテレワーク実施」に困惑し、混乱していただろう。
2021年、コロナ禍の中、東京オリンピック・パラリンピックが開催される。そして、「テレワーク・デイズ2021」は、今日(2021年7月19日)からスタートだ。
※冒頭の写真は、2017年高市早苗総務大臣、2018年野田聖子総務大臣、2019年石田真敏総務大臣が、7月24日にテレワークを実施された場に、案内役として隣に座らせていただいた私の光栄かつ大切な記録である。