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テレワークゆり物語 (118)サロマ湖の夕日ものがたり
「なんて美しくて、すごい夕日なんだろう。必ずまた、ここに来たい」
1986年、社会人2年目の夏。私は、北海道にひとり旅に出た。お盆休み前の仕事を終え、会社の駐車場から愛車の真っ赤なカローラIIを走らせ、舞鶴港へ。フェリーで丸一日を過ごした翌々日の朝5時に小樽港着。北海道に初上陸した私は、旭川で蜂屋のラーメンを食べ、ひたすら車を運転し、夕方やっとたどりついたのが、サロマ湖の栄浦だった。そこで見た眩しいばかりの夕日は、26年経った今でもハッキリと覚えている。(残念ながら写真は残っていない)
奈良で生まれ育ち、奈良で働いている私にとって、そこは日本の北の果て。いつか、もう一度、ここに来て、この夕日を見に来ようと心に誓った。
そして11年が過ぎた1997年。結婚して子ども3人の子育てとフリーライターとして仕事に明け暮れていた私は、夫の転勤でたまたま北見市にやってきた。
あの夢にまでみた「夕日」の栄浦がある常呂町は、北見の隣町。車で1時間もせずに行ける場所になった。(しかも平成の大合併で、栄浦は北見市内に)
以来25年、何度、家族やお客さまと、サロマ湖に訪れただろうか。春夏秋冬、毎年来ていたのは間違いないので、100回は超えているだろう。
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サロマ湖には、家族5人で暮らした北海道での思い出が詰まっている。
そんな近くて大好きなサロマ湖とはいえ、あの日の「眩しいばかりの夕日」が見れたのは、ほんの数回。湖側に太陽が沈む夏、雲ひとつ無い空、澄んだ空気。いろいろな条件の中で、あの夕日との出会いがあった。
そして、2022年夏。高齢の親の介護のために、奈良で「本州の猛暑」を過ごす中、お盆に向けて数日だけ北見に戻ってきた。いつもなら日帰りだが、奈良に戻らなくてはいけないので、今回は特別に『サロマ湖鶴雅リゾート』に夫と宿泊。そして今まで見た事のない、3つの「サロマ湖の夕日」に出会う。
日没の時間は18:20。18時頃から夕日が眩しいほどに湖面に反射する。ああ、あの時と同じだ。しかし10分もしないうちに、夕日は雲に隠れてしまった。
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「今日の夕日は、これで終わりかな」残念に思いながら夕食を食べていると、湖面ぎりぎりのところで雲がきれ、夕日が再度顔を出し、世の中が突然赤く染まる。神様、ありがとう。そう思ってシャッターを切る。
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しかし、クライマックスは、ここからだった。
夕日が沈んだ後、空の雲が赤く染まった。思わず「神々しい」という言葉が浮かんだ。
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iPhoneのタイムラプス動画。20分間の劇的変化を、14秒でどうぞ。
ここに来れば必ず見れるものではない。でも、ここに来ないと見れない。
少しでも、多くの人に、この空間のすばらしさを伝えたいと思い、noteに書き留めることにした。
ちなみに、私でさえも、まだ見れていない「サロマ湖」がある。
冬1月、サロマ湖が半分ほど凍ったタイミングで、オホーツク海からアザラシがたくさんやってきて、湖面でひなたぼっこをするらしい。
海とつながっているサロマ湖でしか見れない風景。
きっといつか、神様が会わせてくれるに違いない。
2022年8月12日 09:50 サロマ湖鶴リゾートにて
#冒頭の写真は、これまで撮影したサロマ湖の夕日をピックアップ。春夏秋冬それぞれの表情がある。