テレワークゆり物語 (160)国の「国土形成計画」とテレワークの話
令和5年7月28日、国の国土形成計画(全国計画)が閣議決定された。
思えば、国土交通省の「国土審議会委員」の就任のメールをいただいたのは、2020年11月27日のことだった。
国土交通省は、総務省・厚生労働省・経済産業省と共にテレワークを管轄しているが、メインは「テレワーク人口実態調査」であり、私が関わらせていただくことはほとんどなかった。
「国土審議会」というのは、国土交通省の数ある審議会・委員会等の中でも、非常に重要な位置づけである。
また、今後、審議会で検討することになる「次期国土形成計画」は、まさに日本の未来に向けての重要な計画である。
そんな重要なこと、私ができるのだろうか。
(と思ったのは、一瞬で)
このような機会が与えられたことに感謝して、自分なりの最善を尽くそう。
かくして、2021年2月27日付で、国土審議委員を拝命した。
東京海上ホールディングス株式会社取締役会長の永野 毅会長のもと、すごい方ばかり。国土審議会委員の名簿の中に自分の名前があること自体、不思議な感じがした。
そして2021年9月から計画部会にも参加。「国土形成計画」の策定に関わらせていただくことになった。
そして、数えること、19回の計画部会の会議が開催された。
委員の方々の意見を伺い、議論を積み重ね、ようやく今日の「閣議決定」の日を迎えた。感無量である。
概要資料には、「テレワークの進展による転職なき移住等の場所に縛られない暮らし方・働き方」という言葉があるが、閣議決定された本文「国土形成計画(全国計画)(令和5年7月28日閣議決定)」には、「テレワーク」という言葉が、なんと、42か所記載されている。
日本の国土づくりにおいて、これから「テレワーク」という働き方が大きな影響をもたらすことが、実感できる。
これまた、感無量である。
なお、19回に及ぶ計画部会。コロナ禍であったこともあり、ほとんどがオンラインで開催された。それもあって、私はほぼ皆勤(欠席は1回のみ)。
毎回、早めにと、ZOOMで挙手して、「テレワーク」や「働き方」の視点から意見を述べさせていただいた。
また、計画部会最後の日(5月26日)は霞が関にうかがい、皆様とリアルにご挨拶。テレワークは「会わなくていい働き方」ではなく、「会うことを大切にする働き方」である。という自分の信条を実感した。
そして、第26回国土審議会(2023年7月4日)を経て、今日の閣議決定に至る。
国の方針や計画が、いかに多くの人が関わり、さまざまな視点からの意見と、国への思いと、未来への決意と、希望が込められ策定されていることを実感した2年である。
そんな事実を、少しでも多くの国民に知っていただきたくて、今日、noteに記載させていただいた。
2023年7月28日 国土審議委員 田澤由利