【一眼レフ】寒い場所ではじめてのオーロラ撮影が失敗しないように何をしたか 【準備篇】

私は前日カナダ ホワイトホースにてオーロラ撮影を行ってきたのでございます。
はじめてのごとでございました。
結果として下のような写真を撮ることができました。

画像1

画像2

画像3

何も考えずにフラッと行ったら撮れたということではございませんでした。オーロラ撮影を行うにあたって事前準備は必要でございます。そこで今後オーロラ撮影に挑む方々のために、または何を準備したか忘れてしまうであろう将来の自分のためにこの度は筆を取ろうとした次第でございます。

なお、撮影時の私の機材は以下のものとなります。

ボディ:Nikon D850
レンズ:タムロン SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD G2
三脚:SLIK エアリーカーボン 645 LED

-------

某日。私は自宅のコタツにて温々としつつオーロラ撮影にどう接すれば良いか思いふけっておりました。
パソコンで『オーロラ撮影』で検索すると色々な情報がワラワラと表示されます。うーん。私はパソコンを見ながら考えます。どの情報を参考にすればよいのだろうかと。

検索した情報の通りに従っていくのでは後で困りそうだと思案しておりました。オーロラ撮影という単語で検索してインターネットの海の中を泳げば情報を得られるのでありますが著者方々の環境は様々でございます。撮影現場、機材、経験などなど前提条件に違いがあるのでございます。
先人のオーロラ撮影方法の何が自身に合致し、適しており、使えるか、を取捨選択できる必要がありましょう。でなければ不要な準備もしかねません。もしくは準備を怠ることにもなりましょう。

例えば私が9月頃にホワイトホースへ行くのであれば寒冷地対策について調べたり考えたりすることもなくなるでありましょう。また、一眼レフの撮影設定を参考にする場合もできれば同じ機種のD850でのカメラ設定のものがあればそれを参考にするでしょう。
ですのでまずは私自身の前提条件となりうる撮影環境に関係する事柄を調べることと致しました。

つまりどういうこと?っていうことでございますと、
参考にするオーロラ撮影方法を選べるようになるために、まずは現地を知るべきとお茶を飲みながら考えたのでありました。
で、まずは以下のことを調査しようと思い至ったのでございます。

現地の環境
 ・気温
 ・治安
 ・ 食生活
 ・撮影現場
現地のライフライン
 ・ コンセント

これらの調査事項をまとめていくと必然的にオーロラ撮影に向けて何を参考にし準備していくべきか答えがでてくるでございましょう。という判断でございます。
では、ここからは上記の項目に対して私が調べいった内容を書き連ねて行きたいと存じます。

-------

現地の環境

気温

私がホワイトホース滞在予定日は2月でございました。12月に入りし日本にて私はふと思っていたのでございます。冬のカナダ。冬のホワイトホース。寒いのではないかと。
しかし、寒いといえどどの程度の寒さであるのか。北海道よりは流石に寒いでございましょう。そのためにはどこまで防寒具が必要なのだろうか。オーロラを撮影したいのにも関わらす身体が凍えて写真を撮るどころではないなんてまっぴらごめんでございます。

まずは旅の基本情報 | ユーコン準州観光局公式サイトで確認したところ、2月の平均最高気温は-9度、平均最低気温は-19度でございました。しかしこれはあくまで平均気温でございます。最低気温は知っておきたいところでございます。
今回はツアーを利用していましたので予めオーロラ鑑賞時間がわかっておりました。22:30〜26:00でございます。
撮影時間は真夜中でございます。ということでその日の最低気温が目処となるでしょう。
直近の最低気温を調べると-20℃〜-30℃ほどでございました。
うん、低すぎてよくわからないでございます。

治安

オーロラ撮影ということで一番良いカメラと機材を持っていきます。ですので治安は確認しておきたいところでございます。
全ての機材を失えば旅行代金を超える損失となりかねません。
ということでホワイトホースの治安を調べましたが、これといった情報はありませんでした。
特にピントくる情報はなかったでございます。
対策は海外に行く場合のありきたりな置き引きやファスナーを勝手に開けられないようにといった程度のことしか思いつかなかったでございます。

食生活

変な食べ物を食べてお腹下して撮影に支障をきたしてしまっては目も当てられないのでございます。
なので一般的な?海外旅行ぐらいの認識にしておきましのでございました。
ちなみにバイソンハンバーガーなるものが評判良いみたいでございました。実際に食べたのでございますが非常に美味しかったことをご報告いたしておきます。

撮影現場

どのような場所で撮影するかによって考えうる構図も決まってくると思います。
事前にどのツアー会社かわかっていればInstagramなどで写真を拝見し少しはイメージできるかと思う次第でございました。
しかし、今回はツアー旅行でございました。さらにそこから現地ツアー会社に委託されておりました。
そのため残念ながら事前にどのような場所、どのような構図で写真が撮れるのかは不明でございました。

現地のライフライン

コンセント

カナダでは電圧は110V~120Vとなっており、日本(100V)より少々高いです。
今回は持参した機器はカメラのバッテリーチャージャー、スマホの充電器ぐらいでございました。
調べたところ対応しており問題ございませんでした。
基本的にはこれらの機器は世界対応しているようですが念の為といったところでございます。

さて、これらの現地の情報から考えうる課題が見えてきましたのでございました。
ここからは撮影する際に想定される課題へ対策を考えていきます。

-------

撮影準備

気温対策

現地撮影時で考えうる最低気温は-20℃〜-30℃と考えられることがわかりました。
気温が低い場合に考える事柄は、パッと思いつくものは撮影時に凍えないか、機材は耐えられるのか、防寒具を着た状態で撮影はスムーズに行えるかどうかといったところでございますでしょうか。それぞれについてどう対応していったかを書いていきたいと思います。

撮影時に凍えないか

ツアー旅行ということでホワイトホース滞在中は防寒具一式(ダウンジャケット、ダウンパンツ、手袋、帽子、ブーツ)が貸与されることはわかっておりました。
現地で提供される防寒具ですので日本で揃えるよりは安心感がございます。
但し、靴下・インナーの類は貸与対象ではございませんでした。
ですので靴下は予めモンベルのメリノウール超極厚靴下を購入しておきましたのでございます。
また、靴用のホッカイロと貼るホッカイロ、さらにポケットに入れるためのホッカイロを用意したのでございます。
これぞホッカイロの三重奏。
それでも寒ければ現地の店舗で服を追加で買おうと思っておりました。現地であればその環境に適応できる衣類が販売されているはずでしょう。実際、カナダ着後現地でインナーを購入致し撮影時に着用致しました。結果として買ってよかったのでありました。

手袋に関しては指が独立していないものが提供されること、そうでなくてもカメラ操作に支障きたす可能性を考慮して自身でも用意しておきましたのでございます。
インナー手袋としてモンベルのトレールアクショングローブ、撮影用手袋としてKenko カメラマングローブ Grip Hot Shot IVを購入したのでございます。購入するにあたって実際に試着をして手の動作に問題がないことを確認したのでございます。親指と人先指の先端を露出できるのは良い仕組みでございました。HAKUBAのGW-PROも検討したのでございますが自分には少々指が動かしずらいと感じましたので見送りとあいなりました。

首周りについてはマフラーという選択肢は一番に排除致しました。想像したのです。マフラーをして三脚を立てる。マフラーをしてカメラを三脚に乗っける。マフラーをしてカメラを覗き込む。ほぼどの体勢でもマフラーが下に垂れてしまい作業の邪魔になってしまいます。また、動けば動くほどマフラーが緩んでしまうでしょう。もうダランダランでございます。四苦八苦して苦悶の表情をしている自分を思い浮かべることは容易でございました。グギギ。
そんな折、モンベルでの買い物をしているときにふと目に入ったのでございます。スーパーメリノウール バラクラバが。簡単に言うと目出し帽でございます。これならば首も耳も防寒されるのでもってこいでございました。状況によって首だけ防寒するといった使い方ができるのも良かったでございます。

機材は耐えられるのか

カメラとレンズ自体は調べた限り極寒でも耐えられそうではありました。
次にカメラを動かすのに必要なバッテリーについてでございます。寒冷地において撮影経験がおありの方々は承知していることでございますでしょうが、寒いとバッテリーの消費速度が上がります。ですので予備バッテリーは必ず持っていくようにいたしましょう。私の場合は元々予備バッテリーはありましたので追加購入をする必要がございませんでした。また、撮影時は予備バッテリーをホッカイロと一緒にポケットにでもいれておくのがよいでしょう。

撮影には有線レリーズを使用する想定でございましたがあまりにも寒すぎるとケーブルが故障するというような記事が見られました。なるほどと、故障するケースを想定しておくことに致しました。私の場合はセルフタイマーでの撮影も考慮しとくとよいと思い一通り操作の確認をしたのでございます。

寒冷地の気温に耐えるという観点の一方で屋内外での温度差対策も必要になるとわかりました。屋外で寒さに晒されたカメラを屋内の温かい場所に移動させると結露が発生するとのことでございます。対策法を読んでいてなるほどなるほどと頷いたものでございます。対応と致しましては、ジップロックに入れタオルで包みカメラバッグに入れ屋内のそんなに暖かくない場所に置いておくとよいとありました。

私の場合はジップロック ビッグバッグ5Pを購入致しました。ボディがD850ということと使用するレンズが広角ズームでございまして当該レンズを付けている時のサイズを考慮するとできるだけ大きいジップロックが必要だと思った次第であります。また、この状況下では大は小を兼ねていけると判断したのでございます。ジップロックにはサイズが色々ありましてどれにすればよいのかと夜な夜な悩んだものでございます。

防寒具を着た状態で撮影はスムーズに行えるかどうか

この懸念点を解消するには機材と防寒具が用意されていることが前提となりましょう。私の例でいいますと機材はレンズ、ボディ、三脚、防寒具については少なくともインナー手袋と撮影用手袋が手元にあるということでございます。

用意ができたら実際に撮影リハーサルを行うのでございました。家の外に出て実際に手袋を二重に着けた状態で撮影までの設定を行ったのでございます。
三脚を立てる。カメラをセットする。撮影の設定をする。撮影する。設定を調整する。再び撮影する。といった実際に起ころうであろう作業です。
そうすることで撮影する際の課題が各々でてきたのでございました。

私の場合は次のような課題が発見することができたのでございます。

1. アルカスイス互換の雲台だと三脚のセットがしにくい
2. D850の有線レリーズ端子の位置が使い勝手の悪い場所にあるので二重に手袋をしたままだとレリーズをつけるのは無理
3. 暗くてカメラの設定の変更がしにくい
4. フォーカスリングがずれる

そこでそれぞれの対応を考えたのでございました。

1. アルカスイス互換の雲台だと三脚のセットがしにくい

アルカスイス互換の雲台というのは、私が使用している三脚であるSLIK エアリーカーボン 645 LEDにはじめからついているSBH-180 DSのことでございます。見ての通りネジ式で固定するものとなっているのでございます。二重の手袋を着た状態でネジを回して固定するのは時間もかかり辛いものがありました。また、雲台自体が小さいので中々安定して三脚と合わせるのが難しく苦労したのでございます。

どう対応したかといいますと、SBH-180 DSを使うのを諦めました。SBH-200 DQ Nに雲台を変更したのでございます。これならばカメラを簡単にロックができます。接地面積も増え三脚と合わせやすくなります。不安材料はロックがゆるくてカメラが徐々に下を向いてしまうということでした。事前に試したところそのようなこともありませんでございました。購入して良かったのであります。

2. D850の有線レリーズ端子の位置が使い勝手の悪い場所にあるので二重に手袋をしたままだとレリーズをつけるのは無理

これに関してはオーロラ撮影前に先にレリーズを付けておくことで解決致しました。更に言うとオーロラ撮影へ向かう前にホテルででございます。手袋を撮影場所で外すして接続することは難しいという判断でございます。有線レリーズではなく無線レリーズも考えましたがペアリングがうまくいかないことも起こり得るので対象外と致しました。

3. 暗くてカメラの設定の変更がしにくい

こちらはヘッドライトを用意することとD850のボタンイルミネーション機能で対応いたしました。
ヘッドライトはセッティングを早めるのに必要でございます。スマートフォンのライトですと片手が塞がってしまいますし明るすぎて他の撮影者様の邪魔になりかねません。ライトはPETZL e+LITE イーライト E02 P4を採用致しました。赤色光を利用出来るのと使い勝手が良さそうなのが理由でございます。こちらももちろん旅行出発前にに実際に使用感を確かめました。部屋を暗くし1人赤色光を発してカメラを操作する姿は人には見せたくないものでございます。
D850のボタンイルミネーション機能についてはD850 - 製品特長 | 一眼レフカメラ | ニコンイメージングをご参考ください。ボタンが明るくなるということでございます。

4. フォーカスリングがずれる

ふとした瞬間にうっかりレンズのズームリング、フォーカスリングに触れてしまい画角、フォーカスが変わってしまいました。
これを避けるためマスキングテープでリングを固定することに致しました。持っていくレンズは広角ズームレンズでございましたので次の手順を計画しておいたのでございます。

まずはホテルでズームレンズを15mmにしてマスキングテープで固定致します。撮影現場で無限遠にできたらフォーカスリングもマスキングテープで固定いたします。
この計画は結果として正解でございました。オーロラ撮影のチャンスは3日あり、全て同じ場所でしたので1日目以降はレンズの設定は何も変更せずにすみました。マスキングテープで固めて置いたため持ち運びの際にリングが回ってしまうこともありませんでした。これは本当にやって良かった思うのでございます。

治安対策

今回私が旅のお供に使用したカメラバッグはEndurance HGでございました。

上記作成者様のリンクを読めばどのようなものかはわかると思います。

❝荷室のチャックが2カ所に集約されているため、小さな南京錠などを使う事で荷室へのアクセスを制限できます。海外旅行など治安が心配な所でも安心です。❞

このような細工もできる鞄でございましたので南京錠を購入し不要なとき以外は常時ロックをしておいたのでございます。
対策としてはこの程度でございました。

-------

以上にて準備は完了致しました。

次回はこの準備を行った結果、つまり現実について書きたいと思います。

現実篇に続きます。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?