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職場の空気の悪さの原因は

不思議な現象が起こり始める

まずは3年、3年はやらないとわからない!!!
そう思ってひたすら耐えていました。この状況は、私が悪いからなんだ…と自分を責め続けていました。だって、ほかの同僚には先輩たちは優しいのだから、先輩たちの人柄が全員鬼なわけじゃない。先輩たちだって、怒りたくて怒ってるわけでもない。私の要領が悪いからなんだと。今思えば、その世界しか知らないから、私は頑張れたんだと思います。中途だったらまず抜けていたでしょう。
1年を過ぎたころから、少しずつ同僚たちから一人抜け…2人抜け…転職したり辞職する子が出始めます。私からすると、「え!!何で!?うまく先輩たちともやれてたし、仕事できてたじゃん!!!」と、驚きを隠せませんでした。
私はというと、下手は下手なりに攻略法が分かってきました。
報連相はこうやったら先輩たちが不安にならないんだな!とか、こういう時はミスしやすいから、こうしておこう!とか、先輩たちから少しずつまともな対応をしてもらえるようになりました。(ほんと今思うと、本当に先輩たちには申し訳なかったと思ってます)
少しずつ余裕が出てくると、見えてなかったものも見えてくるわけで、先輩たちの落ち度や、他の人たちの心理状況も見えてきました。

そしてなんと、2年がたち、
私と、もう一人目を付けられていた子と、唯一の男子以外の9名は退職していったのです。

私にばかり目が向かなくなったことによって、各段に仕事がやりやすくなってきました。電子カルテ導入後もPC操作が得意な私は逆に入力がしやすくなり、早く作業ができるようになりました。それでもまだ、先輩たちは私に完全に心を開いてくれることはありませんでした。その理由もまた、私がまだまだ仕事で結果が出せていないからだと思っていました。

好かれたかった

私は、看護師なのだから、本来患者さんと全身全霊で向き合うべきでした。でも、明らかに最初の職場で、私は自分と先輩たちとしか向き合えていませんでした。私の意識は常に先輩たちにあり、先輩たちにいかに認めてもらうか?しか考えることができずにいました。今思うと、そのマインドがすべての原因だったんですけどね(笑)

だからこそ、一つ一つ、行動に仮説をたてて動いていました。こう動いたら、先輩はどんな反応をするんだろう?最善だと思えることをやって、反応を見てはまた考察に入ります。必死すぎますね(笑)
でも、この職場の人間関係の気まずさはどこからくるのかをどうしても知りたかった。本当に私が悪いのか?別の原因があるのか?
その答えが見えた時、場合によっては、この環境に居続けることが自分にとってプラスになるのかを判断したいと思っていました。

目を付ける相手は徐々に変わっていき…

ある日、衝撃的なシーンを目撃しました。これが私のトリガーになりました。
仕事もそれなりにできるし、仲間にも患者さんにも優しい、人のいい先輩がいました。キツイことを言う他の先輩がいても、笑顔で「ごめぇん」と受け流しながら、受け入れてあげている先輩です。
私が出勤して病棟のロッカールームに入ると、その人のいい先輩のロッカーに、ふせんが貼られていました。
それは目を見張る内容で、「あなたのこういうところが良くない」といったことを沢山書き綴ったものでした。
しかも、その先輩をいつもいじるように仲良くしていた先輩が、でした。

その日、人のいい先輩は、ちょっと落ち込んだ様子で仕事をしていました。そして別の日には、その人のいい先輩も、言い返すようにふせんに不満を書き連ねて、ロッカーに貼り返していたのです。

この時に私が感じたことは…
どんなことが背景にあってこうなったのかはわからないけど、2年働いてきて、私が見た初めての光景で、最近著しく出来の悪い後輩がいなくなったことによって、先輩同士でもお互いの嫌なところが目につきはじめ、ストレスのはけ口の向け合いが始まったように感じました。
ふせんに不満を書きたくなることもあるのかもしれませんが、それにしたってロッカーの扉に、皆から見えるように貼るというのは普通じゃありません。しかも、ふせんという小さなメモ紙に、たくさん書かれていたんです。よく考えて書いたもの、というより、腹が立っていてもいられず、職場にあるアイテムで書きなぐったのかと連想してしまいました。
この不満の宛先が、いつも職場に数少ない明るい雰囲気をもたらしてくれる人に向けられていたというのもまた、「言いやすい人を選んだ」というようにしか私には思えず、なんとも言えない気持ちになりました。

これは不毛な消耗だ

私の結論は、これでしかありませんでした。

信頼関係が作れる職場ってなんだろう?

その出来事を通して、チームで動くってこういうことじゃないんじゃないか?と強く感じるようになりました。
自分がある程度仕事に慣れてくると、先輩たちは正直に申し出ていないだけで、私と同じようなミスを平然とさりげなく隠していたのが分かるようになりました。助け合って、「ありがとう」と言い合っているかと思えば、影で文句を言っていたりする。私たち新人が12人もあてがわれた原因がいよいよわかるようになってきました。病棟に入る時に、上層部から私たち12人に「この病棟に新しい風を吹き込んでほしい」と言われた理由もなんとなくわかりました。いろんな人が辞めていった結果、猛者たちが残っていたんだろうと。そしてこの猛者たちは、根っからの悪い人ではないことも分かっている。一緒に夜勤をしている中で、心を開いてくれた瞬間もあったから。じゃあ何が原因なのか?

私の推測は、お互いを許し、認め合い、信頼し合ってフォローしながらチームで仕事をしていくイメージや、を誰も教えてあげられなかったことが原因だったんじゃないかと思いました。前の師長を知りませんが、イメージの統率は図れなかったようでした。空気を悪くする不平不満を声高に言う先輩たちは20代後半の独身女性が多く、「自分は仕事ができる」というオーラに包まれていました。そして「なんでできないわけ!?ふー…」というオーラも常に出ていました。一番の戦力の先輩たちが癒されていない、満たされていないというのも、大きく関係していたように思います。事実、悪態はめちゃくちゃついていましたが、それでも病棟を支えてくれていたのはその先輩たちがいたからというのは事実でした。先輩たちをとことん褒めてくれる人もまた、いなかったんです。

今の私がもし介入できるなら、もっと先輩たちの声を聞いてあげたいと思いました。できているところをもっともっと褒めて、認めてあげたいと思います。めちゃくちゃ忙しい仕事を頑張ってくれている全員をとにかく褒めてあげたかった。感謝してあげたかった。
患者さんでも、ドクターでもなく、同じ立場の看護師からね。

そして決断

更に突き詰めて考えると、仕組みにいろいろ難ありなのですが、病院自体が建設後の赤字をまだ負っていたので、仕方なかった状況と言えます。
私は、別の職場に行くことを決意しました。
この職場の先輩たちと信頼関係を今後築くのは不可能に近いと感じたからです。
改めて、少し成長させてもらった自分で、信頼関係を先輩たちと構築できるのか、試してみたくなりました。
原因は自分なのか?環境なのか?先輩たちなのか?見定めたい気持ちでいっぱいでした。

先輩たちも、その病院も悪かったわけじゃない。しかたなかった。

一つ目の急性期の職場は満2年で退職させて頂きました。
疲れ果てたし、プライベートなんてほぼなかった2年間でしたが、この期間が私の大きなバネになったのは間違いありません。
先輩たちは、陰険ではなく、どストレートに怒りを私にぶちまけてくれました。これって、時間に余裕がないあの病棟で、相当エネルギーを使わせたことと思います。私の為とか、職場のためとか、そういうのはあまり感じませんでしたが、正面から堂々とぶつかってきてくれたことには感謝しかありません。これだけ怒りという感情をぶつけられたのは、一生の中であの時だけです(笑)なかなか今時レアですから、貴重な経験でした。
改めて、本当にありがとうございました!(土下座)


つづく♡


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