読了メモ「レヴィ=ストロース入門 」10
1.基本構造1
前回の家族名だけで構成される神話の特徴を整理すると以下。
① 1家族の物語である
② 家族は家族名で登場する
③ 当該家族以外の人は「村人」として総称される
④ 当該家族の外の個別の要素は動物名で登場する
これを集合で比喩すると、
① 「1家族」が集合A
② 集合Aは順序的構造
③ 「村人」はAの補集合
④ Aの補集合の要素は動物名
となり、全体集合Uの中に集合Aが一つだけ存在するベン図となる。
レヴィ「親族の基本構造」における「基本構造」とは違うが、これはこれで一つの基本構造だと思う。歴史的起源が早いという意味で「基本」なのではなく、構造的にもっともシンプルな形という意味で「基本」。
2.基本構造2
これに対しレヴィの「基本構造」は、集合が少なくとも2つないと成立しない。集合間の「女の交換」、あるいはより一般的に集合から集合への「変換」という観点での「構造」抽出だから。逆に言えば、その観点では基本構造である。なんらかの射影が成立する代数的構造のイメージだ。
「女の交換」と書いたが別に「女」でなくても勿論良い。マナでも人でも貝でも石でも通貨でも。奴隷や戦争だってある意味「交換」だ。
3.基本構造3
順序的構造、代数的構造ときたら位相的構造も欲しくなる。数学的構造の3構造が揃うからw
基本構造1で「村人」の位置が微妙なので、これを「近傍空間」として「開集合」に例えると以下の位相的構造のイメージになる。というかした。
「近傍」は基準による。視界に入るかどうか等の物理的な距離、遺伝子的血縁的な距離、肌の色や身長などの身体的な類似性、同じ言葉を話すか、共通の話題があるか、気が合うか等のコミュニケーション性、思想や宗教、国籍等の共同幻想性。
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