胡蝶の夢を見る 第2話
「超越者の宴」
いつの間にか投げ出された場所、黒い空間。二つの月が光る夜の世界。
「ふむ、術式に巻き込まれたか再誕せし旅人よ」
目の前には黒いドレスを身にまといどこか冷淡な表情に美しさを秘めた長身の金色の瞳の女性。
「こんな美人さんに呼ばれるのはうれしいけれど、説明が欲しいかな」
「あら、私の威圧にも対応するのね」
女性はにこりと微笑む。
特殊クエスト
「月夜の超越種との邂逅」
「・・・またいきなりクエスト?何、俺の運ってどうなってるの?」
「ああ、旅人が聞けるという世界の声を聞いたかしら、あなたレベル1?そのわりには丈夫そうね」
「色々あってね」
ゼロは目の前の女性ににこやかに声をかける。
「さて、俺はゼロ、しがないこの世界に降り立っただけの旅人さ」
ゼロは折角なのでロールプレイをすることにした。
ある程度の素は出してもいいだろうが、折角別世界に来たという設定なのだ、楽しまなければ損だなあともあるのもあるが、それ以上に目の前の女性の存在感があまりにもリアルであり、現実で話してるかのような実感があるからだ。
この世界は造られたものだとしても、確実に現実とはまた違った世界として成り立っている。
そんな感覚を味わっている、なんせ絶世の美女が凶悪かつ美しい笑みで俺を見ているわけなので。
「ゼロ‥いい名前ね、私はブラッディムーン。人は鮮血の魔女と私は言うわ」
「吸血種の進化版て考えとけばいいかな?」
「あら、賢い人はすきよ」
ブラッディムーンはにこやかに微笑むと
「興味あったのよね、別世界から来る旅人、神々が送り出すこの世界アースとは違う場所から来る異界からの使者、それに貴方、秘匿されてるとはいえ最古の神に祝福された存在でしょ?」
「‥スキルだっけ?鑑定?」
「あら、意外と知ってるのね、そうね、鑑定というより魔眼かしら
」
「へえ」
なんとなく自身の職業を思い出しなんとなく自分の眼を意識すると
「錬成術発動、スキルを作ります、鑑定能力スキルを開発しますか?」
脳裏に浮かんだ言葉にYESと選択をすると
錬成術レベル1行使
鑑定スキル
暴く瞳を作りました。
以後スキルとして定着します。
暴く瞳レベル1
その瞳は乱雑に事実を見つけ出し真実を手に入れる。
「(また抽象的な効果だな、とりあえず発動するか)」
ゼロは考えると同時に瞳に意識をすると
ブラッティムーン
種族全ての闇喰らう吸血鬼
職業宵闇と陽光の姫
レベル?????
HP?????
MP?????
攻撃力?????
防御力?????
かしこさ?????
すばやさ?????
器用さ??????
運?????
E祈りの手袋
E闇夜のドレス
E闇夜のマフラー
E闇夜の靴
加護
闇と光と血の神の加護
固有蝶
闇夜の蝶レベル????
スキル
闇魔法レベルMAX
光魔法レベルMAX
全属性適正
全武具適正
全スキル適正
自動回復レベルMAX
魔法抵抗MAX
血魔術レベルMAX
固有スキル
血の晩餐
隷属させるのは我が血
月よ私に力を
「わーまたエンドコンテンツだなあ」
「ふふ、無作法な奴だな、女の秘密を暴くものではないぞ」
「あら、そっちが素?」
「世の男達はお嬢様によい夢を見ているからねえ」
「別にそちらのほうが好みだけどな」
ゼロはくすりと笑うと
「ふむ、番になるか?」
「いきなりなんでそんな話に?」
「いや生まれてこの方、恋愛したことはないから、どんなものか知りたくてな、そちらはよい容姿だし、恋人というのもいいだろう」
「俺の決定権は?」
「あると思うか?」
「それは困るな」
ゼロは剣を抜き放つとにこりと笑う
「悪いが、別世界では自由に生きれなかったんだ、この世界くらい自由に生きるさ」
「私の庇護があれば更なる高みにいけるとしてもか?」
「養殖はしないんでね」
「なるほど、興味がさらにわいた、再誕しまだ力も得ぬ身でどれほど抗えるか試そうか」
特殊戦闘
「月姫との死闘」開始します
脳内に響く世界の声と共にゼロは動き出す。
「(恐らく錬成師の強みはノーモーションでスキル生成できるのが強みだ、恐らく作る分と複雑な構成でないスキルならばMPを使わずに済む)」
そういう考えると同時にスキルを発動だせる。
錬成術レベル1発動。
防御上昇スキル
堅牢たる盾レベル1取得
攻撃上昇スキル
攻勢するは今レベル1取得
速度上昇スキル
この身光速にしてレベル1取得
致死防御スキル
命を壊さずともまたレベル1取得
「ほう、失われし技を扱うものか、魔力を使わないスキルを扱う者なぞ久しぶりに見たぞ」
「やはり珍しいらしいな」
ゼロは各種取得スキルを使う。
防御1000UP
攻撃1000UP
速度1000UP
致死不可2回付与
「なんだこの壊れ性能」
「基本的に神が薦める職業は唯一無二の職業と言われるばかりだからな、私の職業は生来の物であり、信仰する神に選ばれたものだからな、まあ相性のよいスキルばかりを覚えてはいたが、これからは他のも覚えたりもしよう」
ブラッディムーンはからから笑う。
「使徒でもなく自由を求める旅人か、なるほど、本来ならばその姿が自然でよいのだな」
ブラッディムーンはくすくすと笑う。
「また興味がわいた、蝶の使い方はわかるか?」
「蝶か」
「旅人もこちらの住人もその身に宿す奇跡の力だ」
ブラッディームーンは自らの美しい黒い蝶を呼び出す。
「私の蝶の能力は月の重力と夜限定で空間を自分のルールで縛るものだ」
「それって強くね?」
「まあ使い勝手はいいな」
ブラッディームーンはふむとうなづくと
「ゼロ、君にある蝶の力はどうやらすさまじい力を宿しているようだ」
「ああ」
「戦闘はやめよう、まずは呼び出そうか」
そういうと同時にゼロの意識が暗転する