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アサシンクリード ヴァルハラの流血表現の規制について解説&思うこと

今月の10日にUBIsoftより発売されたアサシンクリード ヴァルハラが日本で炎上しているのを知っているだろうか。北米版のamazonレビューは星4.2と非常に高評価なのに対し、日本版のamazonレビューは星2.1となっている。

ubi導入

なぜ日本版と北米版でこれほど差が開いてしまったのだろうか、理由は流血表現にある。アサシンクリード ヴァルハラはR-18指定となっているにもかかわらず、アジア版のみ敵を倒した時の流血表現が削除されてしまっている。公式から事前にそのような情報は出ておらず、批判が殺到したというわけだ。また、ゲームの設定画面には流血表現の有無を変更する設定があり、ネットでは「バグなのではないか」という話まで出ており、自体は謎を深めていた。

アサシンクリードヴァルハラ発売から8日後の11/18日、
UBIsoftJapanより声明文が発表された。

以下UBIBLOGより引用
皆さまよりお問い合わせを多数頂戴している流血表現の修正に関しまして、ご報告いたします。
『アサシン クリード ヴァルハラ』は、ゲームのレーティングを取得する際、オリジナルのゲームに対して、当初予定していた修正内容では日本で発売することができない可能性が高いことが分かりました。そこで、関係機関との協議の上、日本で発売可能となる表現修正を再度検討した結果、流血表現の削除も修正項目に含まれることとなりました。
全世界同日発売を維持するための対応となりましたことをご報告いたします。
また、ゲーム発売後、大小さまざまなゲーム内の問題が発生しております。
開発チームはゲーム内に問題が複数発生していることを認識しており、修正を行うべく、日々作業を続けております。
「予言者の慰め」ミッションにおける進行不能になる問題に関しては、開発チームが緊急対応を行い、現在PC版ではミッションを進行することができるようになりました。12月初旬までには他プラットフォームでも解決する予定です。
その他の問題につきましても随時対応を行ってまいります。
ユービーアイソフト

この声明文を読んだユーザーはもちろんCEROにヘイトを向けた。
(CEROとはコンピュータエンターテインメントレーティング機構の略称である。)
そりゃあそうだろう、「関係機関との協議の上、日本で発売可能となる表現修正を再度検討した結果、流血表現の削除も修正項目に含まれることとなりました」と
書かれているのだから、CERO側が規制してきたと感じ取るのが正常だし、UBIsoftJapanもそのような意図で投稿している。CEROは今までも多くの批判を浴びてきた。CEROの激しい規制によって、多くのゲームが表現の変更を余儀なくされてきた(と思っていた)からだ。しかし、2020年11月19日、ねとらぼ様のサイトにて一つの記事が投稿された、それがこれだ。

ねとらぼ様がCEROに取材したところ、担当者は「声明文でユービーアイソフトは『関係機関と協議の上』と書かれていますが、この件についてユービーアイソフトジャパンや本社から事前に一切のご連絡も協議の申し出も受けておりません」「だいぶ前に審査した際に、過去シリーズと同等の出血表現を含む内容で提出いただきましたが、そこで『Z』で審査を通しておりました」(記事内より引用) 

という衝撃的な取材内容が載せられており、ネットでは大きな話題を読んだ。

この件で最も問題視すべき点は、UBIsoftJapan側が声明文内にて、関係機関との協議の上、日本で発売可能となる表現修正を再度検討した結果、流血表現の削除も修正項目に含まれることとなったと説明している点だろう。
同日、UBIsoftJAPANはブログにて追記とし、このような投稿を行った。

先日公開した流血表現の修正に関しまして調査を進めた結果、弊社内の問題であることが判明いたしました。関係各所及びユーザーの皆様には、心よりお詫びを申し上げます。
流血表現につきましては社内でさらなる調査を至急行っており、詳細が分かり次第お知らせいたしますので、今しばらくお待ちくださいますようよろしくお願い申し上げます。

これは文面通り読めばUBIsoftJapan側の社内の確認不足ということになるが、「CEROに規制されたと言えばウチは叩かれないだろう」という風にも取れてしまうのだ。
これはあくまで想像の域を超えないし、立証付ける証拠などもないが、
結果的にCEROにヘイトが向いたのは事実であり、責任をなすりつけたと思われても仕方がない状況になってしまったのだ。

しかし、今回のUBIsoftJapanの流血表現削除には不可解な点がある。それは、既にCERO:Zで通過していたタイトルの流血表現をわざわざ削除したことだ。
流血をなくすことで年齢制限の緩和をしたかったなどの理由ならば流血の削除も分からなくもない(CERO:Dでも流血は普通にある)が、今回の場合はZで既に通っているものをUBIsoftが独断で変更したため、何のメリットも生まれてないのだ。
Twitterなどでは、中国の規制が厳しく流血表現が難しいため、アジアまとめて変更したのでは?と言った説も出ている。もしこの話が事実だった場合、UBIsoftJapanは中国が原因で規制した事を、日本のCEROが原因であると嘘をついたことになる。
もしそうだった場合は非常に悪質であり、相当なイメージダウンとなるだろう。

ここで、今のCEROの規制に対して、一つの面白い説が立ち始めた。
これに関しては詳しい事例は私程度のゲーマーでは思いつかないので、小言程度に思ってくれていいのだが、「CEROの規制はそこまで厳しいわけではなく、抗議を続ければ認められる例もあるが、CEROと抗議するのを面倒だと感じた制作側が過剰に規制をしていたのではないか。」といったものだ。
ゲーム制作側からすればCEROと揉めて時間を取られるのは避けたい事態だし、ある程度過剰に規制をかけておくことでレーティング審査を楽に突破する、というのは普通にあり得ることだ。流血表現を削除するというのは過剰がすぎる気がするが...
しかし、もしこの説が本当だったとしたら、今まで叩かれてきたCEROが本当に可哀想になる、ゲーム会社側の規制のヘイトを全て受けてきたのだとしたら...きっとそこら辺も今回のUBIの騒動で色々とわかってくるだろう。
そう考えると今回の件は、ゲーム制作側もゲーマーも、規制がなぜ必要なのか考え直すいい機会になったのではないだろうか。

⚠️この記事に書かれているものは全て素人の私が調べたことと個人の感想であるということを十分に理解してくれるとありがたい、それでは。

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