大阪のタクシー運転手、中ちゃんの体験談「乗り逃げ男の結末」
大阪でタクシー運転手をしている
中ちゃんの今日もチップで満塁ホームラン♫さんの体験談を引用で紹介!
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「乗り逃げ男の結末」
12月初旬の土曜日の深夜の出来事。
大阪ミナミ 宗右衛門町でお客さんを下ろし、
そのまま流し、信号で止まった。
ドアを開けて乗り込んできた30代のお兄ちゃん。
行き先聞くと神戸^_^
フル高速のロング!
詳しく聞くと長田までで高速降りてすぐの場所。
1時間半あれば戻ってこれる。
途中、タバコ吸いたいとか、椅子前にやれとか、まーまーうざい奴やったが、
「それ以上いうやったり気に入らんかったら、お金いらんから高速の上でも降りてもらってもええよ」
と強めに言うたら黙った。
高速降りて、目的地近くまで来たので、細かい案内してもらうように言うたら、かばんをガサガサやり始めた。
「酔って財布を落としたみたい」と言い出した。
車を停めて、車内に落ちてないか一緒に探したら、二つ折り財布が足元に落ちていた。
中身を見るとTポイントカードが一枚。
お金はすっからかん。
カードもクレジット機能が付いてない。
家に電話して家族に払ってもらうように言うが、家族はいないとか、おかんは入院してるとか言ってわけわからん。
確信犯ぽいので、「警察行くで」と強制的に連れて行った。
着いて車を停めてエンジン切った瞬間、男はドアを開けて逃げ出した。
酔ってたのと、ヒョロい奴やったんで、すぐに捕まえて、首根っこ掴んでそのまま、警察に連行した。
「無賃乗車で逃げよった」と突き出した。
しばらくは警官が諭すように話しかけるが、無視し続けてたら、それを見ていた他の警官が内線して誰かを呼んでる。
すると、プロレスラーかと思うゴツいのが3人やってきた。
首根っこもって持ち上げられる男。
「名前言わんか!」
とドラマさながらの風景。
あまりの苦しさに男は名前を言うと、直ぐに前歴ある事がわかった。
男は首根っこ持たれたまま壁に叩きつけられること数回。
凄まじ迫力やった。
他の警官が、「前歴ありなんで逮捕するで」と言うたので、お願いしますと答えた瞬間、「◯時◯分 逮捕」と言い、手錠がかけられた。
車から逃げて捕まえてから15分程の出来事やった。
その日は土曜日なんでとっと帰って稼がないと。
あとは会社と警察とでやり取りしてもらおうと、連絡先等を伝え、証明書もらって帰ろうとした。
すると、プロレスラーみたいな警官の1人が、調書作るから時間頂戴なって。
「どれぐらいですか?」
「3時間くらいかな。今日は仕事諦めてくれ。」
別室に通され、何人もの警官に一部始終を聞かれた。
犯人の情報も聞いた。
タクシーの無賃乗車、無銭飲食が数回あり、警察の世話になっていた。
仕事も辞めたばかりで、長続きしない奴やった。
調書がめちゃくちゃ面倒やった。
男が乗る前からの話しを時間と共に話し続けた。
この件の担当はプロレスラーみたいな警官になった。
調書を作成はパソコンでやるのだが、喋り口調を文書にするのは難しく、
ゴツい指でのキーボード操作はミスタッチの連続。
先が思いやられる…
12月ということもあり別室は寒いし、腹も減ってきた。
途中で食べようと思ってた巻き寿司がある事を思い出して食べていいか?と聞いた。
ちょうど夜勤当番の警官も夜食を買いに行くってことらやったんで、カップラーメンを買ってきてもらうように頼んだ。
そして、警官と一緒にラーメンと巻き寿司を食べた。
その間、プロレスラー警官は調書作成に必死やった。
何度も読み合わせして完成して、受理されたのが6時前。
会社に戻り報告して、同僚の売上見たら、どっと疲れがでた。
その日はとっと帰り直ぐに寝た。
次の日、出勤すると、所長が警察とやり取りしてくれて、料金の回収の話しが付いていた。
犯人の男は36才、おかんと2人暮らし。
定職に着かず、転職退職の繰り返し。
年が明け、しばらくしてこの男をミナミで数回見ている。
ほんまに懲りないクソ野朗や。
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