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新規開業に必要な届出書
こんにちは。税理士ラベンダーです。
今回は、年度の始まりなので、基本中の基本、新規開業した場合に必要な届出書を紹介したいと思います。
今時、知らない人も少ないのではないかと思いますが、ここは基本に立ち返り投稿したいと思います。
まず、開業時に管轄税務署に提出が必要な書類は、上記1と2のふたつです。
以下、順に説明します。
1.開業届出書
正式には「個人事業の開業・廃業等届出書」と言います。
これは事業所得、不動産所得、山林所得を生ずべき事業を開業した人が提出する書類です。
提出期限は、事業開始日から1ヶ月以内。
提出資料のひな形は、下記の国税庁ホームページのものを参照するか、最近では無料会計ソフトで作成することも可能です。
また、e-Taxで提出も可能です。
ひな型は、05.pdf (nta.go.jp) です。
2.青色申告承認申請書
正式には「所得税の青色申告承認申請書」と言います。
これは「青色申告」を選択する場合に提出する書類です。
申告には「青色申告」と「白色申告」とがあり、選択によりどちらかを選べます。
通常、私達税理士は税制の特典がある「青色申告」をお勧めしています。
提出期限は、以下の二通りです。
①青色申告をしようとする年の3月15日まで(白色申告からの変更も該当)
②1月16日以後の開業の場合、事業開始日から2ヶ月以内
通常は②に該当するのではと思います。
また、e-Taxで提出も可能です。
ひな形は 10.pdf (nta.go.jp) です。
3.青色申告の特典
①青色申告特別控除
青色申告の特典で一番有名なのは、この「青色申告特別控除」ではないでしょうか。これは、所得金額から控除されるものです。
これは、次の要件によって65万円、55万円、10万円と控除額が違ってきます。
その要件とは、以下のことを指します。
イ. 仕訳帳、総勘定元帳、固定資産税台帳等が作成されている。
ロ. 発生主義による複式簿記で記帳されている。
ハ. 翌年3月15日の確定申告期日までに貸借対照表も添付した申告書を提出
ニ. 電子申告(e-Tax)又は電子帳簿保存をしている
イからニのすべての要件を満たす場合には65万円
イからハの要件を満たす場合には55万円
それ以外又は簡易帳簿の場合には10万円 となります。
②少額減価償却資産
30万円未満の減価償却資産は減価償却せず、全額その年の経費として計上できます。
年間300万円までが経費として認められます。
③純損失の繰越控除
事業により発生した損失を、翌年以降3年間繰越せます。
つまり、今年発生した赤字を翌年以降3年間、黒字と相殺できるというものです。
但しこれには要件があり、損失の発生年度及びその後連続して確定申告書を提出している場合に限り認められます。
また、e-Taxにより自動計算が可能です。
④純損失の繰戻還付
事業により発生した損失を、前年度の黒字と相殺できます。
但し、この適用を受けるためには「純損失の金額の繰戻しによる所得税の還付請求書」を提出する必要があります。
⑤家族への給与の経費計上
生計を一にする親族(15歳以上)が事業に従事している場合、支払う給与金額が適正かつ「青色事業専従者給与に関する届出書」を提出しているときは、経費計上できます。
(給与金額が「適正」でないと税務当局や裁判所に判断された場合は、更正される可能性もあるので注意が必要です)
白色申告の場合も「専従者給与」として、経費計上が認められていますが、最高額が設けられており、配偶者の場合、最高86万円まで、それ以外の親族の場合は50万円となります。
4.終わりに
いかがでしたか? 青色申告の特典は、これ以外にもたくさんありますが、おおよそよく使うであろうところをピックアップしました。
青色申告者の場合、上記のような特典はありますが、納税者にとっては帳簿付けが大きな負担となり、それができないため、白色申告者のままでいる、あるいは青色申告をやめてしまう場合もあります。
しかし、今は無料もしくは低額で会計ソフトが使える時代となりましたし、分からないことがあれば、税務署や国税庁のコールセンターでも教えてくれます。
初めから完璧な帳簿付けは、誰もができるわけではありません。
ましてや、小規模な個人開業であれば取引数も限られるため、少しづつ勉強をすすめ、是非とも青色申告を続けて行ってほしいと思います。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
税理士ラベンダー
24.4.12