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なぜヨーロッパの多くの国が富裕税を廃止したのか
※お知らせ※
減税新聞では有料記事設定をさせて頂いていますが、筆者のやる気の源であるプリン代になる投げ銭的な意味合いですので、記事は全文最後まで無料でお読みいただけます。
こんにちわこんばんわ。
全ての増税に反対し、全ての減税に賛成する自由人、七篠ひとり(@w4rZ1NTzltBKRwQ)です。
あえて引用はしませんがコテコテの社会主義者さんが実に社会主義者らしい「格差是正」を主張し、その方法として
富裕層は増税、中間層以下は無税
というこれまた社会主義者らしい現実や過去の歴史や人間の心理を全て無視した荒唐無稽な政策を語っているようですが、その考えこそまさしく「資本家階級の打倒と労働者階級の平等」を訴える社会主義思想そのものであり、中国共産党と気が合いそうですねという話は置いておくとして、
![](https://assets.st-note.com/img/1722492121344-kuKEkftnO0.jpg)
今日はあらためて
富裕層への課税
について書いていこうと思います。
以前の記事で「増税のために政府が行う11の行動」として
富裕層や喫煙者など「嫌われ者」に対し社会的対立を利用して税金を掛ける
と書いたように、富裕税は庶民から賛成を得やすいが故に政府が手を出したくなる増税手法のひとつです。
ですので実際に1990年代には、OECDに加盟する36ヵ国中12ヵ国(オーストリア、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、アイスランド、イタリア、オランダ、ノルウェー、スペイン、スウェーデン、スイス)が個人の純資産に対する「富裕税」を課していました。
しかしそんな富裕税もその後に続々と廃止され、
2022年の段階で富裕税を課しているのはノルウェー、スペイン、スイスの3ヵ国のみ
となっています。
ではなぜ富裕税は廃止されたのでしょう?
答えは
徴税管理コストと政治的労力に見合うだけの税収が無いうえに、経済に与える弊害が大きいから
です。
つまり富裕税は、反対派の警告通りデメリットだらけだったというわけです。
当たり前のことですが、富裕税を掛ければそれから逃れるために富裕層は国を離れます。
例えば1982年に富裕税を導入したフランスでは、多くの富裕層が富裕税の無いベルギーに移り住みました。
結局フランスの富裕税は2017年に廃止されるのですが、算定では「15年間で約4万人の富裕層が350億ユーロ(約5兆円)の資産と共に国を離れた」とされています。
また富裕税の対象となる資産はお金だけでなく、金融証券、住宅、家具、美術品、宝石、骨董品、車、ボート、年金権利、家族経営の企業、農場、土地、知的財産など多岐に渡り、もちろんそれらが国外にあることも多いため、全てを当局が把握するのは不可能です。
そのために富裕税は、会計士や税理士を豊かにすることはあっても他は誰も得をしないという結果を生み出すことになりました。
現実を見ない社会主義者には不都合な事実だと思いますが、これが各国政府が富裕税を廃止した理由です。
富裕税は富裕層が国を離れるインセンティブを強めるだけにしかなりません。
つまり「富裕層は増税、中間層以下は無税」という社会主義者らしい荒唐無稽な主張は
富裕層を国外に追い出すことで実現する格差是正
であり、それは「一億総貧困化」を目指しているにすぎないのです。
それはまさしく「社会を共産主義に変える8つの方法」という記事で書いた
貧困 - 貧困層を増やせ。貧しい人々はコントロールしやすく、生活物資の提供さえすれば彼らは反撃することはない。
という手法そのものであり、彼が目指しているのは「格差是正」ではなく「権力による統制」であることは間違いないと言えるでしょう。
そうでないというなら「何故富裕税が有益なのか」を都合の良い妄想ではなく、他国の事例を挙げて論理的に説明すべきです。
ということで最後に
スウェーデンでさえ富裕税を廃止した
というコラムを一部抜粋してご紹介しようと思います。
Even Sweden abandoned its wealth tax https://t.co/gyNWL9IxhK via @thesovereignman pic.twitter.com/l8bX6738Se
— Jeff Lee 2020 (@JeffLee2020) January 29, 2019
富裕税はひどい考えだ
ヨーロッパの中でも税負担率の高いスウェーデンやデンマークでさえ富裕税を廃止している。
社会主義国でさえ富裕税は効果がないことに気づいている。
実際、ヨーロッパの多くの国が富裕税を廃止した。
それはなぜか?
それは富裕税から逃れるために人々が大挙して国を去っていったからだ。
フランスでは、富裕税にうんざりした富裕層が35年間にわたり毎年500世帯以上国外へ流出し、推定1750億ドルの資産を持ち去った。
それはお金だけでなく、投資や40万人の雇用も失わさせた。
またスウェーデンは富裕税で5億ドルの税収を得たが、国外への資本流出により1660億ドルを失った。
つまり富裕税は単純に機能しないのだ。
富裕層は税金の回避が得意であり、同時に流動性が高いのだからそうなるのは当然だろう。
ヨーロッパで富裕税がどうなったかは既にわかっている。
アメリカでも同じことをすれば、当然同様の結果になるだろう。
それでも富裕税は良いことであり、社会主義政府の税収を増やすだろうと信じる人がいるが、その人は最も重要な点を見逃している。
それは「政治家は税金を集める計画については話すが、その結果については決して話さない」という点だ。
テロとの戦いは終わっていない。
貧困も解決しなかった。
オバマケアも機能不全に陥っている。
要は政府は問題を解決できないのだ。
それなのに「さらに予算を投入すれば政府は問題は解決すると信じている」というのは非常にも恐ろしい考え方だ。
これはもはや「格差是正」のためのものではない。
金持ちを罰するためのものだ。
しかし国には人々を閉じ込める壁は存在しない。
富裕税を導入すれば、スウェーデンやフランスと同じようにアメリカから富裕層は優しい税制の国に逃げていくだろう。
ということで今日はここまで。
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