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欺瞞政府と戦えるのは「欺瞞を止めろ」と言える人だけ

※お知らせ※
減税新聞では有料記事設定をさせて頂いていますが、筆者のやる気の源であるプリン代になる投げ銭的な意味合いですので、記事は全文最後まで無料でお読みいただけます。

こんにちわこんばんわ。
全ての増税に反対し、全ての減税に賛成する自由人、七篠ひとり(@w4rZ1NTzltBKRwQ)です。

固定資産税というものがあります。

この固定資産税の算出方法を超ザックリに説明すると

「建物の課税標準額×税率1.4%」

となっています。

この課税標準額ですが、平成5年以前までは自治体によって違うものの、おおよそは「公示価格の2~3割程度」とされてきました。

しかし自治省(現総務省)が出した通達によって、それが平成6年から一気に

公示価格の7割に引き上げ

となってしまいます。

それなのに税率の1.4%はそのままだったので、当然固定資産税は跳ね上がることとなりました。

当時の国会の質疑を引用しましょう。

この税(固定資産税)のために苦しんでいらっしゃる方がたくさんいる。

こういう現象になった一番の原因は、これは本会議でも申し上げましたけれども、平成四年に、自治省の事務次官依命通達で、全国の評価額を七割に上げなさいという通達を出したんです。
今まで全国でばらつきがあって、二割から三割だった固定資産税の評価額をいきなり七割に上げたものですから、これは一番左の評価額を見ていただきますと、平成五年は三兆五千九百億だった評価額がいきなり十四兆に上がっているんです。

第159回国会 衆議院 総務委員会 平成16年2月26日 松野頼久議員


さてここで皆さんに質問です。

この平成6年の出来事では前述したように固定資産税の税率は一切変わっていません。

しかし課税標準額算出のための係数を引き上げたために、この年より納税者が請求される固定資産税の税額は大幅に増大しました。

はたしてこれは増税でしょうか?

①増税である
②税率は変わっていないから増税ではない

皆さんはどちらだと思いますか?

このnoteの読者なら間違いなく①の「増税である」を選んだと思います。

たとえ税率がそのままでも算出方法を変えて税額を増やすことは増税以外の何物でもないからです。

これに異論がある人はまずいないでしょう。

では次の質問です。

一般的に建物は年数の経過とともに経年劣化するので建物の評価額もそれに伴い低下していき、固定資産税額も減っていきます。(負担調整措置はまた別の話ですのでここでは無関係です)

ではこれは減税でしょうか?

①減税である
②減税ではない

この答えは皆さん②の「減税ではない」を選んだことでしょう。

建物の価値が下がることと税制は別の話だからです。

3ナンバーの車から軽自動車に乗り換えた人が「自動車税が減税された」と言わないのもこれと同じ「別の話だから」でしかありません。

では次の質問です。

政府が貨幣供給量を増やすとインフレが起こります。

インフレとは物やサービスの価格、つまり物価が継続的に上昇することを指します。

物価が上がると「率」で課税されてる消費税の税額も当然上がります。

ではこれは増税でしょうか?

①増税である
②税率は変わっていないから増税ではない

先日「デフレ税」という意味不明な主張をSNSで見ましたが、この質問に対し「政府の取り分を減らせ」という観点から①の「増税である」と答えた人はきっと「デフレ税」なんて欺瞞に騙されることはないでしょう。

「政府の取り分を減らせ」の意味がわかっている人なら、政府が好き勝手に通貨を発行して使いまくることも、その結果物価を上昇させ消費者の購買力を奪うことも、さらに消費税で吸い上げていくことも全て「反対」となるはずであり、「デフレ税」なる造語を作り出してまでインフレ税に反対する意味も必要もないからです。

正直これまで減税新聞でも私のSNSでもインフレ税にはあまり触れてきませんでしたが、それは今はまだまだ「増税反対」「ごちゃごちゃうるせぇ!減税しろ!」というシンプルな主張で世論を喚起する段階であり、そちらを優先すべきだと思っているからです。

しかし「あえて触れていない」はインフレ税を否定するという意味ではありません。

むしろ「政府の取り分を減らせ」なのですから、インフレ税を訴える人はどんどんやればいいと思います。

いつも言うことですが「増税メガネ」という言葉が防衛増税を止めるなんてことは数年前には誰も予想してなかったように、何が世論を刺激するかなんて誰にもわからないのですから「減税しろ」や「増税反対」という主張は各自が好きなやり方や表現でやればいいのであって、インフレ税を世に広めたいという人がいればそれを応援することはあっても邪魔する必要は全くないと私は思います。

しかしなんでもいいと言っても欺瞞や詭弁は違います。

ましてや欺瞞や詭弁で他の人の減税や増税反対の主張を否定することは、「岸田は増税していない」と同レベルの論外であるとしか言いようがないでしょう。

それでももしデフレで資産価値が下がることを「デフレ税」と言い張るなら、公示価格が下がることで固定資産税が減額されることも「減税」というべきでしょう。

でもそれは同時に「デフレ下では固定資産を持つものは増税されて減税される」という意味不明な主張をしていることを自覚すべきです。

これを欺瞞と感じないなら相当注意した方が良いでしょう。

一方で②の「税率は変わっていないから増税ではない」と答えた人は、最初の質問の固定資産税の話も「増税ではない」というべきです。

評価額の変更も政府が起こすインフレも同じ「政府の行為」なのですから、答えが変わることはダブスタでしかありません。

整合性のない主張は詭弁であり欺瞞です。

オーバーツーリズムで地元住民の生活に影響が出ると聞けば「オーバーツーリズム対策の財源に宿泊税を導入しよう」となる一方で、もっと観光客を呼びたいという話に対しても「観光振興を支える財源に宿泊税を導入しよう」とやっぱり宿泊税の話を始める人達と同じことをしてはいけません。

欺瞞にまみれた政府と戦えるのは

「欺瞞を止めろ」と言える人だけ

です。

何派でも何主義者でもどうでもいいですし、好きに名乗ればいいでしょう。

しかし欺瞞だけはやめましょう。

もし減税運動が「欺瞞を批判してはいけない」というものなら、私は今すぐそんな無意味な運動から降りることを選びます。

「意見の違い」と「欺瞞の指摘」は全く違います。

欺瞞を指摘する人がいなくなった時が腐敗の第一歩であると私は思います。

ということがレジ袋規制に絡めて書いてある私の初の電子書籍が発売中です笑

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では今日はここまで。

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それでは、ナイス減税!

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